第48話 みんなで家庭教師もやってくれるらしい
「あー、今日の夕食は野菜カレーかぁ」
「お野菜がこれだけありますから、必然的に」
「凪さん的に仕方なく?」「別でゆで卵もありますよ」
トッピングに出来るな、
ていうか大量の野菜を腐らせないように大変だ、
でも7~8人分(大君のお弁当にも使える?)ならすぐ無くなるのかな。
(みんなで、いただきます、っと)
福神漬けやピクルスとかも別皿であるな。
「HEYリョーイチ、入学オメデトー」「ありがとう」
「リョーちゃんもキョーちゃんもおめでとう」「陽菜ちゃんありがと」
「記念撮影、見せていただきました~、あの謎の桜パネルが面白かったです~」
れいさんはずっと電話番だったみたいだ。
「ふふ、卒業式は誰が涼一君のお母さんをやっているのかしらね」
「うーん、また伯母さんを借りるのもなあ」「私ならその頃、24歳よ」
「いや、けいとさんの場合は年齢とか関係ないかと」「あらそう?」「だって雰囲気が、もう」
でも3年経てば、
今から更にママさんぽくなるって線もあるのか。
「それで涼一、明日からはちゃんと、ここから通うのよね?」
「ここって、あっ、うん、この家からね、こっちの僕の部屋から」
「じゃあ起こしに行って良い?」「ええっとそれは」「明日の~、涼一さん係は私ですよ~」
れいさんに起こされる、
ただそれだけでドキッとしちゃうな、
身体をゆっさゆっさ起こされそう、と同時にれいさんも、ゆっさゆっさと……
(15歳だからね、どうしてもそういうのは妄想してしまいます)
むしろ楽しみまである、
男だから仕方ないんですよ、ええ。
「涼一くん、野菜カレーだからあまり辛くしなかったけど、いかが?」
「はい凪さん、それぞれの野菜の味が生かされていて、普通に美味しいかと」
「良かったわ、あと涼一くんが貰った野菜だけど、一部、お酒のおつまみに食べたいって」
ケイさん陽菜ちゃんが頷いている。
「良いと思いますよ、僕らに貰ったんですから、ねえ景香お姉ちゃん」
「足りなくなったら、また送られてくるでしょ」「軽トラで?!」「その時はまた食事会ね」
「栃木から毎回悪いなぁ」「様子も直に見られるってむしろ喜んで来るかも」「事故らないで欲しい」
お酒のおつまみに野菜かあ、
どうしてもキュウリに味噌つけて食べるイメージが、
あと焼きナスとか、ごぼうスティックとか、ポテトサラダも酒のつまみか。
「そういえば大人のバーみたいな所ってこのタワマンにありませんでしたっけ?」
「あるわよー、リョーちゃんは連れて行けないけれど、でも呑むならレストランかここね」
「宅呑みってやつですか」「リョーちゃんが近くに居るっていうだけで酔えるわ」「どんな理由なんですかそれ」
僕は酒のツマミじゃないぞっと。
「ふふ、なら私の部屋にBARでも作る? それなら涼一君も入れるわ」
「それでピールダンス見せてくれるんですか」「御名答、涼一君はオレンジジュースね」
「HEY! リョーイチは謎コーラを飲むべきdeath!!」「いやなぜ指定」「でもホームバーは有りね」「凪さんまで」
やっぱりここに集まっているのって、
大人のお姉さんばっかりなんだなぁ~……
「景香お姉ちゃん、こんなお酒好きのお姉さんばかりですが」
「怖いわね、私の部屋へ避難しましょ」「えっ僕が景香お姉ちゃんの部屋に?!」
「ずっと匿って護ってあげるわ」「キョーちゃん、それを人は『監禁』って呼ぶのよ」「こわっ」
思わず僕は引いてしまった。
「涼一さ~ん、ヤンデレには気を付けましょうね~」
「う、うん、れいさんはそういうの、被害にあったんでしたっけ」
「ヤンデレに男も女も~、関係ありませんからね~」「き、気を付けます」
なんとなく、
れいさんが言うと重いな。
「涼一くん、明日から本格的な高校生活なんだけれども」「はい凪さん」
「遠藤さんから、涼一くんのお父さんから、手が空いてたら勉強も見てあげて欲しいと」
「家庭教師ですか」「一応、私が全部見ても良いけど、ほかのみんなも見たいそうよ、どうする?」
どうする、って言われても、
まあ熟とか行かなくても大学は入れる、はず、
でもせっかく家庭教師できる人が居るのであれば……
「あっ、料金は」
「すでにお世話係として給料に含まれているから」
「ほんっとに、公私混同ですね」「みんな同意、合意してるから平気よ」
見回すと頷いているお姉さん方、
景香お姉ちゃんだけ黙々とカレー食べてるけど。
「えっと、みなさんのお仕事の邪魔にならない程度なら」
「未来の旦那様の教育だから、むしろ仕事より重要かも知れないわ」
「いやそんな」「もちろん仕事が忙しい時期はそっちを優先するから」
身を乗り出すケイさん。
「englishはお任せアレー!」
「いやまあ、気分は出そうですね」
「private lessons は何でもござれ なのヨー!」
楽しそうではあるな。
「リョーちゃん、私って意外と教えるの上手らしいわ」
「そうなんですか」「昔、児童館で小さい子に教えたら褒められたわ」
「溶け込んでいそうですね」「そうそう、小学生低学年を教える高学年みたいな、ってJKの頃の話よ!」
いやそれでも『低学年を教える中学年』に見えそう、
小学校1・2年生を教える4年生みたいな、うん、かわいい感じ。
(小4の春、景香お姉ちゃんの膝枕に甘えてたのを今になって思い出すな)
いや、家庭教師に膝枕して貰うプログラムは無いと思うが。
「私は~、経理ですから~、数学が得意ですね~」
「れいさんはそっち系ですね、えみとさんは」「体育かしら」
「いや家庭教師でそれって」「ふふ、理工学とか、あと何でも」
さすが工場の娘。
「ねえ涼一」「はい景香お姉ちゃん」
「私も涼一の隣で受けたいわ」「ええっと」
「小泉さんは電話番の仕事が」「はい田中さん、ですからそれが終わってからです」
夕食後か、
まあ1・2時間程度なら。
「ええっと、じゃあ家庭教師は、おいおい、ということで」
「わかったわ涼一くん」「MEにお任せデース」「お姉さんが女教師よ!」
「教えられることは~、お教えしますね~」「ふふ、楽しみだわ」「涼一、一緒に頑張りましょう」
……これ、
毎日の家庭教師係も割り振られちゃいそうだな、
そんなに毎日勉強したい訳でも……まあ当然、やった方が良いけど。
(あっ、カレーは最後まで美味しかったです、ごちそうさまでした!)




