↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第六章 商業都市国家群ヴァルニス編
211/294

第九話 前兆はつらいよ④

《青環の神殿》。

 六対の石柱を抜け神殿の内部へと進む寅二郎一行。

 六対の石柱には、それぞれ違う紋様が刻まれていた。

 水・火・風・土・光・闇――六属性が生まれた頃の古い意匠だ。


 海底にあるとは思えない巨大な建造物は、

 地上でも古代遺跡などによく見られる石材で作られ、

 魔鉱石製の明りに照らされ奥へと続いている。


 玄関口であろう、ここは海底の続きの様に静かだった。


 静まり返った神殿内を皆一様に警戒しながら進んでいたが、

 先頭を歩くトンペティが立ち止まり言った。


「来たな」


 その声に寅二郎たちも立ち止まると、

 ヒタヒタとこちらへ歩いてくる物音が聞こえてきた。


「おい!あれは……」剣を構えた寅二郎の視線の先に、

 直立する魚の様な魔物、サハギンが群れて歩いてくる。


 ぬらりとテカる鱗に覆われ、手には槍を持っている。


「5,いや6匹か!違う、奥からまだ来るぞ」

 シドも短剣を構える。

 でも、とリラが眉を寄せる。


「何だか雰囲気がおかしくない?」


 サハギンたちは目をギョロギョロと動かし、水のマナが逆流しているように見えた。呻き声も、どこか水音のように濁っている。ヒタヒタとこちらへ歩き続け、ようやく寅二郎たちを認識したのか、槍を構えだした。


「何か起きとるのは間違いない。このまま押し通るぞぃ!」

 拳にマナを収束させ走り出すトンペティ。

 サハギンの群れに拳を叩きつけると、まとめて吹き飛ばした。


「奥に広間、そのさらに奥にコアの祭壇じゃ!

 ちんたらやってはおられん。行くぞ!」


「おう」トンペティの号令と共に寅二郎も剣を繰り出し、走り出す。


 次々と襲い来るサハギンを殴り、斬り、蹴散らし進む寅二郎たち。

 廊下をしばらく進むとサハギンの襲撃が止んだ。


「何だ?もう終わりか?」剣についた返り血を拭い寅二郎が言った。


「いや、分からん。この先に何かあるのか」


 シドやトンペティも立ち止まり、その体に癒しの光が降り注いだ。


「ちょっと待ってね」

 そう言ってリラが《ヒール》をかけて回る。


「おおリラちゅわん、癒しの光、生き返るぜぇ」

 寅二郎が微笑むが、トンペティは苦い顔。すっと先を指差した。


「サハギンが来んのは、アレのせいじゃな」


トンペティの指さす先、広間へ抜けるはずのそこは、

巨大な何かに塞がれて見通せなくなっていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。