↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友の元カノに家へと誘われたら、僕が命を救った可憐なJCが妹として待ち構えていた話、します?【長編小説】  作者: 金森 亮
第五章 カップルの様相

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/27

第19話 姉の希求

 6月17日月曜日、朝の教室に僕がポツンと佇んでいる。


『今日もここだけは静かに時間が流れていいよなぁ』


 すると扉をガッと開ける音が鳴り響き、僕の豊かな時間は瞬く間に破壊された。


「おはよう、俊。昨日はよく眠れたでしょ」


 耳で分かる。明らかに香織だった。


「おはよう。今日も元気ハツラツだな」

「それで、昨日のデートはどうだった?」

「びっくりするぐらい安定していたよ。あれは相当計画練られていたな」

「……俊。美紀に変なことはしていないでしょうね?」


 香織はニヤッと微笑んで、覗くようにこちらを見る。


「まさか……。中学生に手を出すほど捻くれてはいないから」

「そう、それはよかった」


『……手を出したらお前に殺されるだろ』


 香織は当たり前かのように僕の机上に座って、腕を組みながらこう告げる。


「……私の性格、よく知っているでしょ?」

「あぁ、嫉妬深くて熱しやすく冷めやすい。依存しやすく扱い面倒……こんなもんか?」

「そ、そこまで細かく言えなんて言っていないわよ!」

「まぁ、それだけお前のことはよく理解しているんだから」


 香織はなぜだか少し顔を赤らめる。


「……だから、私ともデートするの」

「だ、誰が……?」

「俊に決まっているでしょ!」


 香織は爆音でそう呟くので、通りかかった他のクラスの人間を立ち止まらせてしまった。一人の女子がぼーっとこちらに視線を向ける。


「お、お邪魔だったかな……?」


 女子がそう言うので、僕は「いや、むしろありがとう」と言っておいた。


「ちょっと、それどういうこと! 待って、あなたも帰らないで!」



 放課後、香織がまた一緒に帰宅しようと言うので、僕は「人が捌けるのをまってほしい」と頼み込む。そうして約十五分間、教室で待機したのち、僕らは帰路についた。


「お前、勉強が伸び悩んでいるよな」

「ギ、ギク……」


 香織は僕の言葉に、武者震いのような震えを見せる。


「そ、そんなこと……そんなこと」

「あるよな?」

「……ないことはないわね」

「いや、あるんだよ……」


『……交換条件どうすっかなぁ』


 僕は頭を駆け巡らせて、最後にはこんな案を導き出した。


「次の定期テストで赤点を取るな。それが、デートをする場合の条件だ」

「そ、それでいいの!?」

「それすらできないんじゃないのか……?」

「図星過ぎてもはや清々しいわね」

「開き直るな!」


 そうして微笑した香織は、やがてこんな言葉を続ける。


「頑張る理由ができたわ。ありがとう」

「それならなによりだけど……」


 ここで、僕は妹の方にも尋ねたある疑問を姉の方にも投げかける。


「……それにしても、なんで僕なんだ?」

「なんでって?」

「他の男でもいいだろうよ……。お前みたいな美人なら誰でも食いつくだろうし」


 僕はただ互いをよく知っているだけで、デートにまで発展する意味がよく分からなかった。 


「場数よ」


 香織は比較的早くに答えを言った。


「ば、場数?」

「一緒に話をした回数よ。信頼ってそういうところで培われるものだから」

「……信頼できるからデートするのか?」

「そうよ。俊は私の誇りだから」


『……なんで。これじゃあ、僕が香織を奪い取ったみたいじゃないか』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。