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第3話(友人)

 こうして校長直々のお願いである“魔王クエスト”を受けることになった。

 まだ詳細は決まっていないとの事で、決まり次第俺にはやってほしいとの事だった。

 なんでも幾つかの勇者養成学校で戦いを繰り広げて、最終的に歴史のある勇者学校に通う一番強い勇者、“勇者王”と戦闘をするそうだ。


 俺自身自分の力に自身がないわけではないが、今の時代の同年代、それも最強と呼ばれる勇者とはいったいどのようなものだろうという興味もある。

 そして、手合わせをしてみたい、という気持ちもある。

 強いものと戦うのも、俺は嫌いではないのだから。


 そう思いつつ、昼休みに近づいたので俺は授業をやっていた教室にもどっていく。

 荷物を置いてきていたからだ。

 軽く校庭を走って戻るつもりだったためおいてきてしまったのだ。


 というわけで俺は教室に戻る。

 授業はちょうど終わったところだが、ざわっといった声が上がる。

 ……さっきの竜召喚がどうやら怖さのようなものがあるらしく、そこかしこでこそこそと何かを話している人物がいる。


 居心地が非常に悪い、そう俺は思ってそわそわしているとそこで、


「アイズ、さっきはすごかったな」

「ウェルフか。……つい気を抜いてしまい校庭をただ走っているだけのつもりだったが竜を召喚してしまった」


 そう言って現れたのは、ウェルフという俺のこの学園で、“唯一”の友人だ。

 もともとは魔王になりたかったが才能の限界により魔王養成学校に入れず、それならば魔王は以下の四天王を目指すといって頑張っていた人物だ。

 努力家であり真面目で俺は気に入っている。


 そして一応魔王なので俺に仕えたいといってきたが、俺は……普通の高校生活がしたかった。

 その中で友達というものを作り青春を謳歌したかった。

 さらにいうなれば怖がらないで近づいてきてくれた彼と俺は嬉しかったのもある。


 俺の未熟ゆえに制御できないこの力のせいで、他の生徒たちを怖がらせてしまっている部分があると俺は自覚している。

 だが、彼は俺を受け入れてくれたのだ。

 だから俺は現在彼とともに親友として帰り道に寄り道をしたりといった事をしていたりする。

 

 といった経緯があるのは置いておくとして、俺が竜を呼び出した話をするといつものように彼は笑って、


「あ~、またやったのか」

「だが、ここの学園の物たちが集団で襲い掛かれば、あの程度の竜は倒せるはず。そこまで怖がらなくてもいいと思うが」

「実戦経験もないし、まだ模擬戦闘やちょっとしたダンジョンに潜るだけだからな。やはりその程度はああいった竜との戦闘は無理か」

「そうでしょうね。“害獣”である魔物の退治……ああいった竜が現れた時に戦闘をする人たちも、この学校から何人も輩出していますが、ここ最近ではもう一回教育をし直すことになっているんですよ」


 といった話を教えてくれた。

 なんでも危険な訓練をすると、最近は特に保護者からのクレームが多く、学校側としてもそこまで過酷な訓練はできないらしい。

 ましてや平和な時代の今では、そんなものは言語道断となっているとの事だった。


 ……ひょっとして俺は生まれる時代を間違えたのだろうか? という気もしたが、この穏やかな時代や平和は俺にとっても魅力的なので、他の時代に生まれたいとは思わない。

 そこでウェルフが、


「そういえば校長室に呼ばれたようでしたが、どうしたのですか?」


 と聞いてきたので“魔王クエスト”の話をするとウェルフが嬉しそうに、


「ぜひついていきたいです。何しろ、勇者というと美人な女の子が多いと聞いていますからね」

「え?」


 そう、ウェルフの言葉に俺は、間の抜けた声を上げたのだった。

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