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悪役令嬢、戸惑う

「ローズ、一緒に帰ろうと思って来てみたんだが、何の騒ぎだ?」


さすがアラン様、どこからどうみても私がサーラ様を理不尽に責めているようにしか見えないのに、わざわざお聞きになるなんて性格が悪いです。普通はスルーするところですわよ。


「アラン様!ローズ様が、私がアラン様に近付きすぎてると嫉妬に駆られて一方的に・・・。私、怖くて!でもよかった。アラン様が来てくれて!」


サーラ様も凄かった・・・。よくこんなに頭が回りますね。でも、これでアラン様の私に対するイメージは最悪です。ん?なんでしょう胸が痛みます。まあ、気のせいですね。


「嫉妬に駆られて・・・?」


「はい!そうです」


なんだかアラン様が嬉しそう?この会話の中に面白いことあった?

ああ、そうか!これで私の周りに対する株も下がって私と婚約解消しやすくなったから嬉しそうなのね!そういうことなら納得で


「確かに、サーラ嬢は他の者達よりも、話していると距離が近いと感じることがある。それに、サーラ嬢はよく話し掛けてくるからよく話しているだけなのだが、婚約者であるローズが不安に思うと言うなら、今後気を付けよう。」


は、はい?今なんと?今後サーラ様との接触は控える?いやいやいや!困ります!アラン様とサーラ様が結ばれてくれないと私がアラン様と婚約解消が出来ません!

ああ、どうしましょう。サーラ様は予想外のことにショックを受けていますし、周りの皆様の反応は・・


「さすがですわ!王太子さま!」


「やっぱり御二人は相思相愛なんですね!」


「俺も婚約者が出来たら、アラン様のように大切にしよう!」


周りの反応がおかしい!私とアラン様が相思相愛?アラン様が私を大切にしている?ないないない!そ、そうだアラン様は・・・。私を見てニコニコされています。こんな、邪気の無い笑顔を見るのは何年ぶりでしょう?なんだか、顔が熱くなってきました。そして、それを見てアラン様がさらにニコニコ。

もう、どうしたらいいんですか!?







「ア、アラン様!?さっきのどういうことですか?」


ここは帰りの馬車の中。私とアラン様の二人だけです。いつもなら、すごく嫌だと感じるところですが、今はそれどころではありません。先ほどの発言について、じっくり話し合わないと行けません。


「ん?さっきのとはなんだ?」


「惚けないで下さい!私達がそ、相思相愛だとか・・・。アラン様、何か知ってるんじゃないんですか?」


「ほう、ローズは私と相思相愛と言われるのが嫌か?」


それは、アラン様の方じゃありませんの?でも、アラン様は口は笑っていますが、目は真剣です。アラン様と相思相愛だと言われて恥ずかしかったけれど、嫌悪感は不思議とわいてきませんでした。いやいや、アラン様はいつも私に意地悪をしてくる方。普通に考えて嫌じゃないなんてこと、ありません。どうせ、今もからかっているんだわ。でも・・・。


「し、知りません!」


アラン様の目を見て嫌だとは言えませんでした。アラン様が怖いとかではなく、自然と嫌じゃないという気持ちが出てきました。どうしてでしょう?


「そうか。」


アラン様は満足げにこたえました。


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