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異世界千夜一夜  作者: 大西平洋(ヘイヨー)
~いろいろな小話~
13/1003

~第12夜~「神様の気まぐれ」「スライムによる下水処理場」 「スライムによる下水処理場(パターン2)」「フリーデルケとフレア」

「神様の気まぐれ」


 神様は退屈でした。

 退屈のあまり、気まぐれで「2つの世界」をつなげてしまいます。異世界同士に道を作り、交流できるようにしたのです。


 神様は、あまりにも長い時を生き過ぎたために、このような気まぐれをよく起こします。

 たとえば、自らの生み出した人類を、大洪水を起こして水の底に沈めてしまったり(この時は「人間たちがちょっと気に入らない振る舞いをした」というだけの理由に過ぎませんでした。さすがの神様も反省して、いきなり世界を滅ぼすようなことはしなくなります)


 トラックにひかれた()えない男を、別の世界に転生させてやるなんて、お手のもの。危険なウイルスをばらまいて、人間たちの反応を楽しんだこともあります。

 そして、今回は「異世界同士をつなげて、人々がどういう行動を取るのか?」を試してみたわけです。 


 結果は上々でした。

 最初はいがみあい、いさかいを起こし、あわや戦争を起こす勢いでしたが、時と共にどちらの世界の住民たちも冷静になり、健全な交流を開始します。


 今回はたまたま上手くいきましたが、神様が介入したために滅んでしまった世界だっていくつもあります。

 人間もエルフもドワーフもゴブリンもスライムもドラゴンも、神様にとっては、みんなみんな「退屈しのぎの道具」に過ぎませんでした。


         *


「人間の子供が、アリの巣に水や熱湯を流し込んで遊ぶコトがあるでしょう?人によっては、おしっことか牛乳とかヨーグルトとか」と、僕はシェヘラザードに問いかける。


「あまり感心できない行為だけどね」


「子供時代ならいざ知らず、大人になってもアリの巣にコンクリートだとか溶岩後かを流し込んで楽しんでいる人たちがいるんです。『実験』だとか『研究』だとか称してね。アレと同じですよ。神様がやっているのも」


「聞いてると、神様ってのは随分と意地悪な存在なのねぇ」と、シェヘラザード。


「そうですね。人によっては『悪魔よりも神の方がよっぽど陰湿だ!』なんて言ってるくらいですから。おっと…これ以上、神様の悪口はよしておきましょう。また新しい罰を加えられても大変ですからね」と答えてから、僕は続けて「では、次のお話に行きましょうか」と、話題を切り替えた。


         *


「スライムによる下水処理場」


 世界によっては、下水処理をスライムに任せているというのをご存じでしょうか?


 ある時、ある世界で「大量に流れ出る汚水を、スライムに食わせて処理してしまおう」という画期的なシステムが生まれました。


 そこに、別の世界から人間が転生されてきます。

 運悪く、その人間が生まれ変わったのは1匹のスライムで、とっつかまって下水処理場へと送られてしまいました。


「なんで、オレがこんな目に!」と心の中で叫びながら、死ぬまで汚物を喰らわされながら暮らしましたとさ。


         *


「スライムによる下水処理場(パターン2)」


 もう1つ。スライムを下水処理に利用したお話。


 ある時、ある世界で「スライムを利用した下水処理施設」が完成します。

 ところが、「生物愛護団体」によって「かわいそうだから、やめてくれ!」という訴えが起こされます。


 世間でもちょっとした論争になったんですね。

「スライムに知能はないんだから、別に構わないだろう」とか「我々だって、ブタやウシやトリを殺して食べてるじゃないか。スライムに与えられた役割もそれと同じだ」などと、下水処理システムを擁護する声が大きかったんです。


 その一方で「いやいや、食べるのは構わないが、家畜をイジメたりはしないだろう?それと同じで、これはスライムに対する虐待行為だ!」などという意見が出たのも、また事実。


 裁判の末、「スライムは、バクテリアやゾウリムシなどと似たような生き物だから、別に下水処理に利用しても構わない」という判決がくだされました。


 ところが、人間の汚物を食って成長したスライムが巨大化!

 結果、街はスライムに飲み込まれてしまいましたとさ。


         *


「フリーデルケとフレア」


 むかしむかし、あるところに、ひとりの魔女が住んでいました。

 魔女は最初から魔女だったわけではありません。生まれた時には、どこにでもいるような普通の女の子でした。

 ところが、あまりにも厳しく母親に育てられたため、心がひん曲がってしまったのです。


 女の子は、人から何をもらっても感謝1つしませんでした。

「自分は人から物をもらうのがあたりまえだ」と思っていたからです。


 女の子は、人からどんなに褒められても「ありがとう」1つ返しませんでした。

「自分は人から褒められて当然だ」と信じ切っていたからです。


 その女の子は、見た目はたいそう美しく、いろいろな人からチヤホヤされました。

 高飛車な態度すら「個性の一部である」と受け取ってもらえていました。


 おっと。そろそろ夜が明ける時間ですね。

 では、今夜はこの辺りで。また明日♪

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