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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第五章 亜人共和国ルゼリア編
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第八話 勇者PTカルナードへ行く②

 謁見の間には国王レオニス四世に王国騎士団団長、聖母マリアの姿があった。


「神代アンナ以下《暁の翼》、王のお召しにより参上いたしました」

 アンナたちは膝を突き、頭を垂れた。


「うむ、帝国より帰りし折より、そなたたちの名、まさに日の出の勢いよな。

 巷では《光輪の乙女たち》とまで呼ばれ崇められているとか……」


 レオニス四世は笑顔で、アンナたちを讃えた。


「崇められるなんてそんな」


 と、アンナが謙遜する。

 そのアンナの顔を見つめ、

 レオニス四世が言った。


「そんなお主に次の依頼ぞ。此度は砂漠王国カルナードへと赴いてもらう」


(来たわね。次はカルナード!)

 アンナの手に力が籠る。


 そして、騎士団長が一歩前へと進み、後を継いだ。

「今回も帝国の際と同様に友好使節団を組織する。メンバーも変更は無い。

 次の任務地、カルナードでも五大国の友好を深める事、期待している」


「カルナードは、“砂漠”を冠する程、暑く過酷な地。

 体調にはどうかお気を付けて」

 最後に聖母マリアの言葉で送られ、アンナたちは謁見の間を後にした。


 アンナの背中を見送るレオニス四世の表情は硬い。

 そんなレオニス四世に騎士団長が畏れながらと声をかけた。


「王よ、何か心配事でも?」


「うむ、アンナは今回、

 魔王討伐よりも困難な選択を迫られるやもしれん。とな」


「魔王討伐より困難?それは」


「カルナードは今回。勇者の囲い込み、婚姻辺りを狙っておろう」


「婚姻、ですか。それはまた」


「婚姻を断る事自体は構わん。されど断り方次第では……」


 そう言うとレオニス四世は眉をしかめ、マリアを向いた。


「聖母マリアよ、そなたも薄々は感づいておったろうに。

 しかし、アンナに何も言わなんだ。少し冷たいのではないか?」


 レオニス四世に悪戯っぽい笑顔を向けられ、

 ふうっと息を一つつくと、レオニス四世に微笑を浮かべマリアは言った。


「全ては女神の御心のままに」


 一方、アンナたちは王国騎士団第三騎士団副団長、何度も共闘したエルザと合流していた。


「皆さん、今回も宜しくお願い致します」

 騎士団の正装に身を包み、エルザはアンナと握手を交わした。


「よろしく、エルザさん。こちらこそ頼りにしてます」

 アンナは笑顔で応え、馬車へと乗り込んだ。


「マリア様の言葉じゃないけど、暑そうだねぇ」

 ヤスコは暑さが苦手のようだ。


 しかし、


「その辺りは対策してくれていると聞いている。信じよう」

「それに砂漠のお城なんてロマンティックじゃないですか?」

「カルナードは歌や踊りで有名なんだって。楽しみだね」

《暁の翼》の面々の士気は高い。アンナも笑顔で言った。


「カルナードも五大国の仲間。私たちでしっかりと絆を深めましょう!」


 ただ、その言葉を口にしながらも、

 アンナの胸の奥には、説明できない重さが残っていた。

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