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異世界千夜一夜  作者: 大西平洋(ヘイヨー)
~いろいろな小話~
97/1003

~第96夜~「閉鎖国家ルビアルス連邦での生活(その3)」「異世界における若者の言葉の流行」

 さて、今夜も「ルビアルス連邦の一般市民の生活」について見ていきましょう。

 裏では魔王トマレットが支配するルビアルス連邦でしたが、表面上はちゃんと政治家がいて、国の代表である大統領もいます。

 代々の大統領が共通してかかげているスローガンは「全国民が平等な生活を!」でした。

 そのため、国民全員が質素倹約を心がけ、贅沢の全くできない暮らしが続きます。


 この時代、他の国々では、地球から輸入されてきた文化や技術により、自動車や新幹線が走るようになっています。

 ところが、連邦内では新幹線はおろか、自動車でさえほとんど見かけることができません。自動車やバイクも、一応国内で生産してはいるのですが、絶対数が足りないため、欲しくてもなかなか手に入らないのが実情です。

 自動車や高級家電の欲しい人は、まず抽選に参加し、当選しなければなりません。その上で、お金を払って購入するのですが、それすら地球の製品に比べると、遙かに劣る物ばかりでした。

 しかも、一度手に入れた家電は、何十年でも修理しながら大事に使い続けなければなりません。飽きたり、ちょっと古くなったからといって、数年ごとにスマホやパソコンを買い換える現代の地球人とは大違いですね。


 さらに、新しい問題も起こり始めます。

「国民全員が平等な暮らしを!」という理想はよかったのですが…

 実際に、この理想に従って国を運営してみると、いろいろと不都合が起こってしまったのです。

 たとえば、「国民全員の労働時間を同じ」にすると、同じ時間だけ働いてサボる人たちが現れました。「どうせ毎日8時間ずつ働くならば、のんびり働いた方がいいや」というわけです。ある意味、頭のいい人ですけどね。


 ひとりが手を抜き始めると、それを見た別の人もマネして手を抜き始めます。すると、「オレも!」「オレも!」と連鎖的に手抜きが広がっていきました。

 困った国は「労働裁量制」を設けます。ノルマを作り、時間内にノルマを達成できない人は残業しなければなりません。もちろん、残業代なんて全く出ません。ゼロです!ゼロ!


 裁量労働制を始めた頃は、まだよかったんです。人々は、マジメに働いていましたからね。

 ところが、時と共に、この方式にも抜け道を見つける者が現れます。

 たとえば、「ノルマで○個作らないといけない」と決まっていれば、1個あたりを急いで作るので、不良品が増えました。

 「○kgの製品を作らないといけない」というノルマであれば、1個あたりを重く作ります。なので、人間が運べないような非常に重い机やタンスが大量に生産されました。

 この調子で、どんなルールを作ろうとも、どこかの誰かが必ず抜け道を発見し、瞬く間にみんながマネするようになるのです。


 こうして、ルビアルス連邦は、徐々に落ちぶれていき、経済的に他国に大きな差をつけられていくことになるのでした。

 それでも、国民は国を信じ、魔王の圧制下で生きていき、ひとりひとりの肉体的能力や精神力は非常に高かったと聞きます。

 だからこそ、数十年もの間、このような運営方針で国が成り立ったのでしょう。


         *


「異世界における若者の言葉の流行」


 さて、次は「言葉」のお話をいたしましょう。

 いつの時代も、若者の生み出す新しい言葉についていけず、年配の方々はマユをひそめるものでございます。

 たとえば、かつて日本では「チョベリグ」という言葉が流行(はや)った時代がありました。チョベリグとは「超ベリーグッド」の略語。対義語として「チョベリバ(超ベリーバッド)」というのもありました。

 年配の方々は「なんだ、あの言葉づかいは!」「けしからん!けしからんぞ!」と声を上げ、そのせいもあってか、「チョベリグ」「チョベリバ」は歴史から消えていきます。

 他にも「アウトオブ眼中」というのもありまして。「眼中にない」という意味ですね。「~にない」の部分だけ英語にしたわけです。なかなかの発想力だと思いませんか?


 日本だけではございません。

 フランスでは、親しいお友達と別れる際に「チャオ!」というあいさつを使います。2回繰り返して「チャオチャオ~!」と使う若者も多いのだとか。「じゃ~ね!」「バイバ~イ」と同じ意味ですね。

 この「チャオ」ですが、元はといえば、イタリア語なんです。お別れのあいさつだけではなく、「やあ!」とか「こんにちは!」の意味でもよく使われています。

 今やフランスだけでなく、ドイツやイギリスなどでも「チャオ」は日常のあいさつとして浸透しているくらいですからね。


 日本でも浸透した若者言葉というものがございます。

 「マジ」というのがその代表例。「マジか!」と驚いた時に使ったり、「マジスゲ~!」と強調語として使われたりもしていますね。

 元々は「マジメ」が省略されたと言われていますが、意味としては、今や英語の「Reallyリアリィ?」の方が近いでしょう。


 さて、次はいよいよ異世界で流行している若者言葉をご紹介しようと思ったのですが…

 そろそろお時間となったようです。それでは、この続きはまた明日の夜に♪

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