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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第四章 帝国激震編
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第二話 勇者PT帝国へ行く②

 黒光りする大きな扉を抜け、

 大広間へと足を踏み入れたアンナたち使節団。


 両側に帝国兵士がずらりと並び、兵士の視線が一斉に動く。

 その奥では重臣たちだろうローブや鎧を着た者たち。


 さらにその奥には黒鷲のあしらわれた大きな国旗、

 その下の豪奢な椅子に座りこちらを睥睨する者がいた。


 それがガルディア帝国皇帝レギウス三世だった。


「遠路はるばるよう参られた、勇者カミシロ・アンナ。

 そして、《暁の翼》とリ・エスティーネ王国使節団よ」

 低く、それでいてよく通る声でレギウス三世が言った。


「は、歓迎いただきありがとうございます。皇帝陛下」

 中央へと進み膝をつく面々、そしてアンナが言った。


「魔王軍との激戦、その最前線で戦ったおられること、

 大変ありがたいとレオニス四世よりの言葉でございます」


「ふむ、朕も五大国の一員。

 弱き民を守り導くのは当然の務め。

 大きな力を持つものが前を行くのは義務ともいえよう」


「我々も同じ思いで、

 微力ながら戦場での鼓舞激励とならんと罷り越しました」


「面を上げよ、勇者よ」


 アンナは顔を上げ、レギウス三世と視線が交錯する。


 全てを見透かされるような圧を感じ、汗が噴き出る。

 心の奥の何かを掴まれたような不安が走る。思わず拳を握っていた。


(すごい圧。だけど負けられない)アンナの拳に力がこもる。


「よい、眼だ。覚悟が伝わってくる。

 勇者の参戦、朕も素直に喜ぶこととしよう」

 レギウス三世は変わらずアンナへと視線を向けている。


 まだ会談は始まったばかりだというのに、アンナの拳から汗が滴り落ちたのだった。

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