第18話(“木”と“金”の勇者学園-1)
こうして俺は、次の場所に向かうことになった。
思えば初めの一回目のみがまともに戦闘をしていて、それ以外は料理とそして……戦闘と言えば戦闘だが、相手の服を狙うお言う曲芸に近いものだった気がする。
果たして次はどんなものだったりするのだろうか?
俺はそう思って少し考えてみたが、思いつかなかった。
だが、一つだけ変わらず確信できているものがある。
「俺、また何か言わさせられるんだろうか?」
「え、いいじゃないですか、本物の魔王みたいで」
そこで俺のボヤキにウェルフがそう返してくる。
自分がその他の観衆で楽しい思いしかしていないからこんな風に気楽でいられるんだろうが、と俺は思いながら、
「お前も大変な役割を与えてやろう。まずはお前を倒してから俺に挑戦が来るようにしてやろうか」
「え? 女の子に囲まれているのが非常に楽しいのでそれ以上は嫌かな~。それに“魔王クエスト”なのでやっぱり魔王が主役なので俺が出るのは良くないでしょう。なので遠くから応援しています」
といった薄情な答えが返ってきた。
やっぱりこのイベントは受けるべきではなかったのだろうか?
そんな気持ちに俺がなっているとそこでカタリナが、
「でも今の所、観客も楽しんでいるみたいだし、それに本当のアイズを知ってもらえるいい機会じゃないかしら」
「……そうだな。誰が作ったか知らないが、あんな変な設定を盛りに盛りやがった方々には、今後秘密裏に情報収集をして確実に息の根を……」
「え、えっと、息の根を止めるのはあまりよろしくないかな。それにあれを見て、“憧れ”を抱く女子もいるわけだし」
「現実の俺にそう言ったものを抱かれて勝手に落胆されるのも嫌なんだ」
「う、うん、そっか……だったら、今回の機会に誤解を全部解いてしまった方がいいのでは? そんな機会、これからなかなかある事ではないと思うけれど」
カタリナにそう諭されてしまう。
確かにカタリナが言うようにこの機会に誤解を解いておかないと、どこかの少女漫画か何かにいそうな“俺様系”等地位う男性キャラ像になってしまう。
俺、普通なのに。
ちょっと魔力があったりして強かったりするだけでそれ以外は普通なのに。
なのになんというか、上から目線の傲慢キャラになってしまう。
いやだ、それだけは絶対に嫌だ。
などと俺が思っている所で次の“木”をつかさどる、“ツリーフォレスト学園”の前にやってくる。
そこには約二名ほどの女の子がいて、ふたりともなかなかの魔力などを持っている。
そう俺が思っていると二人そろって俺の方を見て、睨んだ。
また例の本が何か関係しているのかもしれないと思っているとそこで、
「カタリナ様、よろしいですか? 相談があるのですが」
そう言ってカタリナをそのうちの一人が呼ぶ。
そしてカタリナが彼女たちの方に向かい、そこで何かを話し始める。
小声なのもあってこちらにはあまりよく聞こえないが……どうやら、“木”と“金”の二つ勇者が同時攻撃をしてみたいらしい。
ここまで快進撃を続けているのならどうか、といったようだが……すでに上層部の許可は取り付けてきているらしい。
そして俺はあることを思いついていた。
そこでカタリナが戻ってきて、
「聞こえていたかもしれないけれど、二人まとめて相手をして欲しいの」
「……確かにできるといえばできるが、それだと後のイベント、“土”のイベントが盛り上がらないのでは? どうせ負けるだろう、みたいな」
「う~ん、確かにあの二人をアイズが倒したらそうなったりしそうね。それはあまりよろしくないかしら。だったら断る?」
カタリナがそう言ってくるのを聞きながら俺はそこで俺は、
「いや、代わりに……そこにいて今までいい思いしかしていない、自称四天王のウェルフとも一緒に戦ってもらおうと思う。というわけでよろしくな」
「……え?」
そこでそれてまで傍観者だったウェルフが間の抜けた声をあげるも、最終的に頷く。
こうして俺は、今回は二対二で戦うことになったのだった。




