裏 第一章 4人目 野沢麗の感想 とりあえずセキュリティは万全!
「とりあえず~、変なのは来ていないわね~……」
就寝前、PCで物理オフィス前の監視カメラをチェックする、
録画した1日分を早送りで……倉庫街の外れにあるのでめったに人は来ない、
弟の大が出入りする程度、たまに同僚が来る、って今日はみんなで行っていたわね。
(こんなに早く仕事先がバレたら、身内を疑う所だわ)
実の両親にも教えていない、
知っているのは前会社の社長くらい、
それも場所までは言っていないので疑うなら……
「身内、同僚……まさか~、ね~」
だったら弟がどこかでボロ出す方が可能性高そう、
ネット通販とか会社宛で良いって言ってるのに本名書いたりとか、
まあだらしないけど自分の置かれた立場を考えたら、ヘマはしないはず。
(弟の留守番でさえ月40万円、上級自宅警備員だわ)
いや、あそこはオフィスよ、
法的に住んじゃいけない区画で、
たまたま24時間体制で警備をしているだけ!
「それを言ったら~、ここが本当のオフィスって~、セーフなのかしら~」
自宅で働いちゃいけないって法律は無い、はず、
まあやっている事が振り込め詐欺とかだったらアウトだけれども、
個人事務所のお手伝い、言うなればメイドみたいなもの? とにかくストーカー対策の隠れ蓑には最高だわ。
(セキュリティも万全だし、あとは遊びに出た時の対策ね)
今はまだ来たばかりなので早々にバレないと思いたい、
だから涼一さんとのデートも今のうちなら色々と行けそう、
ただ贅沢言えば同じ所に続けて2回は避けたい、我儘だけれども。
「涼一さ~ん、貴方のおかげで、とりあえずは助かってます~」
1回お外でデートしたら、
次の2回はこのタワマン内デートだわね、
あと一緒にオンラインゲームデートという手もある。
(一緒に深夜アニメを観るだけでも、もう立派なお家デートよ)
3年間、この場所がばれなければ、
ほとぼりも醒めるかも知れないし、
一番手っ取り早いのは結婚してストーカーを諦めさせることかも。
「こんな形での結婚希望で~、ごめんね~涼一く~ん……」
本当に追い詰められて、
美容整形しようかとも思っていた私、
でも、ありのままの姿で涼一さん、涼一くんと恋愛が出来る。
(今のところは、気が合いそうな予感!)
まだ会って4日だけれども、
どんな形であれ私にハマってくれれば!
いざとなったら卑怯な手を使ってでも、でも最初はプラトニックに!
「私には~、ライバルに勝てる個性が~、いくつかありまぁ~っす!」
と同僚には言えない宣言を呟いてみる、
まあ見たらわかるわよねっていう、涼一くんの反応も可愛いし!
一度私の魔の手に落ちてしまえば、後は意外と簡単かも知れない。
(ただ、そうなると涼一くんの身にも危険が……)
そっちの可能性ももちろんある、
本当に危なくなったらまた引っ越し……
ここで3年間我慢出来れば、涼一くんの卒業後、海外移住という手もあるにはある。
「愛があれば~、どこへでも~……」
ってまだ涼一くんを手に入れられた訳じゃないわ、
ライバルは粒ぞろい、頭脳派とハーフと疑似ロリと巨尻ダンサーと幼馴染の従姉、
みんなそれぞれ魅力があって、ふとしたタイミングで涼一くんとハマるかも知れない。
(早々に奪われたら、私と弟の立場が危うくなる可能性も……)
遠藤さんがそんな人とは思えないけれども、
涼一くんが『○○さんに決めたのでもう出て行って』と言ったら、
あっさりタワマンを追い出されるということも、無くはない、ゼロでは無い。
「その時は~、いっそ愛人に立候補しようかしら~」
とにかく今は涼一くんと仲を深めること、
もっともっと色々と知り合いたいし、私のことも、
遠慮なく見て欲しい、そして私を選んで欲しい、切実に。
(で、それはそれとして……)
ひとつ考えている事があるの、
これは涼一さんの許可が必要かも知れないけど、
配信者としての私を復活させたい、それは素の私ではなく……
「Vチューバ―になって~、やり直したいかも~」
そのときは、
名前を涼一くんに考えて貰いましょう!
素顔を知っているのは愛する恋人だけ、みたいな。




