第七話 継ぐ者はつらいよ①
ベルゼの“呪い”から解放された寅二郎は、
ファルディーンを紹介してもらった礼をするためにミレイアに会いに来ていた。
通された謁見の間には三人の代表の顔があった。
「やぁミレイアちゃん。助かったよ。
ほら、この通りちゃんと治ったよ」
跪づく事もせず、手をひらひらとミレイアに見せつける。
そんな寅二郎にシドとリラが慌てて飛びかかる。
「こら!」「トラジロウ!」とすぐに寅二郎を押さえつけた。
そんな三人にミレイアは微笑む。
「ふふ、お元気になられたようで私も嬉しく思います」
「おい、私への礼が無いのではないか?」
とパトラは不満気な表情を隠そうともせずに言った。
「いやいや、パトラにも感謝してるって」慌てて寅二郎がパトラに手を振る。
その様子を見たパトラは、「それでは決まりだな」そう言って立ちあがった。
「へ?」意味が分からす困惑する寅二郎たち。
「おい、トラジロウといったか。
パトラの件が片付いたら、こちらにも顔を出せ」
ボルカンの声に寅二郎が恐る恐ると言った態で尋ねた。
「パトラの件?それよりもまず、どちらさまで?」
ボルカンは寅二郎をギラリと睨むと、
「儂はボルカン、お前にちと頼みたいことがあってな……」
そんなボルカンのセリフを断ち切るようにパトラが歩き出す。
「いいから、行くぞ。金虎族の住む“虎の住処”にな」
パトラに手を引かれ、引きずられるように寅二郎が叫んだ。
「どぉこぉへえええぇ?」
そんな寅二郎たちの後姿を見ながらボルカンは言った。
「どう見た?ミレイアは」
「停まっていたものが流れ出しました。あの者が歩みを止めることは無いかと。
それよりもパトラの件、良くない気配を感じます。あの者と共に帰ることを願っております」
そう言ってミレイアは世界樹を見上げ、
釣られボルカンも世界樹へと目を向けたのだった。




