第二話 一攫千金はつらいよ④
「こちらが今回の報酬になります」
笑顔の受付からリラが報酬を受け取った。
リラがエルドに分け前を渡そうとすると、
エルドの手が震えていた。
「どうしたの?」
「いや、これからが本番だと思うとな」
「なるほど」
「はは、そんなに気負うなよ」
感極まった顔をするエルドに、シドや寅二郎が声をかけた。
「ああ、勝つ。勝つさ」エルドはぶつぶつ言っていたが、
「今回は本当に助かった。ありがとう。
俺は早速カジノへ行ってくる!じゃあな」
ひきつった笑顔ながら、元気よくギルドを出て行くエルド。
「大丈夫かよ?あの様子で」寅二郎は苦笑いだ。
「さてな。……引き時くらいなら分かるだろう。冒険者なら」
「ふふ、上手くいくといいね」
シドやリラも笑顔でエルドの背中を見送っていた。
しばらく余韻に浸っていた三人だったが、
寅二郎が突然言い出した。
「さて、俺たちも行ってみないか?カジノ」
「どうした?金には興味は無さそうなのに」シドが首を傾げ、
リラは寅二郎の顔を見て言った。
「トラジロウ、何かいやらしい顔、してる」
「そ、そんなことねえよ?エ、エルドのあの様子見てたらさぁ……」
寅二郎の鼻の穴は広がっている。
「トラジロウ、本音は?」リラが真顔で言い、
「カジノでバニーガールともっこり」寅二郎は小声で言った。
「もう」「そんなところだと思った」リラとシドは苦い顔だ。
しかしシドは気を取り直したのか、
「まぁ今回の報酬はエルドのおかげとも言えるしな。
ちょっと様子見で遊ぶくらいならいいかもしれないな」
と言い出した。シドの顔を見て寅二郎が飛び上がる。
「おお、さすが“オトン”!話が分かるぜ!」
寅二郎の笑顔につられ、
リラも笑顔を見せると三人はカジノへ向けて歩き出すのだった。




