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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 ヤベエお姉ちゃんが6人も嫁にきた!

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第30話 お誕生日会なのに微妙な表情だったらしい

「ふう、お腹いっぱい」


 夕食は景香お姉ちゃんの誕生日パーティーだった、

 大きなホールケーキは景香お姉ちゃん史上最大だったらしい、

 あと食事はちゃんこ鍋でした、昼前にさんざんパイ食べた僕には助かった。


(ひょっとして、ケーキでお腹いっぱいになるのを見越して?!)


 大鍋から好きなだけちゃんこをよそうシステムなので、

 胃のキャパシティをケーキに振り分けられて助かったというか、

 みんなも昼に僕が持って来たお土産パイを食べたはずなのに、もりもりと。


(女性は甘いものは別腹っていうからね!)


 あと女性陣も景香お姉ちゃんに、

 個別の誕生日プレゼントを渡してたけど、

 学校用品やお化粧用品とかだった、普通に喜んでた。


「僕の誕生日、あんな風に祝って貰えるかなあ」


 いやね僕の場合はタイミングが悪いんですよ、

 何せ誕生日というのがですね、よりにもよって12月にじゅ……


 コンコンッ


「はいっ?!」

「リョーちゃん、いいかしら」

「HEYリョーイチ、Open the Door!」


 陽菜ちゃん&ケイさん、夕食直後に何だろう、

 まさか2人して僕をお風呂に入れて洗いたいとか?

 ってどこの大型犬だよ僕はゴールデンレトリバーじゃないぞっと。


「はいはい、どうしました」

「んー、とりあえず入ってもいい?」「何もしなければ」

「ダイ・ジョーブ! Just the tip!」「どういう意味ですか、まあどうぞ」


 なぜか陽菜ちゃんは部屋に入れる抵抗が無い、

 飼い猫がぬるっと入ってくるような感覚かな、

 ケイさんの方はちょっと緊張する、これから何が始まるんだって感じの。


「じゃあ失礼して」「excuse me for disturbing」

「適当な所に座って下さい」「じゃあベッドに、んしょ」

「リョーイチがMEの膝枕に寝てクダサーイ」「なんでぇー?!」


 まあいいや。


「リョーちゃん、なんだか誕生日パーティーのとき、微妙な顔してたけど」

「えっほんとにい?!」「ヨバレタ忘年会で知り合いが1人も居ない状況みたいなfaceダッタヨ!」

「いやそれどんなシチュエーションなんですか」「NoNoNo、Situation!」「発音はどうでもいいですから」


 でもまあ、心ここに在らずって顔はしてたかも。


「でリョーちゃん、何を考えてたの?」

「ええっと、夕食前に、れいさんやえみとさんにも相談したんですが、

 僕に対してあまりにぐいぐい来過ぎて、焦ってるのか生き急いでいるのか、距離を詰められ過ぎて困っています」


 誕生日パーティーのときも、

 隙あらば僕に絡みついてきていた、

 なので少し距離を取ったりして、その時の表情が気になったのだろう。


「若いからねー、キョーちゃんまだ16歳ですもの」

「男の人って密着すると喜ばれるって夜のお店で教えられましタ、feverするッテ」

「いやまあ、景香お姉ちゃんも家族の呪縛、農家の娘って立場から解放されてハイなのはわかるけど、うーん」


 陽菜ちゃんが僕の頭を撫でてくれる。


「これは推測だけど、まずリョーちゃんが、そういうのに慣れてない」

「誕生日会ですか」「女の子によ、まあ急に婚約者6人出来て戸惑ってるんでしょ、その延長線上ね」

「言われてみれば、確かに」「ただ、私の見た感じだと、キョーちゃんだからっていうのが大きいわね」


 そこは、あまり突っ込まれたくない。


(ていうか鋭いな、さすが25歳)


 この瞬間だけお姉さんな表情をしている。


「まあ、従姉ですから」

「んー、考えられるのは2つ、おケイさん、わかる?」

「ワカリマセーン!」「面倒くさくて逃げたわね」「真面目に答えても多分、間違ってるでしょ」


 あっ、ケイさんのマジトーンが聞けた!


「多分これは違うと思うけど、『従姉』と結婚するっていう重圧、すなわち」

「Bloodデスネー」「そう、イトコ婚は血が濃くなってリスクがある、それをリョーちゃんが怖がっているか」

「まあそれは、まったく気にならない訳じゃないけど」「でも実際にそれを気にするのは、本当にキョーちゃんを選んでからね、だからまだでしょ」


 うん、そこまではまだ行っていない。


「モーヒトツハ?」「多分こっちが合ってると思うけど、リョーちゃん、キョーちゃんに何か負い目というか、素直に受け入れられない何かがあるでしょ」

「な、何かって」「つっかえてるものよ、喉に刺さったトゲみたいな」「OH! シタギヌスンダトカ?」「してないしてない、最後に会ったの小4だったし」

「小4でも盗むでしょ」「ショーヨンダカラコソ、ヌスムデSHOW!」「そういうのじゃないから! でもまあ、うん、鋭いなあ、とだけ言っておきます、はい」


 これ以上は、

 掘り起こされたくない。


「それでリョーちゃんは、その『引っかかり』を取りたい気持ちはあるの?」

「うーーーん、触れられたくない」「untouchableデスネー」「そっとしておいた方がいい?」

「ですね、こればっかりは言いたくない」「それはキョーちゃんを選んだとしても?」「……ノーコメントで」


 そもそもまだ誰も選んでない、

 それどころか、選ぼうとすらしていないから。


「わかったわ、私はここまで聞ければ満足よ」「陽菜ちゃん的に?」

「どうね、おケイさんは?」「リョーイチ、気を紛らわしたかったらMEとお話しまショウ」

「う、うん、ありがとう」「じゃあリョーちゃん、私からは以上よ、今日はね」「ワタシは今日はリョーイチ当番death!」


 あっそうだった、

 そしてその言い方!


「今日はもうお風呂に入るだけだから、大丈夫だから」

「ワッカリマシタ、マタネ、リョーイチ」「明日は私が当番よ」「はい陽菜ちゃん」

「デハgood night!」「また明日、リョーちゃん」「おやすみなさい、ケイさん、陽菜ちゃん」


 2人が出て行ったあと、

 大きくため息をついた。


「……今更、真実を話してもなあ……」


 まあいいや、

 お風呂を済ませて、

 後はネット見てから寝ようっと。

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