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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 ついに始まった高校生活!

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第55話 真夜中の置き手紙は父さんらしい

「う~ん、中途半端に起きてしまった……」


 スマホを見ると午前2時半過ぎ、

 明日のテストに備えて早めに眠ったら、

 変な時間に目覚めて眠れなくなってしまった。


(寝直さないといけないのに……)


 かといってここで勉強するのもなあ、

 お風呂にもう1度、という気分でもない、

 婚約者が起きてきたら、という嫌な予感もする。


「……避難所でもチェックするか」


 軽く着替えて、

 入構証とスマホと財布も持って、

 ってマンションの外へ行く訳じゃないけど。


(そろり、そろりと……)


 ってこれ婚約者の部屋のドア、

 鍵とか開いてるんだろうか?

 試してみたいけど入れたら完全に夜這いだ。


(部屋間違えた事にすれば、やるなら戻ってからだな)


 ということでマンションの廊下へ、

 エレベーター内はこんな時間でもニュースが流れてる、

 明日は曇りのち雨とか、折り畳み傘でも入れておかなくちゃ。


「……到着、33階だ」


 そう、29階はれいさん経由なのか、

 父さんから説明があったのか僕専用別宅って情報はダダ漏れだった、

 でも33階、父さんのプライベート宅は秘密になっている、本当に僕と父さんだけが入れる……はず。


(父さんのメイドが入れるかどうかまでは知らないけどね)


 どうしよう、

 入ったら元メイド長が全裸ではりつけにされていたら、

 などという妄想はさておいて、いや40代のそういうのはそれ程見たくは無い、そんなには。


「お邪魔しま~す、でいいのかな」


 灯りをつけてっと、

 うん、新築の匂いで綺麗、

 物もそれ程ないな、ええっと僕の部屋はこっちって言ってたな。


「ただいま~、て言っていいのかな?」


 ぱちりと室内灯を、

 あ、違ったここ父さんの部屋だ、

 パネルが飾ってある、父さんと母さんの若い頃、浴衣でスタジアムデートの写真。


(応援するJリーグチームの、マスコットのお面を頭につけてる、2人とも)


 こうして見ると母さんって、

 ほんっと伯母さんと正反対でスリムだ、

 斜め後ろに写り込んでいる背番号88の仙台サポ(デブ)に比べたら父さんもスタイル良いな。


「あれ、テーブルの上に手紙が」


 涼一へ、と書いてある、

 なんだろう、見つけちゃった以上は読まないと、

 開くと父さんの直筆だ、わざわざ手書きでなんだろう。


『涼一へ これを呼んでいるのなら、よほどの事があったのだろう、なかなか力になってやれない私を許してくれ』


 あっこれ死んだ時用?

 父さん海外で結構危ない所も行くらしいからね、

 エクアドルでお婆さんに殺されかけたとか、いったい何があったのやら。


『そもそも私が海外を中心に、日本でも大阪を中心に働いているのは、由紀ゆきとの約束があったからだ』


 あっ母さんの名前ね、

 その双子の姉、伯母さんは留美るみさん。


『子供が産まれたら、家の事は由紀が全てするから、私、達保たつほは遠慮なく外で仕事に集中して欲しいと』


 まあ元々、本社が大阪だったからね、

 入社も勤務も東京支社だったのが偉くなればなった程、

 大阪や海外での仕事が増えたらしい、でも母さんが家を守っていたから頑張れたんだろうな。


『だから海外で働いていると、東京で由紀が待っている気分になれて頑張れた、今もそのつもりで頑張っている』


 つまり東京に来たら、

 母さんが亡くなった現実を嫌でも思い知るから、

 出来るだけ外で仕事を、国内だと大阪に住んでいるのも、そのためか。


『もちろん涼一の事を考えなかった訳じゃないが、栃木に行きたがらなくなってからメイド任せにした、失敗だった、済まない』


 いやいやそんなことは、

 って手紙に言っても仕方が無いな。


『もし本当に困った事があったら、私に電話かメールが出来るなら遠慮なく伝えて欲しい、目が黒い内は何でもする』


 あっやっぱりこれ死んだ時と兼用だ、遺言も兼ねてるのかこの手紙。


『婚約者もいくらでも取り替える、何なら別で夜もお任せのメイドを改めて雇っても構わない』


 何を言っているんだよう。


『唯一無理なのが、今の婚約者が全員欲しくて海外国籍を取って全員、めとるとかだ、さすがにそれは不可能だ』


 ハーレムENDは無理かあ、

 治安国家の日本を離れるつもりは無いからね、国籍的に。


『本当に憎い人間が居たら3人までは何とかする、父親が恋しいなら仕事を辞めてずっと傍に居てやる、そこに遠慮はするな』


 ……父さんっていったい何者なんだ、

 いやお爺ちゃんが、僕のひい爺ちゃんか、いやそれよりもう1つ上? が、

 なんでも『昭和史』にちょこっと名前が出てくるくらいの大物だったらしいけど。


由紀ゆきはもう居ないが涼一は居る、それで私は頑張れるし生きて行ける、だから本当に困った時は私を頼って欲しい、もし手遅れだったらここへ電話を』


 手遅れって何だよ手遅れって、

 これも死んだ時用なのかな多分、

 どうしよう電話かけて『総理官邸です』とか言われたら!


(さすがにそれは無いか)


 まあいいや、

 アンタッチャブルな部分は触れないでおこう。


『最後に、私は父親として至らないのはわかっている、だから涼一には幸せな家庭を築いて欲しい、心からの願いだ 父より』


 なんだか父さんらしい手紙だな、

 メールで『読んだよ』とだけ送っておくか、

 うん、なぜだか眠くなってきた、最上階へ戻って寝よう。


(その前に……アリバイで41階だったかのコンビニに寄ろうっと)


 この部屋だけは、

 本当に秘密にしたいな。

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