第13話 お姉ちゃんにまさかの告白!? 新しい関係への一歩 【第一章完結】
ついに…来たというのか? 告白する場面が、俺の気持ちを先輩に打ち明ける日が!?
いや、急ぐでない!! このパターンは古来からライクかラブかの二択と相場が決まっている。それを確かめなければ…!
「先輩…、その好きっていうのはどっちの意味で?」
先輩は神妙な顔つきをしながら、一言だけ…聴こえるかどうかの口調で…。
「…恋愛の方…。」
…ラブの方か…。ではこのシチュエーション、覚悟を決める必要があるな。
手に力が入る。人生初めてとなる告白だ。第一声はどうしよう? やはりストレートに…。
俺がそんな思考を巡らせていると、先輩が言葉を続けた。
「今日ね、友達に言われたの…。私が隆君の事を好きなのは弟してなのか、…それとも…。」
ゴクリと、唾を飲み込んだ。
「…男の人としてか…。」
モジモジと手を擦り合わせて、先輩は口から漏れる様に言った。 お友達さんナイス!!
「この家に来た時に言ったよね? 私が隆君の事を初めて会った時から狙ってた事。」
「ええ、弟にしようと画策してたんですよね。思い出しても、無茶苦茶ですね。」
今では、その感じにも慣れてしまった。人間の適応力は恐ろしい。
「私は分からなかった。恋愛経験無いし…。この気持ちが本当に私が思っている通りなのか…。」
「だから…! 聴きたいの! 隆君は私の事を女性として好きなのか…。そしたら、私の気持ちも分かるかもしれない…。」
瞳に涙を浮かべながら、必死に訴えてくる。その仕草一つ一つが、先輩の…、風街渚の本心なんだと…、俺の心を貫いてきた。
「好きですよ。初めて会った時から…、女性として…。」
考えずとも…言葉は出ていた。
「姉さんでは無く、女性として貴方が好きです! それは変わり様の無い事実なんです!!」
俺は叫んだ。心から、魂から、俺の気持ちを。世間体だとか、義姉だからなんて関係の無い、俺だけの気持ちを…!
「先輩はどうなんですか? 俺の言葉を聴いて。」
俺は問う。先輩は俺の目を観ながら、ゆっくりと口を開いた。
「分かんないよ…。だって…弟としか考えて無かったんだもん…。」
涙声になりながら…、それでも…、告白した俺に寄り添う様に言葉を紡いだ。
「…隆君はなんでそんなはっきり言えるの?」
「なんででしょう? 実は俺もよく分かりません。でも、それが本当の気持ちだと、分かるんですよ。」
「先輩も、まだ答えを出す必要は無いと思います。」
「その時が来たら…、自ずと理解できるはずですから…。」
「ずっと、先かもしれないよ?」
「待ちますよ。こう見えて、我慢強いですから。それに…俺の方から振り向かせますよ。」
「生意気…。」
「まだ弟ですから…。それと…。」
俺は言葉を続けた。
「先輩は俺に告白されて嬉しかったですか?」
その言葉を聴いたとたんに、先輩は手で顔を覆った。
「凄く嬉しかったよ…。」
手に収まりきらない部分は、誰が見ても明らかな程に紅く染まっていた。
「先輩、隠しても分かるくらい、真っ赤ですよ。」
「っっ!!」
先輩は恥ずかしかったのか、しゃがみ込み、腕の全体を使って、顔を隠した。
「イジメっ子…。なんでそんなイジワルするの…。」
「すいません…。先輩があまりにも可愛くて。」
「もーう!!!」
牛の様な悲鳴を上げながら、足をバタつかせる。
「そうやって女の子を口説いてるんでしょ!」
「先輩にだけですよ。こんな事を言うのは。」
先輩は顔を上げながら…、
「ほんと?」
潤んだ瞳で俺の事を見つめる。素面でやっているんだから恐ろしい人だ。
「ええ、嘘はつきませんよ。」
「なら…許す。」
先輩は立ち上がり、すっきりした顔をしている。
「隆君が私の事を好きで好きで仕方が無いから許してあげるの…。」
「それはありがたい。」
「隆君には悪いけど…、私はまだ、弟して扱わせてもらうよ。弟が欲しかったのはほんとの事だからね。」
「いいですよ。それでも、いつかは認めさせてあげますから。」
「じゃあ、勝負だね。私が弟にさせるか、隆君が私を堕とすのか。」
「必ず惚れさせてやりますよ。」
「できるの〜、私の事を〜、隆君が〜?」
さっきまでとはうってかわり、ニヤニヤした顔で覗き込む。
「出来ますよ。だって…意外と先輩チョロそうですし!」
「何を〜! 弟君が生意気だぞ!!」
「生意気結構。でも、事実ですから。」
「む〜!!」
先輩は頬を風船の様に膨らませて抗議するが…、
「ふくめっつらになっても可愛いだけですよ。」
「また誂って〜! もう…いい!! そんな事を言う子には〜!」
「うわぁ……!!」
先輩が俺に近づく。どんどん視界に対する面積が増し、あわてて俺は目を閉じ、反り返った。
瞬間、頬に柔らかく暖かい感触。目を開けると、先輩はさっきの比では無い程に紅く染まっている顔。
理解できた。俺は今、頬にキスをされたのだ。
「せ、先輩…! 何を!?」
あまりの衝撃で声が上擦った。
「今は…、ここまで…だから…。」
「ここまで…って?」
「弟なら、ここまで…。もしも…これ以上を望むなら…。」
またも先輩は近づく。
「私を…本気にさせてみてね…。」
それだけ言うと、先輩は足早に部屋から出て行った。
「は、反則だろ……。」
支えている脚が、まるで笑っている様に震え、俺を地面へと誘う。腰が抜けたみたいに、へたり込んでしまった。
「疲れた。…でも…。」
顔だけは天井を向いている。頬に手を翳した。まだ温もりは残ってる。
「いっちょ、頑張りますか!!」
全ては先輩を振り向かせる為、俺は気合を入れたのだ。
【第一章、完結です!】
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二人の関係がここからどうなっていくのか、第二章も毎日18時30分に全力で更新していきます。
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