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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第六章 商業都市国家群ヴァルニス編
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第二話 一攫千金はつらいよ⑨

翌日、寅二郎たちはギルドに顔を出していた。


「よう、受付のにぃちゃん。エルドの事覚えてる?」


 気さくに話しかけた寅二郎だったが、

 エルドと揉めていた受付の男は声を顰める。


「ええ、それがしばらくここを離れる、と挨拶に来まして……」


 聞くと、昨日の夕刻、肩を落としたエルドが来たらしい。カジノで大負けしカジノ側の依頼で、ある孤島への護衛依頼を受けさせられたという。


「ある孤島?」シドが眉を顰め尋ねた。


「ええ、“エンダープ”という孤島なんです」


(繋がってきたな。いや、最初から繋がっていたんだ)

 シドは不安が形になっていく気がした。


「それって、カジノの特別勝負で言われた?」

「ああ、何でも入るって袋とセットで付いてきたやつか」

 リラや寅二郎もその孤島の名に覚えがあるらしい。


「それが“エンダープ”には良くない噂もありまして……」

 受付の男の眉は顰められたままだ。


「“エンダープ”から帰ってきた人を見たことがない、と」


「そんな、馬鹿な」

「ありえないだろ?そんなこと」

「ただの島、なんでしょ?そこは」

 寅二郎たちに不安が広がる。


「ええ、勿論島への定期便もあり、人が往来するのですが、

 時折、一人旅の人だったり、冒険者などが行方不明となるんです」


「怪しいな、その島」寅二郎がポツリと言った。

「ああ、調べてみるべきだな」シドも言い、リラは頷いた。


「それなら、ちょうど“エンダープ”への護衛依頼が出ているのですが」

 受付の男が一枚の依頼書を指差す。

 それをシドが掲示板から取って戻ってきた。


「“エンダープの環境調査”?依頼主はサマルクス、とあるな」

 シドが依頼書を読み上げ、寅二郎は言った。


「会ってみよう、そいつに。エルドが心配だしな」


三人は顔を見合わせ頷きあうと、ギルドを出るのだった。

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