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親友の元カノに家へと誘われたら、僕が命を救った可憐なJCが妹として待ち構えていた話、します?【長編小説】  作者: 金森 亮
第四章 別に好きになる必要はない

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第15話 デートの計画を教える会

 6月10日月曜日の放課後、僕は姉妹と共に北村家に向かうことになっていた。どうも美紀の方が僕にデートの計画を発表したいそうだ。


 いつもの歩道で美紀とも合流すると、僕は周囲の空気に打ちのめされていた。


「……なんか同級生、異物を見る目でこっちをみていないか?」

「ハーレムですから!」

「ハーレムだものね」

「そんな淡々と言うな……」



 今回、僕は私的な理由で、初めて北村家を訪れることになった。


「……まさか、勉強以外でこの家に来るとは思わなかったよ」


 リビングで落ち着いた僕は、ボソッとそう呟いた。


「別にいいじゃないですか!」 「別にいいじゃないの」


 姉妹は物の見事にハモリを見せて、僕に姉妹の威厳を感じさせる。


「それに、なんだこの大量に吊るし上げられたてるてる坊主は……」

「我が家の伝統です!」 「我が家の伝統よ」

「なんだ、梅雨の雨に抵抗しているのか?」

「そうよ」

「雨は気持ちが沈みますからね!」

「……そんな無茶な」


 だが、姉妹二人が仲良くないとこんなユーモアも実現しないので、僕は仲睦まじい光景に、温かい目を向けておいた。


「……なにニチャアってしているのよ」

「なんでもないなんでもない」

「じゃあ早速……あ、お姉ちゃんは無理にここにいなくていいからね?」

「はいはい、お二人でごゆっくり」


 香織は一度こっちの方をチラっと見て、そのまま自室へと消えていった。その様子を見た美紀は、ニヤリとして僕の方に身体を寄せた。


「ち、近くないk……」

「まず、最初は小樽に行きます!」


 美紀は僕の言葉を遮ってそう言った。


「……“最初は”って、小樽を出るのか?」

「はい! その後、余市と仁木に立ち寄りたいです!」

「余市も仁木も近いけどさ……仁木にはりんごでも食べに行くのか?」

「あぁ、それもいいですね! そこは当日のお楽しみってことで!」

「……当日中には帰れるよな?」

「えぇ、もちろんですよ! だって、二人でホテル泊まれないですから!」


 すると、ドアがガチャッと鳴る音が聞こえて、香織が鬼の形相でこちらにやってきたではないか。


「……いま、ホテルって聞こえたんだけど」

「お前は耳が敏感すぎるぞ……」

「そうかしら?」

「ホテルに泊まれないから、絶対に当日中に帰らないとって話だ」


 意味合いを知った香織は、胸に手を添えてホッと一息ついた。


「失礼しました〜」


 そう言って、香織はまた自室へと籠る。そうすると、美紀は僕を上目遣いで直視するようになる。


「な、なんだなんだどうした?」

「……本当にいいんですよね?」

「なにがだよ」

「私とデートすること……です」


 今更すぎる質問に僕は拍子抜けして、顔を突き出して「へ?」という表情をする。


「……行かないならどうして僕はここにいるんだよ」

「あぁ、たしかにそれもそうですね!」

「これはもっと勉強が必要みたいだな」

「そ、それは結構です!」

「結構じゃないだろ……」


 僕は「へぇえ」と言ってため息を漏らす。


「……実は私、物心がついてから、男の人と外出するの、初めてなんです」

「それじゃあ、僕を足掛かりにするんだな。レンタル彼氏的な」

「……え?」


 彼女は絶句してしまった。僕の言い回しがあまりよろしくなかったようだ。


「み、未来なんて分からないんだからさ」

「……そうですね」


 彼女は俄然、顔色を戻してはくれない。そこで、僕からこんな提案をしてみることにした。


「あのさ、オルゴール工房、行かないか?」

「オルゴール工房……?」

「互いに自家製オルゴールを作るんだ。とは言っても、オルゴールそのものじゃなくて周りの装飾を作るんだけどな」

「わぁ、それいいですね!」


 彼女は顔色を元に戻すどころか、来たときよりも目を輝かせて、僕に高揚した様子を覗かせた。


「それで、最後にそれを交換するんだ」

「唯一無二のオルゴールを……なんかロマンティックですね! ぜひ、やりましょう!」

「あぁ」


 そうすると、空のコップを片手に香織がやってきた。


「香織、もう大丈夫だ。ありがとうな」

「ありがとう、お姉ちゃん」

「そうなの……まだ二十分ぐらいしか経っていないけど?」

「当日のお楽しみだからな。じゃあ、美紀、僕の提案も組み込んでおいてくれ」

「はい!」

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