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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第六章 商業都市国家群ヴァルニス編
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第二話 一攫千金はつらいよ④

「こちらが今回の報酬になります」


 笑顔の受付からリラが報酬を受け取った。


 リラがエルドに分け前を渡そうとすると、

 エルドの手が震えていた。


「どうしたの?」

「いや、これからが本番だと思うとな」

「なるほど」

「はは、そんなに気負うなよ」


 感極まった顔をするエルドに、シドや寅二郎が声をかけた。


「ああ、勝つ。勝つさ」エルドはぶつぶつ言っていたが、


「今回は本当に助かった。ありがとう。

 俺は早速カジノへ行ってくる!じゃあな」


 ひきつった笑顔ながら、元気よくギルドを出て行くエルド。


「大丈夫かよ?あの様子で」寅二郎は苦笑いだ。

「さてな。……引き時くらいなら分かるだろう。冒険者なら」

「ふふ、上手くいくといいね」

 シドやリラも笑顔でエルドの背中を見送っていた。


 しばらく余韻に浸っていた三人だったが、

 寅二郎が突然言い出した。


「さて、俺たちも行ってみないか?カジノ」


「どうした?金には興味は無さそうなのに」シドが首を傾げ、


 リラは寅二郎の顔を見て言った。


「トラジロウ、何かいやらしい顔、してる」


「そ、そんなことねえよ?エ、エルドのあの様子見てたらさぁ……」


 寅二郎の鼻の穴は広がっている。


「トラジロウ、本音は?」リラが真顔で言い、


「カジノでバニーガールともっこり」寅二郎は小声で言った。


「もう」「そんなところだと思った」リラとシドは苦い顔だ。


 しかしシドは気を取り直したのか、


「まぁ今回の報酬はエルドのおかげとも言えるしな。

 ちょっと様子見で遊ぶくらいならいいかもしれないな」

 と言い出した。シドの顔を見て寅二郎が飛び上がる。


「おお、さすが“オトン”!話が分かるぜ!」


寅二郎の笑顔につられ、

リラも笑顔を見せると三人はカジノへ向けて歩き出すのだった。

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