↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第六章 商業都市国家群ヴァルニス編
210/294

第九話 前兆はつらいよ③

 寅二郎一行はトンペティを加え、

《青環の神殿》の入り口に立っていた。

 見上げた先にはミラステラ宮殿が見える。

 確かに目と鼻の先だ。


 そして浜辺に建つ入り口は小ぶりな小屋といった風情をしていた。

 その小屋の周りにはたくさんの冒険者たちの姿が見えた。


「これが神殿?とてもそうは見えないぞ?」

 寅二郎がトンペティに顔を向けて言った。


「慌てるでない。あくまでこれは入口じゃ。

 皆、準備は良いな?」トンペティが扉を開き、中へと入る。


「トンペティ!」「頼んだぞ、お前ら」冒険者たちの声援を受け、寅二郎たちも中へと入った。中は普通の小屋に見えたが奥に一か所不思議な穴が見えた。


「何だ?これ。ここが入り口か?」寅二郎はその穴を覗き込む。


「ここを通って神殿へ行く。皆ついてくるのじゃ」

 トンペティが先立ち、そのトンネルを進んでいく。


 丸い透明の膜の様なトンネルを歩く。

 その膜は渦を巻くように海底へと続いていた。


「こう言っていいのか分からないけど、綺麗ね」リラが声を上げた。

「ああ、海の中を歩いているような不思議な感覚だな」

 シドも興味深げに辺りを見回している。


 透明な膜の向こうでは魚が泳いでいるのが見える。


 日の光が差し込み、煌めく海中を歩き続ける。


「おい!あれを見ろ」しばらく歩き続けた寅二郎が声を上げた。


 見ると、大型で魚の様な見た目の魔物が、目の前を通り過ぎていった。

 

「こちらを襲ってくるようではないな」

 シドは短剣を構えつつ言った。

「そうね。どこかへ導かれているような……」

 リラも何体もの魚型魔物が行く先を見つめる。


「ふむ、あれは敵意が無いんじゃないのう。

 意識がここに無い。ほれ見てみい」

 トンペティが指差す先、

 大型の魔物たちは同じ方向へ向かっていく。


 そして、しばらく歩き続けた先、

 渦の中心に佇むように、それは姿を現した。


「あれが神殿か?」寅二郎が指差す。


 らせん階段の様だったトンネルの先に神殿が見えた。


「おい!あれはどういう事だ?」シドが目を見張る。


 確かに神殿は見えた。

 しかしその神殿の周りに小型の魔物が群がって見えた。

 魔物は神殿へとぶつかり弾かれている。


「やはり神殿に何かある、ということか」


シドのセリフに皆息を呑み、いよいよ神殿へと足を踏み入れた。

寅二郎は、胸の奥が静かに引き絞られる感覚を覚えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。