裏 第一章 3人目 丸瀬陽菜の感想 思ってたよりも良い子でした!
「ふう、とりあえずは拒否反応が無くて良かったわ」
ベッドで一安心の私、
今日までの数日で心配していた不安は的中しなかった、
むしろ親しみを持って接してくれている、とりあえずは及第点。
(でも、まだまだこれからなのよね)
とりあえず最年長としての仕事、
みんなが変にギスギスしないように、
そして何より、リョーちゃんが居づらくならないこと。
「さすがに今夜は、下へ避難しちゃったけど……」
あんまりぐいぐい行き過ぎるのもね、
相手はなにせ高校生になるばかりの男の子、
恥ずかしがるのも無理はないっっていうか、そこが可愛い。
(想像していたよりも、良い子で良かったわ)
おそらく名目上の、表立ったリーダーみたいなのは、
凪っちがやることになる、それに異論は無い、何せ超ハイスペック、
とんでもない訳アリ臭はするけれども、そのあたりは今はまだいいわ。
「私はうま~く場の流れを掴んで、誘導して、スムーズに進めれば良いのよ」
いわば陰に隠れてこの群像劇を支配する、
特にリョーちゃんに信頼され、安全と思わせて、
他より群を抜いて親密になり、みんなが気付けばいつのまにか正妻に納まっていた、という感じに持って行く。
(そろりそろりと、ぬるりぬるりと、まさにノーマークで)
こういう時に私みたいな色モノ枠は便利で楽だわ、
あんなのが選ばれる訳がないと思わせる事で嫉妬なく近づける、
そしてリョーちゃんの懐に潜り込んで、意外な魅力をみせて行けば……
「年齢差も身長差も、気にならないってなった時点で突破口は見つけたわ」
後は時間をかけて、
ライバルはおろかリョーちゃんさえ気付かないうちに、
私なしでは生きて行けないくらいの存在になってしまえば良い。
(最大のライバルは、目下やはり幼馴染のキョーちゃんね)
ただ小4の夏に急に会わなくなったという話、
理由は容易に想像できる、リョーちゃんが言いたがらないことから……
おそらくトラウマレベル、解決してあげたいけど、それは私とリョーちゃんの仲がきっちり詰まってからだわ。
「使いようによっては、私の有利になる、いえ、利用しちゃいましょ」
大人のズルい女と思われるかも知れない、
でも成長が止まって子供のままみたいな私は、
知恵を絞って卑怯と言われても、数少ない恋のチャンスをモノにしたい。
(最初は愛玩動物扱いされても良いの、油断してると立場逆転させちゃうから!)
リョーちゃんの部屋になぜかいつも居るぬいぐるみ状態で良い、
困った時に私に声をかけてくれて、私もリョーちゃんの微妙な変化を見逃さない、
遊園地でお子様相手、保護者相手に顔色覗いていた経験が生かせそうだわ、そんな大した話じゃないけど。
「リョーちゃんに、本来与えられるべきだった物を与える……」
遠藤さんが私たちに言った要望、
それは母性であり姉のよいうな存在であり、
何よりも恋人……私にはそれにプラスして妹力もある、と思う。
(あーもう、何でもしてあげたくなっちゃう!)
身長差なんて愛用の脚立ひとつで何とでもなるし!
性癖を歪ませて疑似ロリを楽しませる手もあるわね、
いや、本物に手を出さないよう躾ける必要はあるけれども!
「ほんっと、マトモな恋愛が出来る喜びってやつかしら」
10歳年下の高校生相手にどうとか言う奴は、
着ぐるみに踏まれてのされてしまえば良いんだわ、
とにかく私は必死なのよ、許されるなら押し倒したいくらいに!
(着ぐるみ姿で押し倒して跨ったら、それはそれでトラウマになっちゃうわね)
昔、メルヘンホラーみたいな映画があったけど、
初めてが可愛い着ぐるみに無理矢理とか絶対歪む、
なんて下らない妄想はやめて、明日のリョーちゃん高校デビューを見送ってあげなきゃ。
「おやすみリョーちゃん、頑張ってね」
メールやLINEでは言わない、
あえて寝る直前の虚無に呟いてみる……
本当に信頼されて、毎日一緒のベッドで愛を囁いてあげたいわ。
(その日を引き寄せるためなら、私は悪女になっても構わない、リョーちゃんが良い子なだけに……)




