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親友の元カノに家へと誘われたら、僕が命を救った可憐なJCが妹として待ち構えていた話、します?【長編小説】  作者: 金森 亮
第六章 夏場の襲来

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第25話 好きの理由を言い合う姉妹

「……それで、なんで僕が北村家の買い出しに駆り出されたんだよ?」


 日が傾いた時間に、僕は姉妹に強制されて近くのスーパーへ買い出しに来ていた。


「大丈夫ですよ。俊さんには付いてきてもらうだけなので」

「ど、どういうことだ……?」

「まぁ、黙ってみていなさい。あ、親御さんに晩ごはん食べてくるって言っておいて」

「わ、分かったけど……」


『……本当に意味が分からないし、もしかしたら、これって北村家で食べるのか?』


 そうして、スーパーへ向かっていると、道中で香織がこんなことを言い出す。


「俊のなにが良いって、その生き方よね」

「ちょっぴり達観する生き方が……か?」

「そうよ。私はその生き方に心救われたの。そして、そこに心奪われた……なんてね」

「そ、それはどうもありがとう」


 すると、それに追随するように、美紀も似たよう言葉を呟く。


「俊さんはとにかく人のことを否定しないんですよね。そこが好きです」

「お、おぉ、ダイレクトに言ったな」

「ちょっと! 好きって言葉は禁句だったじゃないの!」


 香織から横槍が入った。どうやら、「僕の前で好きという言葉は禁句だ」というルールが設けられていたらしい。


「もうこの際、好きに想いを伝えたらいいじゃん……」


 約束を反故にして開き直ったようにしか見えないが、美紀はそう本音を告げる。


「私は辛いときにいつも俊に救ってもらったんだから!」

「わ、私も交通事故から命からがら救ってもらいましたし!」

「……それって一度きりじゃない」

「それ言ったらお姉ちゃんだって、陽人さんのこと振っているでしょ!?」

「も、もともと崩壊しかけていたのよ!」


 僕はこの会話に終止符を打つべく、ここで一声あげた。


「おいおい、誰が喧嘩しろって言った?」


 僕は少し狂気を含んだ笑顔を浮かべて、二人に問い詰める。


「ご、ごめん……」 「ごめんなさい……」


 だが、そこは良くも悪くも素直な姉妹なのであった。


「分かってくれればいいんだ。僕は二人を幸せにするために存在しているんだから」

「それは言い過ぎじゃないかしら……?」

「言い過ぎじゃなくなるぐらい、二人とも言い争ってくれていたけどな」


 姉妹二人して顔を赤らめて、恥じらいの表情を顕にする。


『そんな顔するぐらいなら、無理に言い争わなくてよかったのに……』



 “北村家”に帰宅すると、先に手を洗った美紀が僕にこう言ってきた。


「私とお姉ちゃん、どっちの料理が美味しいか教えてください!」

「……なんだ、主婦力でも測るのか?」

「正解です!」 「正解よ」


 戻ってきた香織も一緒にそう言った。


「それだけで決定するわけじゃないよな?」

「さ、流石にそんなことはないですが……」

「そうよね。だって美紀、あんまり料理上手くないものね」

「れ、レシピが悪いの!」


 二人はエプロンを身に纏って、いかにもな主婦の様相を呈する。


「じゃあ、私たち料理するから、今から三十分待っていて」

「……逆に三十分でできるのか?」

「えぇ。できるわよね、美紀?」

「や、やってみる……」

「無理はするなよ?」

「は、はい!」


 そんな流れで、僕は暇を持て余すことになった。なので、二人のためにお手製の問題を作って、時間を潰すことにした。


『……二人が幸せになるなら』


「できたわよ」 「できました!」

「……その二人で被せて言う癖って、どうにかならないのか?」

「でも、私は嫌いじゃないわよ。なんかどこか姉妹っぽくて」

「私もこのやり口、わりと好きです!」

「それなら……いいのか?」


 切磋琢磨したことで、姉妹は勝手にギクシャクした空間を解消していた。



「……どっちの飯も美味しいじゃないか」


 美紀の作ったオムライス、香織の作った炒飯は、どちらも家庭的情味溢れる味わいをしており、僕は舌鼓を打っていた。


「それじゃ、勝負にならないですよ!」

「そうよ……せっかく作ったんだから、どっちか選んでよ」

「今回ばかりは不戦敗だな。次に作るなら、同じ料理を作ってくれ」

「そうね……分かったわ」

「はい! 分かりました!」


『……この機会が、姉妹二人の自分磨きに繋がっていたらいいんだけどな』


 僕はそう想いながら、またスプーンを持って飯にありつくのだった。

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