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第5話(彼女との出会い)

 よくよく考えれば、“転移”してその特定の場所にたどり着けばよかったかもしれない。

 普通に相手を訪ねるときに“転移”を使うのは、緊急事態の時以外では失礼に当たってしまう。

 だって突然、背後をとるようなものだからだ。


 だから俺はこのように走って移動していたが、この状況では“空間転移”していけばよかったかもしれない。

 そう思いながらも校長室の前にやってきた俺は、扉をたたいて、


「失礼します、アイズです」

「おお、アイズくんか。丁度よか……」


 そこで校長は俺の形相に気づいたのだろう。

 どことなく顔を青くさせながら、


「ど、どうしたのかね? 表情がなんというか、怖いことになっているが」


 そう校長がいる。

 ちなみに顔をフードで隠した金髪の人物がこの場にいたが……なかなかの強い魔力と強者の気配がする人物だったので、この校長の知人だろうと俺は追い持った。

 元魔王でもある好調なのだから、そう言った人物とつながりがあってもおかしくはない。


 ただ光の気配が強いから勇者側の人間だろうと俺は検討をつける。

 おそらくは今度の“魔王クエスト”の話し合いでもしに来ているのかもしれない。

 これは好都合だと俺は思いながら校長に向かって歩いていき、


「申し訳ありませんが、“魔王クエスト”に参加は取りやめさせてもらいます」

「! な、なんでそんな突然。君はやる気だったじゃないか」

「……魔王美形図鑑、というものがあるそうですね」


 俺の言葉にさっと校長は視線を俺からそらした。

 この様子を見て俺は、校長が全てを知っていたのだと気づく。

 だから俺は、


「では、お断りさせていただきます。なんでも俺が知らないうちに中二台詞を追加していたそうで」

「……」

「この調子では、他の同級生やら何やらもみんなこの実態を知ってお断りをしているのでは?」

「……」


 黙ってしまった校長に俺は事実だと確認する。

 早速断ろうと思っているとそこで校長が、


「いつ気づいたのかね?」

「先ほど知りました」

「なるほど……皆よりも遅いか」


 などと校長は呟いてから深く嘆息し、何かを言おうとするとそこで、そばで話を聞いていたフードで顔を隠した人物が噴き出し、


「……なるほど、あれの存在をいまさら知ったんだ。……でもその様子だとあれに書かれているような、軽薄な人物ではなさそうだね」

「軽薄?」

「“女はみんな俺の物”、みたいな俺様キャラ?」

「……」

「ちなみに俺様キャラって女性に人気があるいのよ?」

「……俺、女子にモテたことなんてないのですが」


 そう俺が返すとそのフードで顔を隠した人物、おそらくは女性だろう、彼女が、


「え、こんなにイケメンなのにもてないの?」

「……ないです」


 俺がそう返すと不思議そうに彼女は首をかしげて、そこで校長が、


「彼は真面目だからね。もてるタイプは、顔がイケメン……というよりは女性の扱いが上手いタイプだろう」

「私が嫌いなタイプだわ」

 

 そう彼女がきつい一言を口にして、そこで校長が、


「そうかそうか。それで、今回【魔王クエスト】に参加してもらおうと思っている彼については、君が見た範囲ではどう思う?」

「……なかなかいいと思うは。実力も申し分がないし……本当はお断りしようかと思ったけれど気が変わったわ」


 そう彼女が言って、そこで彼女はフードをとる。

 日の光に輝く鮮やかな金髪、そして気の強そうな青い瞳がとても印象的な美少女が現れて、彼女は俺に微笑み、


「初めまして、“魔王”アイズ君。“勇者王”役のカタリナです」


 そう言って俺に握手を求めるように手を差し伸べてきたのだった。

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