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第一話 ルゼリアはつらいよ⑦
《森望の塔》――。
ルゼリアの首都、ミラステラに広がる森林を一望する塔型ダンジョン。
その頂上、祀られるコアに“魔術部隊”、
そのエルフ兵がコアの制御に魔力を注ぎ込んでいる。
その傍らでは“魔術部隊”の総監、ファルディーンが世界樹を眺めていた。
「世界樹のこれほど近くに魔王軍か、
魔王ノクスめ、恐ろしい程の深謀遠慮よ」
ファルディーンの傍には二つの死体。
黒く焼け焦げたそれらには角が。魔王軍だ。
「コアの制御、完了しました」エルフ兵が声を上げ、
「そうか、それでは……」振り返るファルディーンに声がかかる。
「伝令!」肩で息をし、駆け上がってきたのは豹顔の獣人兵。
「国主ミレイア様より通達。ファルディーン卿には《穿山古神殿》へと向かわれたし。そしてそこで帝国の“ゴーレム部隊”と共闘せよ。とのことです!」
伝令を聞いたファルディーンの眉間に、皺が寄る。
(帝国だと?しかも“ゴーレム部隊”。何が起こっているのだ)
塔の頂上に吹き抜ける風に冷たいものを感じながら、
ファルディーンは空を見上げる――。
「世界樹から乱れたマナが、何処かへと流れていく。
どこへ?そして流れた先に何が起こる?」
風が勢いを増し、ファルディーンの耳に騒めいた音を響かせていた。




