第79話 やはりみんな婚約者兼メイドらしい
「ただいまー、っていうのも変かな」
日曜の遅い朝、
婚約者ラインで朝食は9時というので、
それに合せてマンション最上階へ戻ったら、うん、食卓が真っ白だ。
「おかえりなさいませ御主人様」
「あっ、凪さん眼鏡でメイド長モード!」
「MEはサブ・メイドリーダーなのdeath!」「ケイさんまで」
きちんと中学時代まで我が家で見たメイド服だ。
「どう? お姉さんのメイド服は」
「陽菜ちゃん、あんまりくるくる回るとスカートが」
「軽いからね仕方ないわ」「よくそんなサイズのメイド服が」「レイレイのおかげよ」
と、やってきたのはド迫力の……!!
「おはようございます~」
「ええっと、れいさん、それで表に出るのは、やめておきましょう」
「え~、普通のメイド服ですよ~」「そ、そうだけど、そうなんだけれども!!」
天然エアバッグに、
ぶつかりおじさんが突進してきそうだ。
「ふふ、私もメイドよ」
「えみとさん、これはこれで、なかなか」
「今度、実家の工場へこの姿で行ってみようかしら?」
ゆっくり一回転、
うん、お尻が突き出している、
これ杖ついたお爺さんご主人様が撫でまわすやつだ、僕はやらないけど!
「涼一、おはよー」
「あっ景香お姉ちゃん!」
「今日から涼一のプライベートメイドよ」
女子高生新人メイドが爆誕だ!
って父さんが好きな芸人の代表ギャグみたいになったな、
なんだっけ、そうそう『平成生まれが解禁だ!』とかいう一発ギャグ。
(詳しくは、知らない!)
ってほんとスタイル良いな、
もし中学1年の頃にこんなメイドが来てたら、
いやいや妄想してないで感想を伝えてあげないと。
「凄く美人で可愛いよ、うん、似合っている」
「嬉しい! ほら、ポニーテールのリボンがピンクなの」
「うん、良いチョイスだと思うよ」「じゃあこれで涼一を学校まで送り迎えするね!」「いや一緒の高校だし!!」
メイド6人、中学時代の屋敷と同じか、
ただ当時より質が、内容が、というか全員、僕の婚約者だ、
兼メイド、裏と表の顔とでも言おうか、いやこれ、ごちゃ混ぜかも。
「さあ涼一坊ちゃま、朝食です」
「あっはい、メイド長……って僕の分だけ?!」
「本日は全員がメイドですので、朝食は皆、すでに済ませております」
メニューは適当で良いって言ったやつ、
白米の横にしらす、これ振りかけるのかな?
あと、大根とカブともやしのサラダは白いフレンチドレッシング、それと豆腐ステーキか。
(ほんっと、真っ白だ)
ケイさんがお茶を注いでくれる。
「リョーイチ、ドーゾ」
「あっ待ってリョーちゃん、ネギをふりかけるわね」
って刻んだ白ネギが豆腐ステーキへ!
適当と言いながら、ちゃんとした朝食だ。
「ありがとう、いただきます……うん、美味しい」
「お吸い物も~、ありますよ~」「れいさん、ありがとう」
「ふふ、白いかまぼこ入りよ」「いやほんと白い朝食だねっ」
それにしてもメイド6人に取り囲まれて、
ここまで一度に大人数はなかなかなかったな、
せいぜい多くて2・3人だったな、中学までは。
「涼一、お醤油とポン酢、どっちがいい?」
「そうだね、しらすは醤油で豆腐はポン酢かな」
「はいどうぞ」「ありがとう、ってメイドだよね」「そういうメイドよ!」
親しいお姉ちゃんメイドかあ、
ちょっとむずむずするけど悪くない。
「それで涼一坊ちゃま」「はい凪さ、田中メイド長」
「お食事が終わったら屋上で記念撮影を」「あっはい」
「リョーイチ、お昼はドースル?!」「うーん、各自好きなものを!」
って作る人は作っちゃうのかな、ここで。
「だったら、shoppingの前に一緒にどっかlunch行きまSHOW!」
「あっそうだね、午後はケイさんのお買い物に付き合う約束だったから」
「なにタベマスカ? ナニを一緒に?」「ランチだからなあ、ケイさんの食べたいもので!」「リョーカイ!!」
そうこうして朝食を、
ごちそうさましようとすると……!!
「はい涼一、デザートよ」
「おお、雪見だいふく、2つ!」
「リョーイチ、お茶のオカワリもドゾー」
いやほんと、
こう見ると前のメイドって、
レストランの店員みたいだったんだなーって。
(まあ、それが普通なのかも知れないけど)
どっちの基準が正しいメイドなんだろ、
このあたりネットで調べたらわかるのかな、
結局はケースバイケース、家によるって話になりそうだけれども。
(あと絶対、いやらしい創作が出てくる)
僕はそんな展開には、
とてもしたくは無い、今は、多分、今後も。
「ごちそうさまでした、夕食は外食で」
「今日は我々はメイドですので」「硬いなあ凪さん、いやメイド長」
「リョーちゃん、コンセプトは『メイドが作るレストランのフルコース』よ!」
それは楽しみだな、
って陽菜ちゃんわざわざ、
ミニ脚立の上に立って言わなくても良いのに。
(脚立メイドかあ)
サイズが大きければ、
主人の前で座って足を組み換えしそう、
長い脚立に背の高い普通のメイドがねっ!
「いやほんと、陽菜ちゃん可愛いね」
「あら、今夜は私を召し上がるつもりかしら?」
「メイドってそういうこと言うの?」「リョーちゃん次第ね」
僕でメイドをカスタマイズできるのか、
それはそれで、なんかこう、どうしていいのやら。
「ふふ、涼一君、落ち着いたら屋上ね」「はいはい」
新しいメイドとの、
タワマンでの記念撮影だ!




