裏 第一章 2人目 佐藤ケイの感想 私のこのキャラどうしよう
「リョウイチ、私を楽しんで貰えてるのかしら」
我ながら少し混乱している、
自分のハーフというキャラクターを生かした喋り方、
夜のお店でおじさんやお爺さんに大受けだったトークスキル。
(自分でも暴走気味なのは、わかっているわ)
お客さんから聞いた話、
昔、アイドルで宇宙人キャラを演じ続け、
引っ込みつかずそれで通し切った女性がテレビで居たらしい。
「私はもう、リョウイチだけを楽しませたら良いのだけれども」
勝手に私はリョウイチハーレムのムードメーカーだと思っている、
暗い雰囲気、重い雰囲気があれば率先してそれを壊しに行くキャラ、
私と一緒に居れば嫌な事も忘れられる、そんな存在になれば選んで貰えるかも知れない。
(私の人生を救って貰った、そのお礼のために、今度はリョウイチを救ってあげたい)
聞けば母親を早々に亡くし、
小学4年生まではわざわざ伯母の所へ出向いて甘えに行っていたそうで、
それも恥ずかしくなったのか急に行かなくなったらしく、代わりを用意するものの上手くいかなかったらしい。
「だから、私がリョウイチの、新しい保護者そして恋人になってあげないと……ネ」
そのために私が出来る事、
それは道化師を演じてでも、
リョウイチを笑顔にさせる事、毎日を楽しませる事……
(でも、さじ加減がまだ、わかんなーい)
あまりに酷いと引かれてしまう、
かといって素の私はきっとつまらない、
アメリカンなキャラを演じるために星条旗柄のパジャマや水着まで買った。
「リョウイチがお友達を連れて来ても、このキャラで行かないと」
正直、素の自分を出して嫌われるのが怖い、
でも今のこの『役』を演じている間は何をしても許される気がする、
現にまだ引かれたり、嫌がられたりはしていないように感じる、多分。
(たまーに突っ込まれるけどね)
いつまで続けるの的な事を言われて、
飽きるまでって答えちゃったけど、これは、
私が飽きるというよりリョウイチが飽きるまで。
「今のうちに、次の手も考えておいた方が良いよね」
とにかく今のこの立場は守らないと、
もちろん副社長としても……月給200万円だなんて、
離れ離れになった妹に月20万円の仕送りをしても余裕!
(税金のことは、REIさんに計算して貰ってるから大丈夫)
でも年110万円を超えると不味いから、
たまに会って、バレないように手渡ししているのよねえ、
いや内緒ね、誰がどこでこの話を聞いているか、わからないけど!
「ううん、私の目的はお金だけじゃないの、年下のボーイフレンド、リョウイチよ!!」
年齢がちょーっと離れ過ぎている気もしないでもないけど、
私が幸せになるためには、リョウイチを落とす必要があるのです、
今はまだ撒き餌? 前座? 前フリ? 前戯? の状況だけれども!
(悪くは無い、むしろ、ああいった子が好み、になっちゃいましょう)
なにより地獄に堕ちそうだった私が助かったのは、
リョウイチ争奪戦に参加して、本気で勝ちに行く女性が必要だった訳で、
このミッション、嫌じゃない、嫌いじゃない、むしろ3年間、楽しみたい!
「リョウイチ、覚悟してね、私のMY・TARGET!!」
親しくなればなる程に、
大胆に、露出も増やして、
言動も過激になって行けば……!!!
(なんでしょ、今の私、すっごく楽しい!)
いけないいけない、
暴走にはまだ早い、
さじ加減、チラリズム?
「明日からリョウイチも学校、高校でのお話、いっぱい聞いてあげなくちゃ」
いっそ送り迎えしちゃう?
学校帰りにそのまま拉致してデートとか?
あーもう寝る前なのに妄想が止まらなーい!
(あくまでも平和に、ライバルを刺激しないように……ネ)
来月くらいにはリョウイチと毎日ハグ、
再来月くらいには毎日軽いキスを、あくまで挨拶のキスね、
そしてその次、夏くらいにはリョウイチと……あぁ、今すぐスキンシップに行きたぁーーーい!!
「あっ、リョウイチを楽しませるつもりが、私が楽しませて貰ってるぅ!!」
きっとハッピーエンドよね?
ねっ、わたしの、リョ・ウ・イ・チ♪
……って私のこの、素のキャラも大丈夫かしら、色んな意味で。




