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弟好きのイカれたお姉ちゃんは好きですか? 〜親が再婚した結果、学園の女神様と姉弟になるも、姉からの溺愛が止まらない件〜  作者: いちごモンブラン
第一章 お姉ちゃんと弟君の邂逅

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8/22

第8話 お姉ちゃんの手作りお弁当! これは垂涎物だぜ!!


 「お姉ちゃん、参上!! 起こしに来たぞ!」


 今日も今日とて、先輩は俺の部屋にモーニングを告げにやって来た。


 「先輩、俺は自分で起きれますから…。それと朝からうるさいですよ…。」


 寝惚た頭と、重い瞼を擦りながら言う。


 「朝から元気出さないと駄目だぞ! それともお早うのキスがご所望だったのかな?」


 「知ってます? 朝起きたばかりの口の中って凄く汚いらしいですよ。ネットで観ました。」


 「えっ! そうなの。それは大変、歯を磨いてこなきゃ!」


 先輩は急いで洗面所まで駆け出した。先輩のあしらい方も随分、上達した様に感じるな。


 チラりと時計に目線をやる。


 「ん…、俺も学校行く準備しないとな…。」


 先輩が戻ってくる前に…。



 「隆君、あ〜ん。」


 一難去ってまた一難。今度は食卓での出来事だ。


 「先輩、自分で食べられますから。恥ずかしいですよ。」


 「照れなくても大丈夫よ。ほら…。」


 先輩は卵焼きを箸で掴みながら、それを俺の口元まで運ぼうと試みる。


 「あらあら〜、二人はもう仲良しさんなのね。」


 一緒に食卓を囲んでいる貴美子さんは相変わらず呑気な事を行っている。


 「貴美子さん、観てないで先輩の蛮行を止めて下さい。とんでもない事ですよ。これは…。」


 「えー、どうして? 仲睦まじくて良いじゃない。」


 「そうそう、お母さんの言う通りだよ!」


 この母にしてこの子あり、とはよく言ったものだ。昔の人の言葉は偉大だな。


 「はぁ〜、もう分かりましたよ…。」


 観念して、俺は先輩の行為を渋々受け入れた。


 「これで良いでしょ! …美味しいですね、この卵焼き。」


 「でしょでしょ! 今日のは特段上手く出来たんだよ。」


 「いつも美味しいですけど…、何だろ、味に深みがある気がします。」


 「やっぱり渚ちゃんの愛情じゃないの?」


 「もう! お母さん、恥ずかしいよ!」


 「料理作る時、いつも隆君の為に〜って、張り切ってるんだから…。」


 「そうなんですか…。」


 (それは良い事聞いたな〜。先輩が俺の為にか〜。実はさっきのあ〜んも滅茶苦茶嬉しかったりして…。)


 「お母さん、もう辞めてよ!! 隆君に知られるの恥ずかしいし…!」


 流石に先輩にも、羞恥心というものがあるらしい。

 貴美子さんはそんな先輩と俺を観ながら、薄っすらと笑みを浮かべていた。


 「どうしたんですか?」


 「ううん、何も〜。」


 きっとこの人には何もかもお見通しなのかもしれない。


 俺はそっと箸を置いた。


 「あっ! 隆君。ほうれん草も残さず食べるのよ。」


 「はい…、すいません。」


 

 「それじゃ、行ってきます。」


 俺は、登校前に玄関で貴美子さんに挨拶を告げた。


 「あら〜、今日は早いのね〜。いつもはもう少しゆっくりじゃなかった。」


 「委員会の仕事が忙しくて、昨日の議事録を纏めなきゃならないんですよ。」


 「それは大変ね〜。でも、偉いわ。」


 貴美子さんはそう言うと、俺の頭を軽く撫でた。

…母親にこうされるのなんて、いつ振りだろう…。


 「恥ずかしいですよ。もう高校生なんですから。」


 気恥ずかしさもあり、突っぱねてしまう。


 「いいのよ〜、私にとっては息子だもの。これから何歳になってもね。」


 「そうでしたね。…でも、やっぱり恥ずかしいです。」


 こみ上げる熱いものを抑えつけながら、言う。


 「ふふふ…。」


 「あ〜!!」


 俺と貴美子さんの心の触れ合いに大声が割って入った。


 「お母さんずるい!! 私も隆君の事、撫でる。」


 駆けてきた先輩は、そう言うと、優しく俺の頭を撫でる。


 「お〜、よしよし。 お姉ちゃんにいっぱい甘えていいからね。」


 (ぐっ…、クソ!! 先輩には一人前の男に観られたいのに…。のに…いい!!)


 この状況、数日前の俺に言っても、きっと信じてもらえないだろう。

 少し身を委ねれば、さらなる天国が待っている。


 しかし…、


 「先輩、それはさっき貴美子さんにしてもらいました。」


 俺は敢えて雑に扱わせてもらう。そうしなければ、きっと永遠に弟としてしか見てもらえない。


 「はっきり言って、二番煎じですよ。」


 「ひ、酷い。お姉ちゃんにそんな事言うなんて…。よよよ」


 わざとらしく泣き真似をする。それはもう見飽きたぜ!


 「じゃあ、俺は先に行くんで…。早いんでね。」


 適当にあしらい、振り返った瞬間…、先輩はとんでもない事を言ってきた。


 「そんな意地悪な子にはお弁当あげないぞ!」


 ピクっ! 動きが止まる。俺の聴き間違いか?


 「せっかく、私が丹精込めたお弁当なのに!」


 その言葉が俺の脳裏にこだまする。


 (手作り、手作り、手作り!?)


 先輩の手作り弁当!その価値は言葉では言い表す事など出来るはずもない!


 「ぐっ!!」


 玄関の前でそのまま固まる。さっさと飛び出せば済む話だ。昼食は購買で何か調達すれば、事足りる。


 力をぐっと込めて、足を前に運んだ。だが、無情にも先輩は追い討ちをかけた。


 「わ・た・しの愛情が籠もってるんだけどな〜。」


 嘲笑っている…。悔しい…。それでも、身体は、頭は、正直だったのだ。


 「頂きます…。」


 「はい♪ 隆君、残さず食べてね♪」


 先輩から弁当を受けとると、振り返えらず玄関から飛び出だした。


 そう、これは負けた訳ではない! ただ、勿体無いから…、それだけだから…!


 




 


 

 

 

 


 

お読み頂いてありがとうございます!

第9話はこの後、18時30分に更新予定です。よろしくお願いします!!

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