第12話 お姉ちゃんからの質問。間違えたらギルティ?
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「えー、それでは先生に変わりまして、私達が仕切らせてもらいます。」
午後の時間帯になり、LHRの時間、俺と委員長はクラス委員として教壇へと登壇した。
「よっ、待ってました!」
男子達の野太い声援。勿論、その矛先は委員長に他ならない。
元々、男子から人気のある委員長と、夏季休暇における重大イベントの説明とくれば、変なテンションになるのも想像に難くない。
「えー、静粛に…。まずこの時間は林間学校でのグループを決めてもらいます。」
男子の茶々にも応じず、淡々と段取り通りに事を運ぶ。
林間学校では、定番となる校外学習が目玉だ。ハイキングやオリエンテーリング等の班決めをこの時間で行う。
「まずは…、自由に班を組んで構いません。」
委員長がそう言い終わると、皆、席から立ち上がり、各々組みたい相手のところへと移動した。
「さてと私は、…どうしたんですか、広瀬君?」
「何でも無い。中学のトラウマが蘇っただけの事。」
「?」
好きな奴と組めと言われたって、みんながみんな友達がいると思わないで欲しいな。聞いているか!
全国の教員達!!
「おーい、隆! 組もうぜ。」
「おうとも。」
(まぁ…今の俺には友達がいるから、全然問題はないのだがな…!)
「よし、他のメンバーはどうするんだ?」
「そうだな…。おーい、委員長達! 一緒に組まないか?」
佐助は2人でいる、委員長と赤井に声を掛けた。
「なんだかんだいつメンって感じだね。」
「それくらい仲が良いと言う事ですな。」
クラスのみんなも粗方、決まった様だ。
「それじゃ、みんな席に着いて。」
委員長が一声掛けると、まだ少しのざわめきをちらつかすそながら、席に戻る。
「班は決まったので、この後は班でのスローガンを考えてもらいます。」
「えー、なにそれ?」
「さっき渡したしおりにも書いてあるでしょ。林間学校は遊びではなく、あくまで校外学習の一貫、グループ学習も兼ねてるんだから。」
林間学校では、班ごとに別れ、事前に決められた複数のコースを回ったり、飯盒炊爨等を経て、レポートを提出する事になっている。
まぁ…、校外学習の性質なのか、宿命なのか、その部分はおざなりになっているのは否定出来ない。
「はい! 文句を言わない。班に別れる。」
「私達のスローガンどうしようか?」
「適当でいんじゃない。」
「では、赤井さん。ここはバシッとイカしたのを一つ。」
「無茶振り〜。そうだな、絆、とか?」
「うわ、でた〜。痛いやつの筆頭!!」
あまりのテンプレに俺は思わず、声を挙げる。
「えっ! そんなに変だったかな?」
「変っていうか…、小学生の運動会みたい。」
「自信あったのになぁ…。」
「まぁ…陰キャの隆の言う事なんて放っておくとして…。俺は嫌いじゃないぜ。」
「私もかな〜。結構良くない?」
佐助も委員長も赤井に同調した。
(あれ…? もしかしてズレてるの俺だけ?)
囁かな疑問を感じつつも、特に問題も無く進行。
「それじゃ、そんな感じで大丈夫かな…?」
「OK 問題無いぜ。 」
こうして、LHRは終了した。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
帰ってきた俺を貴美子さんが出迎えてくれた。
「あれ? 先輩は?」
いつもなら、いの一番に来るはずの先輩が今日は静かだ。
「渚ちゃんなら、今日は遅くなるって連絡があったわよ。」
「そうなんですか…。珍しいですね。」
弁当の件を問い詰めようと息巻いていた熱に冷水を浴びせられた気分だ。
「渚ちゃんに用事あった?」
「聴いて下さいよ! 先輩が……!」
貴美子さんに先輩の所業を事細かく伝えた。
「あらあら〜、良かったじゃない。」
「そんな事無いですよ! お陰で友達に笑われたんですから…。」
「それも仲が良い事じゃない。悪いよりはよっぽどいいわ。」
「確かにそうですけど…。」
「ほら、着替えてらっしゃい。お父さんももう少しで帰ってくるから。」
「分かりました。」
貴美子さんに促され、渋々自分の部屋へと向かった。
「ただいま〜。」
先輩が帰宅したのは、もう8時を越えたくらいだった。
「お帰りなさい。ご飯は? お風呂先に入る?」
「先にご飯かな…。 隆君は?」
「部屋にいるみたいだけど…。」
「ふーん。」
「それにしても珍しいわね。貴方がこんな遅くなるなんて…。過保護かもしれないけど…。」
「そんな事無いよ。ちょっと友達?の相談に乗っていたの。」
渚は少しくたびれたローファーを脱ぎながら呟いた。
「一応、隆君にも言っておくか…。」
「隆君、ちょっといいかな…。」
「はい? 大丈夫ですけど…。」
夜も9時半を過ぎた頃、突然、先輩が尋ねて来た。
「開けるね…。」
先輩はいつもと違い、テンションがあからさまに低く、その態度からは、大事な話があるのだと察っするのなの充分だった。
「どうしたんですか? 何か相談でしょうか?」
観たことの無い雰囲気の先輩に、少し身体が硬直する。
「あのね…、その…。」
手をモジモジとさせている。つまり、ここから導き出される答えは一つしかない!!
こくは…「隆君はお姉ちゃんの事、好きかな?」
……3秒間のフリーズ。
…つまり、これは…告白のチャンス到来って事…!!




