↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弟好きのイカれたお姉ちゃんは好きですか? 〜親が再婚した結果、学園の女神様と姉弟になるも、姉からの溺愛が止まらない件〜  作者: いちごモンブラン
第一章 お姉ちゃんと弟君の邂逅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/22

第9話 みんなに先輩のお弁当を自慢したい!! …けど? 

 

 「ふふーん♪」


 思わず鼻歌を鳴らす。俺は今、気分が良い。それに比例して、脚も速くなる。


 そうさ! 俺にはこの先輩特製の手作りお弁当があるのだから!


 「いや〜、昼食の時間が楽しみだな〜。」


 「あっ! おーい、広瀬くーん!」


 「うん?」


 呼ぶ声に反応して、後ろを振り返る。目と鼻の先から委員長が手を振りながら走ってきた。


 「おっす、委員長。お早うさん。」


 「早いね! てっきり遅れてくるとばかり…。」


 息を切らせながらの軽口。だが、今の俺はそんな事を言われても気にしないのだ!


 「ちょっと待って…、息、整えるから…。」


 委員長は胸に手を当てて、スーハーと深呼吸をする。


 「うん、落ち着いてきた。それで、広瀬君が遅刻をしなかった理由を聞きたいな?」


 「ち、ち、ち。俺を甘く見ないで欲しいな…。」


 わざとらしく振る舞う。


 「今の俺は無敵だからさぁ…。例え、集合時間が、朝の3時だろうと遅れる事は無い。」


 「あら、凄い自信ね。その心は?」


 「ふふ…、これさ!!」


 俺はバックからおもむろに例の物を取り出した。


 「これって…、お弁当箱? 普通の物に見えるのだけど…。」


 「やれやれ…、委員長は節穴だな…。この弁当の価値に気が付かないなんて…。」


 「むっ!! 言うじゃない。それでどんな価値があるのかしら?」


 俺の態度にむっとしたのか、口調が少し強くなった。


 「よく聞け!! これはかの風街渚の手作りの特製弁当なのだ!!!」


 ババンッと効果音を付けたのにも関わらず、委員長はポカンとしていた。


 「どうした? 驚いて声も出ないと見える。分かるぞ…、その気持ち。」


 「いや、逆の驚きなんだけど…。」


 「逆…? ちょっと何言ってるか分かんない。」


 委員長の態度は摩訶不思議だ。


 「風街先輩のお弁当と、広瀬君が無敵な理由が分かんない。」


 「はぁ〜、委員長には難しかったな。めんごめんご。」


 「ムカカッ!! なによ! そんなに先輩のお弁当が嬉しいの!!」


 「それはそうさ。先輩のってのも勿論あるが…、男子にとって女子の手作り弁当は物凄く価値があるんだよ!」


 「ふーん? じゃあ女子なら誰でも良いんだ。」


 委員長は軽蔑する様な、疑う様などっちつかずな目を俺に向けた。


 「そんな目で観るな。別に誰でもって訳ではないぞ。知らない人からじゃ怖いだけだ。」


 「ふーん…。だったら…。」


 委員長は意を決した様に、言葉を続けた。顔はほんのり紅く染まっている。


 「……たしの…。」


 「うん? 何か言った。」


 「だったら、私のお弁当でも元気になる?」

 

 伏し目がちになりながら、俺に尋ねる。若干、声が震えている様にも感じる。


 「えっ…、それはまぁ…、元気になると思う?」


 「何で疑問形なのよ…。嬉しいか嬉しくないかのどっちよ。」 


 打って変わって今度は強気だ。情緒が不安定だ。


 「嬉しいです!! 委員長が作った弁当を貰ったら嬉しいです!!」


 思わず屈してしまう。有無を言わせぬ圧が俺を襲ったのだ。


 「ふ、ふーん。そうなんだ。嬉しいんだ。へぇ〜、ふ〜ん。」


 今度はやけに嬉しそうだ。一体なんだと言うのだ。


 「まぁ…取り敢えず、俺は遅刻せずに来られたんだからいいじゃないか。」


 不可思議な態度に恐怖を抱き、強引に話を変えようと試みる。


 「そうね。…今日のところはこれくらいにしときましょうか。」


 (今日のところは…?)


 その言葉に疑問を感じながらも、戦況を鑑みて、あえて頭に封じた。恐らく、その方が良いだろう。


 「ほら、早く行きましょう! 会議のまとめをしなくちゃ!」


 「ああ…。」


 そう言うと、二人で学校へと向かった。

 

 軽快な足取りの委員長と、鈍重な足取りの俺。まるで二人の精神状態を表しているかのように…。



 

 「えっと、昨日の会議だと…。」


 「あっ、それはこっちとまとめておいて。今日のLHRで一緒にして、全員に渡すから。」


 学校に着いた俺達は、さっそく昨日の議題の準備を始めた。


 内容は林間学校について。来月、夏季休暇中に行われる課外授業だ。

 

 会議で決まった事柄をクラス委員が後日のLHRでクラスの皆に話す。


 「やっぱり委員長は頼りになるな。俺だけだったら、どう手をつければいいやら…。」


 「謙遜しない。私だって一人じゃ何も出来ないわ。」


 「そうは言うけど…。委員長は皆が認めてる。実際、立候補した時は満場一致だっただろ。」


 「広瀬君だってそうじゃない?」


 「俺のは立候補じゃないし…、体の良い押し付けだろ?」


 「それでも、選ばれたんだから大丈夫よ。」


 「そう言うもんかね…。」


 (委員長の慰めに全ては納得出来ないけど…お陰で先輩に会えたしな…。)


 「よし! これで一先ず大丈夫かな。後はこれを午後のLHRで渡せば…。」


 「頼んだぜ、委員長!! 俺は後ろで応援してるからさ!」


 「って…貴方もやるのよ!」


 夫婦漫才?をやりながら、そんなこんなで時間は過ぎて行く。



 そして! 待ちに待ったお昼の時間! 腹ぺこな生徒達の憩いの時間! 俺にとっても特別な時間!!


 「さて…、何処で食べようか? やっぱり屋上か?」


 「隆ー、昼飯食べようぜ。」


 悩んでいる俺に菓子パンの袋を持った佐助が声を掛ける。


 「おう、今日のお弁当はスペシャルだからな。観客が居ないと面白くない。」


 「へぇ〜、スペシャルね。期待値上げるじゃないの。」


 「裏切りつもりはないぜ。見せて…。」


 「私達も混ぜてよ。」


 「おっ!委員長達も教室でかい?」


 声を掛けたのは、委員長とその友達の赤井。仲良しコンビだ。


 「大方、今朝の事で気になったか。」


 「別に…。」


 「まぁ、多い方が自慢しがいがあるってもんよ!」

 

 俺は再び弁当箱に手を掛けた…が、瞬間、閃く。


 (俺は先輩の綺麗な盛り付けで美味い弁当を期待している…。それは間違って無い。しかし…!)


 (果たして、この中身は俺の思っている物なのか? あの先輩が俺に作ったんだぞ!)


 急に悪寒がしてくる。嫌な予感を感じながらも、恐る恐る弁当箱を開けた。


 そこに待ち受けた物は………! 



 

 

3日間お読み頂いてありがとうございます!

明日からは、毎日18時30分に更新予定です。

「面白かった!」、「続きが気になる!」という方はブックマークや☆での評価を頂けたら幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。