~第66夜~「浮遊魔法による新スポーツ」「堕落民たちの移住」「天才魔術師スズキイチロー青年の生活」
「浮遊魔法による新スポーツ」
地球に魔法文明が持ち込まれるようになって、最もメジャーになったのは「浮遊魔法」でした。
子供たちにも愛好され、「フライングスケートボード」などの新たなスポーツをも生み出します。
サッカーやバスケットボール、ホッケーなども、フライング系の新スポーツが誕生し、立体的な戦い方を必要とするようになります。
魔法に加えて、科学技術も進んだ地球では、3Dゴーグルを装着して、VR(ヴァーチャルリアリティ)の世界を楽しめるようになっていました。
VRとフライング系のスポーツは相性抜群で、お家に居ながらにして迫力ある観戦が味わえます。
プロリーグも開幕し、投資家から大量の資金が流入して、新しい経済基盤が築かれるようになっていくのでした。
この時代、ビデオゲームも急激な進化を遂げます。
「eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)」と呼ばれるビデオゲームの大会も世界各地で開かれるようになり、盛り上がりを見せていました。
そこに「フライングサッカー」「フライングホッケー」などの新スポーツが参入し、プロリーグ公認のゲームが発売されます。
魔法・科学・スポーツが融合し、人類は文化的にも新時代へと突入していくこととなるのでした。
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「堕落民たちの移住」
ある時、ある世界で、ある神様が、生きる希望を失った人々を集めて、新しい世界を創るコトにしました。
元の世界では、かなり文明が進んでおり、人類は何不自由なく暮らしております。ところが、それが逆によくありませんでした。物質的に満たされた人々は「これ以上何をすればいいのだろう?」と疑問に思うようになり、生きる希望を失ってしまったのです。
移住先の新しい世界は、これまでのように便利ではありません。何もかもが望めばポンッと出てくるわけではなく、火をおこすのも、料理をするのも、全部自分でやらなければなりません。
それどころか、家畜を育てたり、野菜を栽培したり、食材から自分たちで作らなければならないのです。
「便利が人を堕落させる。不便が人を成長させる」という言葉もございます。
不便極まりない世界に放り込まれた人々は、やる気を取り戻し、一生懸命に生きるようになりました。
ところが、こんな世界においても、生きる希望を取り戻せない者たちもいました。
彼らは、自分で何かをしようとは思わず、働くコトもありません。ただ、誰かが与えてくれる保護を待つだけ。大体その割合は全体の2割程度。8割は真面目に働いて、2割は堕落民。
仕方がないので、神様はまた新しい世界を創って、2割の堕落民を移住させました。
すると、またその内の8割は一生懸命に働いて、残り2割は堕落し…
延々と同じ行為が繰り返すばかりでした。
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「天才魔術師スズキイチロー青年の生活」
さて、天才魔術師と呼ばれたスズキイチローくん(第19~21夜に登場)ですが…
異世界に存在する「魔法総合学校」を卒業したあとも、自分の研究室を持って、魔法の研究を進めていました。
極端な人見知りであったスズキイチロー青年は、30歳を過ぎても、部屋にこもったままで、なるべく人と顔を合わせない生活を続けます。
ただし、インターネット上では非常に活発に活動し、世界中の人たちとアクセスしながら生きていきました。
この時代、インターネットは劇的に進化を遂げ、「メタバース」と呼ばれる仮想空間で暮らす人たちも生まれ始めます。
もちろん、みんながみんなメタバースで生きているわけではなく、多くの人たちは現実の世界で顔を合わせ、会話しながら生活している時代。
それでも、1日の内の何時間かを仮想空間で過ごす人たちは一定数存在していました。仕事だけではなく、趣味や遊びに関しても。
もう1つ、スズキイチロー青年には変わっている点がありました。
それは「睡眠の取り方」です。
フツーの人は、何時に寝て何時に起きるか大体の時間が決まっていますよね?たとえば、毎日深夜0時にベッドに潜り込んで、朝の6時には起きてくるといった感じで。
たまに夜更かししたり、お寝坊したりしても、大まかな就寝時間は変わらないはず。
ところが、スズキイチロー青年にそういうのはありません。「眠くなったら寝て、目が覚めたら起きる」だけ。
だから、今夜は深夜3時まで活動して、翌日の朝10時に起きてきたかと思ったら、その次の日は朝の7時まで起きていて、午後2時まで眠る…といった感じ。
もうムチャクチャです!
でも、この生き方が研究者にとっては一番効率が良いのでした。
研究というのは「乗ってる時と乗っていない時」の差が激しいもの。ほら、作家や芸術家も同じですよね?「筆が乗る」なんて表現もありますが、乗ってる時には精神的に絶好調で、バリバリと研究や創作が進みます。逆に、乗ってない時には、どんなにがんばっても全然進みやしません!
だから、決まった時間に寝たり起きたりしていると、「せっかく乗ってきたばかりなのに、もう眠らないといけない!」なんてコトになりやすいのです。
おっと。そろそろ今夜も時間が来たようですね。
それでは、この続きはまた明日の夜に♪




