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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 ヤベエお姉ちゃんが6人も嫁にきた!

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第31話 添い寝も複数とならセーフらしい

「もう日付変るな、寝なきゃ」


 ネットやっていると、どうしても時間を忘れてしまう、

 PCの電源を落としベッドへと入り込む、灯りを消しスマホを持って……

 いや、やっぱり気になっちゃうんだよなあ、こっから眠るまでが長かったり……


 コンッ、コンッ


 こんな時間に誰か来た?!

 誰だろう、寝たふりしてやり過ごすか、

 でも大切な用事かも知れないし……部屋の灯りを消したままドアを少し開ける。


「はい……って凪さん?!」

「少し良いかしら、真面目な話だけれど」

「な、なんでしょう」「出来れば中で」「わかりました」


 灯りを再度つけると、

 凪さんと一緒に景香お姉ちゃんが入ってきた、

 その姿は凪さんはピンクの長袖パジャマ、景香お姉ちゃんは赤ジャージ。


(ジャージは3年A組って書いてある)


 これは中学の時のか、

 僕の知らない景香お姉ちゃんの姿。

 ベッドの上に座る僕、ふたりは床に座った。


「座布団なくてごめんね、買うかな」

「いいの、それよりもこれから大事な話をします」

「涼一、夜遅くにごめんね、ただ、誕生日の今日の内が良かったから」「う、うん」


 なんだろなんだろ。


「涼一くんのお父さんから、お世話を頼まれているのは知っていると思うけど」「はい凪さん」

「小学4年生から中学卒業まで、まったく母親もしくは母親代わりに甘える事を許されなかった、それは合ってるわよね?」

「ま、まあ、言っても伯母さんに甘えてたのって学校の長期休みに栃木行っている間だけだったけど」「私にもね♪」「景香お姉ちゃん……」


 恥ずかしいことを、

 でも小4の頃はそこまでは、

 と思ってたけどまあ、伯母さんにはそれなりに。


(ここに居る間はお母さんと思って、って物心ついた時から言われてたからなあ)


 なにせ双子ですもの、

 体型は正反対だったらしいけど。


「それでね涼一くん、6年間もまったく母性を知らず、

 大切な小学校後半、中学生活を過ごすっていうのは人間形成に影響を及ぼす可能性があるの」

「ウチの弟もいまだに一緒にお風呂入りたがってるし」「それは」「あと近い兄もね、桂実けいみ兄さん」「アイツかあ」


 あの粗暴な男、

 年上なのに妹に甘えたがりっていうのは、

 当時からわかっていたが、それが6年も続いてたのか。


「遠藤さんとしてはメイドが母親的に甘えさせていなかったっていう事実はショックだったみたい」

「年齢的には母親と一緒でも、あのおばさん達は実際、母親では無いし」「でも遠藤さんのリクエストはそうだったの」

「ええっと、それをあえてメイド長が無視したというか黙って拒否してたんでしたっけ」「辛かったでしょう?」「いや、そこまでは」


 景香お姉ちゃんもやさしく話す。


「いわば涼一は、みんなが貰えるはずのお菓子を貰えなかった状況なの」

「知らない味だから、本人は平気でも周囲から見るとみんな知ってる味なのに可哀想みたいな?」

「そんな例えで大体合ってるかな、だからこそ涼一くんは、それを取り戻すべきっていうのが涼一くんのパパの判断よ」


 与えられなかった6年分のお菓子、

 それが高校生になって一気に送られてきた感じか、

 いやむしろ押し付けられてるまであるな、嬉しいとか嫌とかいう以前の戸惑いが大きいけど。


(むしろ怖い、まであるかと)


 でもまあ、

 2人が言っていることはわかった、

 つまりは存分に甘え放題だぞっと。


「そこで涼一くんに提案なのだけれども」「何でしょうか」

「とりあえず今夜、私たちに添い寝させていただけないかしら」「……はいっ?!」

「いきなり1対1だと不安でしょうから、私と幼馴染の景香さんと2人で」「久しぶりに川の字ね、涼一」


 いや久しぶりって、

 叔母さんと景香お姉ちゃんに挟まれて寝てたのって、

 ほんっとうに幼い頃だったんだけどなあ、それに今や僕は15歳だ。


「うーん、さすがにそれは」「涼一くん、怖い?」

「というか恥ずかしいというか」「でも遠藤さんの望みよ」

「涼一、パパさんにはお世話になっているんでしょう?」「そ、そうきましたか」


 養って貰ってるんだから、

 黙って素直に親の言う事をきけみたいな。


(でも、でも……まったく、これっぽっちも興味が無い、という事は無い!!)


 僕だって男の子だ。


「添い寝、だけですよね?」

「ええ、ただ胸で甘えても良いわ」

「涼一、2人居るから変な事をしようとしたら止めるわ」「僕はしませんよ、多分」「こっちからよ」


 狙われてるのは僕の方だったかー、

 冷静に考えたら婚約者争奪戦だもんな、

 僕が奪い合う価値があるかどうかは別として。


「じゃあ枕を持ってくるわね」

「私は涼一の予備の枕でいいかな」

「あっはい、それじゃあえっと、これを」「涼一くん、すぐに戻って来るわ」


 って流れでほぼ了承しちゃった、

 一時的に景香お姉ちゃんと2人きりになる、

 どきどきどきどき……他の婚約者はこんなことになってるなんて、知らないよね?


「……ありがとう、涼一」

「えっ景香お姉ちゃん、何が」

「これが一番嬉しい誕生日プレゼントかも」


 すっごい笑顔だ。


「いや、な、何もしませんよ?」

「今年はね、ううん、今夜はねっ」

「そ、そんな」「少しずつ、一歩ずつ、とりあえずは慣れて行きましょ」


 ……今夜、ちゃんと眠れるかなぁ……??? 

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