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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 ついに始まった高校生活!

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第65話 連れ去られるのは僕だけとは限らないらしい

「涼一君」「あっ、えみとさん」

「乗って乗って」「いやほんと社用車で今日も拉致るんですか」

「私も回収されたわ」「景香お姉ちゃん、バイトは」「丸瀬さんが電話番してくれるって」


 ということで帰り道、

 今日はえみとさんの運転で、

 後部座席に僕と景香お姉ちゃんが拉致られている。


「この組み合わせですかあ」

「それで橋本さん、ボウリング? それとも」

「ふふ、連れて行ってあげる場所は、近づけばわかるわ」


 手を繋いでくる景香お姉ちゃん。


「学生服で放課後デートね」

「えっと校則的に良かったっけ」

「我が校の風紀を乱さず節度的な行動なら可能だそうよ」


 生徒手帳にそんなの書いてあるんだ、

 確か夜は10時までって読んだな、午後7時キックオフでまあ帰れる時間、

 先輩の話によると『夜10時までやっている塾の帰りはギリセーフ扱い』らしい。


(アディショナルタイム扱いだな)


 最もそのくらいの時間となると、

 帰りは親が車で迎えに来てるのがほとんどらしい、

 徒歩や自転車でも寄り道さえしなければ、まあ許されそう。


「涼一、今日ね」「うん姉ちゃん」

「お昼に男子からね、『彼氏とか居るの?』て聞かれちゃった」

「それで、どう答えたの」「彼氏は居ません、栃木から引っ越してきたばかりです、って」


 まあ嘘はついていないよな、

 でもその言い方は完全フリー宣言なんじゃ?!


「そしたら相手は」

「嬉しそうな顔して『よっし!』だって」

「あーあーあー、それで」「そのまま他の男子と席に戻っちゃった」


 おいおいおい、

 これ事実上、告白成功みたいになってないか?!

 そう捕らえられても、おかしくない反応と言えなくもない。


「ど、どうするの」

「うーん、どうしよっか涼一」

「えっ僕に振るの?!」「婚約者が居ますって言って良い?」


 まあ確かにそれも、

 嘘では無いのだけれども……


「僕との関係をバラすってこと?」

「バラすも何もイトコ同士でしょう」

「それはバラしてるね」「涼一が婚約者ってバラして良い?」


 そうなると、なあ。


「えみとさんの意見は」

「事実関係だけを見たら、間違ってはいないんじゃないかしら? ふふ」

「いや笑いごとじゃなくて」「嫉妬して欲しい? 爪噛んでムキーみたいな」


 それはそれでなあ。


「だから涼一の所にも何か来るかも」

「あっ景香お姉ちゃんを紹介してくれみたいな」

「迷惑だったらごめんね」「いやまあ、上手く言っておくよ」


 でも僕が『婚約者が居るらしいよ』って言うのもなあ。


「ねえ涼一君、景香ちゃんとの間を取り持って欲しいって言われたら?」

「はいえみとさん、んーと、実家の農園が死ぬほど大変だよって、ある意味脅すかな」

「ふふっ、脅しになるかしらね」「涼一、それで逃げちゃったんだっけ」「景香お姉ちゃん、それは全面否定はしないかな」


 もうそれでいいや、

 確かに15%くらいはそうだし。


「でも涼一君、景香ちゃんと『高校生活3年だけ』とか割り切ったのが来たら」

「そういうのは駄目だと思うよってちゃんと言うかな、とはいえ景香お姉ちゃん、もう農園には」

「戻らないわ、早々に涼一にふられて、栃木に帰れって言われたら泣きながら帰るけど」「えええ」「せめて3年は期待させて? ね??」


 それもそれでなあ、

 振るにしても3年は置かせて欲しいって、

 まあ確かに誰か選んで、途中で気が変わる可能性もゼロじゃないけど。


(僕がそもそも選べるのかっていうのがある)


 そういう意味では景香お姉ちゃんは、

 本来なら最も選びやすい相手のはずなんだけれども、

 どうしても選ぶのに躊躇する理由が僕にはある、でも言えない。


(最終的に景香お姉ちゃんを選ぶしかない、ってなったら……考えよう)


 ただ、迂闊に期待はさせられない。

 ……よし、ここは話を変えよう、えみとさんに逃げよう。


「そういえば今日、れいさんのお弁当がやたら力が入っていたんですが」

「キャラ弁造るって張り切っていたわね、そういうの得意らしいわよ、配信時代よくやってたって」

「そうだったんですか」「もう全部消しちゃったらしいけどね」「もう動画検索しても出ないかぁー」


 ちょっとスマホを弄りながら話を続ける。


「でもえみとさん、れいさんあれだけお弁当頑張ってくれて、そっちの昼食は」

「田中さんが『簡単で良いわ』って言ってたから、ごはんにしらす&大根おろし、あと冷奴ひややっこね」

「しっろ!」「うん景香お姉ちゃん、白いね、真っ白だね」「ふふ、それで丸瀬さんがネギ刻んで、みんなの冷奴ひややっこに振りかけていたわ」


 やーさしー、

 そういえば陽菜ちゃんが前に言ってたやつ、

 画像検索したら出てくるかな……お話しながらやってみる。


「なんか申し訳ないです、僕のせいでみなさんの昼食が安くなったみたいで」

「そんなことは無いわ、会社から出てる食費は別だから、それに足りなければ自分で買うし」

「あー、ハンバーガーとか」「無人コンビニとかね、涼一君はそのあたり、気にしなくても良いのよ」


 窓の外ではスカイツリーが近づいてきた、

 っていうか、これから行く場所って、あそこでは……???


「涼一、あそこまだ登った事ないの!」

「……あった」「涼一?」「これかあ、景香お姉ちゃん、見て見て」

「なあに……『土砂降りの中、着ぐるみがたたずんでいてワロタ』なにこれ」「陽菜ちゃんらしいよ」


 身体を張ってるなあ。

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