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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第六章 商業都市国家群ヴァルニス編
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第二話 一攫千金はつらいよ②

 寅二郎たちがギルドに入ると、

 受付で何か揉めている様だ。


「何か、こんなの前も見たな」寅二郎が眉を顰める。


「まぁこういうのを感じに来たんだから。行ってみよう」

 シドが寅二郎を引きずりながら受付へと行くと、


「大丈夫、絶対やり遂げて見せるから」


 剣を履き、盾を背負った戦士風の男が、

 受付係の男に詰め寄っている。


「しかし、Bランクのエルドさんには荷が重いかと

 ……過去には三人も犠牲者が」


 嫌そうな顔をしながらも、寅二郎が声をかけた。


「おいおい、どうした」


 受付はホッとしたような顔をし、

 そして戦士風の男は寅二郎たちを振り返った。


「何か揉めていたようだが?」


 シドが後を引き継ぎ、

 男を含めた4人で適当な席に腰を下ろした。


「俺の名はエルド。この街で冒険者をしている」

 エルドは案外素直に経緯を話し始めた。


「先日、PTメンバーの一人が依頼中の怪我をきっかけに引退してね。

 それで他のメンバーも続いてしまって、PT解散ってことになった」


「よほど大きな怪我だったの?」リラが心配そうに言った。


「いや、治癒魔法で完治したんだが、やられたのは心の方でね。

 『いつまでも冒険者では、まともな生活も出来ない』と言い出したのさ」


「理想と現実というところか」シドも相槌を打った。


「まぁメンバーの言いたいことも分かる。だけど志したもんもあるだろ?

 だから今回こそ一発当てて、いろんなことに区切りをつけたいんだ」


 素直に心情を吐露したエルドのまっすぐな顔を見て、寅二郎が言った。


「で、あんたは具体的にどうしたいんだい?」


 エルドはまっすぐ寅二郎を見返すと、


「討伐依頼で得た報酬で、カジノで勝負したいんだ」


「カジノ?」「勝負?」リラやシドは不安げな表情を浮かべたが、


「勝っても負けてもそれで踏ん切りをつけようって事か?」


 寅二郎はまっすぐエルドと目を合わせ、エルドが頷くと、


「分かったよ。討伐依頼だな。手伝ってやるよ」


ありがたい、と頭を下げるエルドと共に討伐依頼を受けることとなるのだった。

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