第二話 一攫千金はつらいよ②
寅二郎たちがギルドに入ると、
受付で何か揉めている様だ。
「何か、こんなの前も見たな」寅二郎が眉を顰める。
「まぁこういうのを感じに来たんだから。行ってみよう」
シドが寅二郎を引きずりながら受付へと行くと、
「大丈夫、絶対やり遂げて見せるから」
剣を履き、盾を背負った戦士風の男が、
受付係の男に詰め寄っている。
「しかし、Bランクのエルドさんには荷が重いかと
……過去には三人も犠牲者が」
嫌そうな顔をしながらも、寅二郎が声をかけた。
「おいおい、どうした」
受付はホッとしたような顔をし、
そして戦士風の男は寅二郎たちを振り返った。
「何か揉めていたようだが?」
シドが後を引き継ぎ、
男を含めた4人で適当な席に腰を下ろした。
「俺の名はエルド。この街で冒険者をしている」
エルドは案外素直に経緯を話し始めた。
「先日、PTメンバーの一人が依頼中の怪我をきっかけに引退してね。
それで他のメンバーも続いてしまって、PT解散ってことになった」
「よほど大きな怪我だったの?」リラが心配そうに言った。
「いや、治癒魔法で完治したんだが、やられたのは心の方でね。
『いつまでも冒険者では、まともな生活も出来ない』と言い出したのさ」
「理想と現実というところか」シドも相槌を打った。
「まぁメンバーの言いたいことも分かる。だけど志したもんもあるだろ?
だから今回こそ一発当てて、いろんなことに区切りをつけたいんだ」
素直に心情を吐露したエルドのまっすぐな顔を見て、寅二郎が言った。
「で、あんたは具体的にどうしたいんだい?」
エルドはまっすぐ寅二郎を見返すと、
「討伐依頼で得た報酬で、カジノで勝負したいんだ」
「カジノ?」「勝負?」リラやシドは不安げな表情を浮かべたが、
「勝っても負けてもそれで踏ん切りをつけようって事か?」
寅二郎はまっすぐエルドと目を合わせ、エルドが頷くと、
「分かったよ。討伐依頼だな。手伝ってやるよ」
ありがたい、と頭を下げるエルドと共に討伐依頼を受けることとなるのだった。




