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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第四章 帝国激震編
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第二話 勇者PT帝国へ行く⑨

 ガルディア帝国からリ・エスティーネ王国へと帰る使節団。

 その馬車の車内では《暁の翼》たちの普段通りの賑やかさが戻って来ていた。


「何だか大変だったね」

 リルルが珍しくため息をつく。

「ねぇ。どこも重苦しい雰囲気で」

 ユキナも眉を顰める。

「皇帝陛下とは一触即発!って空気になったしな?」

 アリアがアンナの方を向く。

「あれはしょうがなくない?喧嘩を売られたって感じだし……」

 ムキになったことが恥ずかしくなったのか、アンナが下を向いて返した。


「でも、GG00との対決はよかったんじゃない?

 私たち、力がついてきたって思えたし!」


 と、ヤスコが言うと、

「うん!」

「そうですよ」

「ああ、そうだな」

 みんな嬉しそうな声を上げた。

 

「それに五大国はあと二か国。

 いろいろな国での経験が私たちの力になるはず」


 とはアリアの言葉。

 その言葉にアンナは頷く。


「うん、皆に“希望”を与えるそれが勇者の、私たちの仕事だもんね」


(今はまだ、はっきりとは道が見えない。だけど私にはみんながいる。

 こんなに心強い仲間がいるんだ。まっすぐ立って歩き続けるんだ)


 そうして、アンナは笑いあう仲間たちに笑顔を向けるのだった。


――レオン・クラムハルトの国葬を終えたマーリンは大聖堂へと戻っていた。

 執務室で一人座り、国葬の様子を思い出していた。


(勇者はまっすぐ成長している。

 話す機会はなかったが一目見ただけでそれは感じた)


 しかし、とため息を一つつく。


(皇帝陛下は侮れん。底をまだ見せてはくれない)


 そして、机の上の“号外”を見た。


(コルダ丘陵では“何か”があったはず、そこも見せてはくれない)


 マーリンは立ち上がると、机の周りを歩き始めた。

(リラ、私の妹。彼女が私のそばで共に立ってくれれば――)

 帝国内部で戦い続ける大司祭の顔に不安の色が浮かぶが、


「いかん、いかん。妹の前で情けない顔は見せられないな」

 と、立ち止まり、大きく息を吐き出した。


「もうすぐ帰ってくるはずだ。

 まずは彼女があそこで何をみたのか。それを聞いてから、だな」

 そう気持ちを切り替えて、マーリンは部屋を出た。


 ちょうどその頃、帝都レギオンブルクへ向かう乗合馬車があった。

 中には寅二郎たちが乗っている。


 今だ“戦場”に立っていない勇者と、“戦場”から帰ってきた勇者。

 両者の道は今回交わらなかった。

 しかし、いずれ交わるその時、物語は大きく動き出す。

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