↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第六章 商業都市国家群ヴァルニス編
172/309

第二話 一攫千金はつらいよ⑤

 まるで宮殿の様な豪華な外観をしたカジノ、

 その城門の前の広場は市が立つほど賑わっていた。


 その内の一つから寅二郎に声がかかった。


「兄さんたち、カジノ、行くのかい?」


 寅二郎が見ると、シートを敷いて小物類を販売している露店だった。

 店主は薄汚れた髭を蓄えた老ドワーフ。

 寅二郎をギロリと一睨みすると言った。


「あまり夢を見すぎるなよ」


「カジノ前で商売する人のセリフとは思えんな」シドが眉を顰める。


「カジノに嵌まっちまってこうなった。いわばこりゃ俺の復讐だな」

 老ドワーフの真剣な眼差しに寅二郎は、


「はは、じゃぁ俺もその復讐にのっかってやるよ」

 そう言って、リラに言った。


「リラ、何か見繕ってくれ。みっつ、何か買おうぜ」


 リラは微笑むと、


「分かったわ」そう言って小物を見回した。


「おじさん、これちょうだい」


 そういってリラが選んだのは、サイコロのかかったペンダントだった。


「はは、おそろいだな」シドが微笑み一つ受け取る。

「何か、これで勝てる気がしてきたぜ」寅二郎も笑い首にかけた。

「おじさん、ありがとね」リラも微笑み首にかける。


「ふん、お前さんたちを見ていると、

 復讐なんつっても馬鹿らしくなってくるな」


 老ドワーフも微笑みを浮かべると、


「お前さんたちの幸運を祈ってるよ」


 そう言って手を振り、送り出してくれた。


(やはり、一筋縄では行かない場所の様だ)


 シドはサイコロを触りながら、カジノの裏側に思いをはせていた。


 しかし、中へと入るとシドの不安は吹き飛ばされそうになった。


 大広間には赤い絨毯が敷かれ、壁や天井には華やかな明りが灯っている。一階部分はスロットのフロアらしく、ずらっとマシーンが並ぶ。人々がマシーンの横にあるレバーを引き、回転する絵柄をずっと見ている。時折、当たったのか声を上げる人もいる。


「こりゃ豪気だな。フロアいっぱいのスロット、壮観だな」

 寅二郎が目を丸くし、周りを見回す。

「お客さんの熱気がすごいね」

 リラは人々の熱気に当てられたのか、顔を火照らせている。

「ああ、とても明るくて煌びやかだ。しかし――」

 シドも感心しながらも、先ほどの老ドワーフの顔を思い浮かべていた。


(あくまでここは表の顔、裏は外の人たちとつながっている。そんな気がする)


「さぁバニーちゃんを探しに行くぞ!冒険の始まりだ!」

寅二郎がぐんぐん歩き出すのを、シドはため息をつきながら付いて歩くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。