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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第五章 亜人共和国ルゼリア編
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第一話 憧れはつらいよ③

 その夜、寅二郎たちはハヤトとセイラの家で旅の話をせがまれていた。リ・エスティーネ王国や砂漠の王国カルナードでの旅の話にいちいち頷き、すげぇを連呼するハヤト。

 

 帝国へと話が進んでいく中、

 セイラの料理を口に頬張りながらハヤトが言った。


「レオン大将軍が悪魔を倒したんだろ?すげえなぁ」


 目を輝かせ英雄を讃えるハヤトに、

 真実を言うのも憚られ黙る三人。


「もぉ、ハヤトやめなさい。戦争の話なんて」

「なんでだよ。英雄だぞ!」

 二人の口げんかにシドが口をはさんだ。


「しかし、ハヤトはなぜそこまで英雄にこだわるんだ?」


「違うよ、英雄じゃなくて“勇者”!俺は勇者になるんだ」


「もうこの子ったら、

 実はこの村は“勇者の末裔の村”と言われていて……」


「勇者の末裔?」

 寅二郎の問いにセイラが答える。


 ここは大昔、女神の英雄召喚により呼び出された勇者PTの一人が開いた村だという。召喚が行われるたび、一人また一人と集まっていくことで今に至るらしい。


「その上、私たちのお父さんも冒険者だったりで……」


「だった?」リラが眉を寄せ、


「ええ、討伐依頼に失敗しそのまま……」

 セイラが小さく呟いた。


「それは……」リラはまた口を噤む。


「それにお母さんも病気で亡くなり今は私たち二人だけ。

 だから、この子にはそんな危険なことは辞めて欲しいんですが……」


 セイラの言葉にハヤトが嚙みついた。


「ちがわい!父ちゃんは立派に戦ったんだ!

 だから俺は勇者になって父ちゃんみたいに戦うんだ!」


 そう言うとハヤトは自分の部屋へと走って行ってしまった。


「ホントごめんなさい。お見苦しいところをお見せして」

 セイラが謝り、


「いや、そんな事情があったんですね」

「うん、ハヤトも何だかかわいそう」

 シドとリラが寄り添い、


「勇者、か」


 寅二郎はハヤトの部屋の方を見つめ呟いていた。

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