~第30夜~「7人のデコボコパーティー」
「7人のデコボコパーティー」
さて、エルフのエクスオールに逃げられたあと、みんなどうなったのでしょうか?
続きを見ていきましょう。
アンアンと総一郎の2人。そして、ギタ、ラライカ、レベック、ウード、サントゥールの5人は、意気投合します。
一緒にエルフのエクスオールの悪口を言って、大盛り上がりに盛り上がりました!
「だからさ~!アイツがアタシを置いてって、さっさと異世界に帰っちゃったわけよ。子供ができちゃってるって知らずにィ。異世界ってのが、今アタシたちが立ってる大地。ここよ!ここ!」と言いながら、酔っ払ったアンアンがドンドンと酒場の床を踏みならします。
「アンズ。お前、結構酒ぐせが悪かったんだな。お父さん、ちょっと心配だぞ…」
「うっせ~!オヤジ!テメ~はちょっと黙ってろ!」
「ハ、ハイ…」と、アンアンに怒鳴られて萎縮する総一郎。
「でさぁ。アイツの実家まで尋ねていったわけぇ。エルフの里とかなんとかいうとこぉ。そしたら、いないわけ!で、エルフパッパとエルフマッマを問い詰めたらぁ、なんか『冒険者になって旅に出た』みたいなコト言うのよ。だからぁ~、アタシも冒険者になって追いかけたのぉ」
「で、お父さんと会ったんだよな?」
「だから、オトーサマは、ちょっと黙っててくれるゥ~?」
「ハ、ハイ…」と、再び萎縮する総一郎。
「どこまで話したっけ?あ、そうそう。あのヤローが冒険者になったとこまでな。で、オヤジと一緒に追っかけてったわけよぉ。で、ついに見つけたの。エクスオールのヤツをォ。そしたら、アタシの顔見て逃げ出すのよ!」
「それは失礼な話ですね」と、レベックが合いの手を入れます。
「でっしょう~?失礼千万って話よぉ!かつて、あんなに愛し合った仲なのに、顔見ただけで逃げ出すって、どゆことよ?アタシは、化け物かっつーの!」
その後もグダグダとアンアンのグチ話が続きます。
要は、異世界留学生として地球にやって来たエルフのエクスオール。アンアンとの間に子供ができたことを知らずに、異世界へと帰っていき…
そこまでは、まだよかったのですが。アンアンが追いかけてエクセオールに子供のことを伝えても、認知してくれないのです。何度も何度もトムとジェリーばりの追いかけっこが続き、結局この町まで流れ着いてきたというわけ。
「探しましょう!一緒に!エクセオールさんを!」と、女性であるラライカが提案します。
「お?探してくれるゥ?このアタシと一緒にィ」と、アンアン。
「ハイ!オレたちも協力しますよ!」と、ギタたち他の4人も賛同します。
こうして、2人と5人は仲良くなって、一緒にパーティーを組むことになりました。
その後は「エクスオールを探す」という目的にため、一致団結して旅を続けます。
いくつもの苦難を越え、何度となくピンチに陥り、数々のモンスターを倒しながら進んでいく内、ガシガシとレベルが上がっていきます。それこそ、もうおもしろいように!
気づけば、7人ともそこそこ優秀な冒険者となり、充分に中堅どころを名乗れるくらいにまでスキルアップしていたのです。
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一方、エクスオールの方はというと…
「僕ぁ、自由に生きていきたいんだよね。こんなに若いのに、家庭に縛られてツマンナイ人生過ごすなんて、まっぴらだよぉ。エルフの人生は長いんだ。の~んびり行きましょうよ。の~んびり」
などと、のたまいながら、異世界のあちこちを冒険し、自由気ままに生き続けているのです。しかも、行く先々でかわいい女の子を見つけては、つき合っては別れつき合っては別れを繰り返します。
もちろん、子供ができてしまうこともありますが、エクスオールは全然責任を取ろうとしません。やがて、異世界でも有名な賞金首となってしまいました。
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ギタ、ラライカ、レベック、ウード、サントゥールの5人が宗教国家エルドンラードを飛び出してから、数年の時が経過。
一番年下のサントゥール以外は、法律的にお酒が飲める年齢に達していました。
冒険者となった彼らは、それぞれ自分にあった職業を選び、技や能力を磨いています。
リーダー格のギタは、剣士として「片手剣」と「槍」の扱いにたけています。
一番の年上であるレベックは、頭もよく剣の腕も立つので「魔法剣士」を選びました。剣に炎や雷などの属性を付加して戦うタイプです。
力持ちのウードは、パーティーの壁役として、巨大な盾を持って戦う「ブロック戦士」となります。戦況が有利な時には、斧などの武器を持って前戦で戦い、必要に応じて後衛の魔法使いや回復役を守りに回ります。
女性であるラライカは、武器を持って戦うのはあまり得意ではありませんでしたので、主に補助魔法や回復魔法で味方を支援する「回復魔術士」となりました。
一番の年下で、すばしっこさを長所とするサントゥールは「盗賊」となり、罠の探知・解除や扉や宝箱の解錠を行います。
港町サーマリンで仲間になったアンアンは女戦士としての道を極め、父親の総一郎は魔術師として攻撃魔法を中心に様々な魔術の習得に成功していました。実は、このメンバーの中で一番の戦闘力を誇っていたのは、総一郎かも知れません。
元来のマジメさを生かし、異世界の魔法を次々と覚えることができたからです。そのどれもが、結構な威力を秘めていました。
さて、今夜もそろそろお時間となったようです。
明日は、7人の運命の末にある物語を語るといたしましょう。どうぞ、お楽しみに♪




