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異世界千夜一夜  作者: 大西平洋(ヘイヨー)
~いろいろな小話~
52/1003

~第51夜~「デクロイドの意思」「スライムを使った大人のおもちゃ」

 さて、最初の50夜を語り終えたわけですが…

 全体からすれば、まだわずか20分の1といった程度に過ぎません。


 世界の全容は見えてきたでしょうか?宇宙の姿は?

 まだまだ全然ですよね。


 それでは続けて、次の物語といきましょう。

 以前にも一度登場したことのある「デクロイド」のお話です。


         *


「デクロイドの意思」


 デクロイド。

 ロイト・ルネバンドール博士による画期的発明。

 それはゴーレムのように人間の意のままに操ることができ、ゴーレムよりも繊細な動きのできる人形。ただし、単なる人形ではなく、物質と生命の中間体。ゆえに、うっすらとではありますが「意思」を持って活動しています。一言で言えば「生きている」のです。


 生きた操り人形であるデクロイドは、何を感じ、何を考えながら生きているのでしょうか?

 ちょっと心の声を聞いてみましょう。


(明…るい?)


 これは、デクロイド誕生直後の感情。

 無論、彼ら(この呼び方が正しいかどうかはわかりません。なぜなら、デクロイドに男女の性別はないのですから。けれども、一応ここでは「彼ら」と呼称しておきましょう)に人間の言葉が理解できるわけではありません。

 それでも、魔力を使って、人間の意思を伝えることはできますし、言葉にできずとも「感情そのもの」は持ち合わせています。

 たとえば、犬や猫や馬が人間の言葉を話せずとも、感情はあるように。


(痛…い)


 こちらは、土木作業中に30kgはあろうかという重い石がデクロイドの足の甲に落下した時の感情。

 ただし、デクロイドの痛覚は、わざと人間の数十分の1にまで鈍化させてあるので、「痛い」というよりも「かゆい」と表現した方が近いかも知れません。


(終わり?僕、は…捨てられ…る?)


 これは、役割を終えたデクロイドが「用済み」として破棄される時の感情。詳しい説明を何もされずとも、周囲の様子から自分が捨てられるというコトを理解しているのですね。

 これまた、ペットとして飼われていた犬や猫が、飼い主によって野に放たれる時と似ています。あるいは、牛や豚が食肉工場へと送られ処理される直前のように。動物としての勘で「なんとなく」察するのでしょう。


 無論、これらの感情は人間には伝わっていません。天使であるわたくしですから、デクロイドの心を読み取り代弁できるだけ。

 それでも、人間たちの中には「博愛主義者」とでもいうのでしょうか?「デクロイドがかわいそうだから、強制作業はやめさせて!」などと訴えかける者もおります。


 この件に関しては、以前も簡単にお話したかと思いますが、裁判により決着がついております。


「デクロイドは半分生物であったとしても、家畜と同じなので、ある程度の強制作業はやむなし!ただし、無意味に虐待するような行為は禁ずる!」と。


 なので、土木工事や原発での作業、毒ガス発生地帯や崩落の危険性が高い採掘場などでの作業は認められています。

 逆に、人間のストレスを発散するためだけに殴る・蹴る・ムチで打つといった行為は許可されておらず、そのような行為を行えば、犯罪者として逮捕されてしまいます。


         *


 ある時、ある土地での出来事。ここにも一体のデクロイドが打ち捨てられています。森林伐採用のデクロイドでありましたが、老朽化が激しく、業者によって持ち帰えられることなく放置されてしまったのです。

 この時代、こういうコトはよくありました。人々の意識は環境問題にまでおよばず、効率化や金儲けが最優先とされた時代でしたから。


 その後、捨てられたデクロイドをひとりの少年が拾い、自分の家へと連れ帰りました。少年の名は、アルト・ブレイジャー。心やさしき男の子でした。

 アルトは、傷ついたデクロイドの世話をしてやります。デクロイドは、やがて自分で歩けるまでに回復しました。

 そして、アルトはそのデクロイドに「エーラ」という名前を与え、友達になります。


 アルトとエーラは、近くの森に出かけては、似たようなデクロイドを何体も見つけ、家へと連れ帰ります。

 数年後、アルトはデクロイドの修復技術を身につけ、エーラはデクロイドの軍団を指揮する軍団長となっていくのでした…


         *


「スライムを使った大人のおもちゃ」


 ロイト・ルネバンドール博士による画期的な発明はいくつもありますが、その中でも莫大な利益を産んだモノの1つに「スライムを使った大人のおもちゃ」というのがあります。


 毒性を抜いたスライムを使って、快感を味わうというモノ。

「肌に直接触れさせると、スベスベしていて気持ちいい!」とか「お風呂のお供に最適!」などと、評判は上々。使用後は、ビニール袋に入れて口を結び、ゴミ箱にポイするだけというお手軽さ!

 異世界のみならず地球でも大ヒット!特に大人の女性に愛用されています。


 この商品を発売した経営者は、あまりの売り上げにウハウハ笑いが止まりません。

 赤・緑・紫・オレンジなど色も各種取りそろえ、暗闇でも見えやすいように体内で光を蓄える「夜光塗料タイプ」も発売!これまた大ヒット商品となりました。


 おっと。そろそろ時間ですね。

 では、次のお話は、また明日の夜といたしましょう。

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