第25話 小泉景香お姉ちゃんは誕生日に最初に会いたかったらしい
♪~~~~~
「……んっと、3時50分、よし起きれた」
金曜なので高校前最後の平日休み、
早めに寝て早朝ジョギングのためにスマホに目覚ましを設定、
起きて眠かったら二度寝しようと思っていたけど、うん、大丈夫そうだ。
(外はまだ真っ暗だ)
ちなみに住居8部屋で窓があるのは僕と、
隣の景香お姉ちゃんと陽菜ちゃん凪さんで、
廊下挟んだ向い側が窓無し、ケイさんれいさんえみとさん。
(そして僕の真向かいは空き室です)
これに関しては窓無しの部屋のがちょっと広くてですね、
僕に『窓ありと窓が無いけどちょっと広い部屋どっちにするか』
という話があって、実際住んでみてやっぱあっちが良い、となったらすぐに移動できるようにだとか。
(言う程、差は感じないけどね)
他の婚約者が窓無しを選んだ理由は、
ケイさんは単純に身体が大きいから、ベッドも大き目らしい、
れいさんは窓の外から見られるのが嫌って47階なんですがここ。
(えみとさんはポールダンスするからね、中央に立てる柱のスペース用)
というのを食事中に聞きました、
などと考えながらスウェットに着替え完了、
入構証も忘れず首から下げて、ってSUICAも一緒に入れておこう、自販機の水分補給用。
「……よし、出よう」
部屋のドアを開けると、
そこにいきなり立っていたのは……!!
「おはよう涼一」
「うおっ、景香お姉ちゃん?!」
「私ね、16歳になったよ」「うん、お、おめでとう」
待ち伏せされていた、
って2度寝してたらどうするんだろう、
こんな時間にノックで起こされたんだろうか、まあいいや。
「あのね、誕生日の最初は、涼一に祝って欲しかったんだ」
「ええっと、プレゼント、今から要る?」「えっ嬉しい、時間かかる物?」
「渡すだけなら、すぐ」「欲しい欲しい!」「えっと、ちょっと待ってね、持ってくるから」
こんなに早く渡す事になるとは、
陽菜ちゃんのアドバイスで買ったものを……!
「……まずお花、鉢植えだけど」
「嬉しい、頑張って育てるね」「あとリボン」
「わあ」「ポニーテールにしてたから、用途に分けてピンクと青と赤、3種類」
早速、スポーツ用の青いリボンを結んでくれる。
「……どう?」
「うん、凄く良いよ」
「どのあたりが?」「可愛いスポーツ女子って感じで!」
笑顔で抱きついてくる景香お姉ちゃん!
「嬉しい! ほんっと、今まで兄弟に貰ったどのプレゼントより、嬉しい!」
「いやそんな」「もう、これで今日の誕生日は、これで良いって感じ」「そこまで?!」
「あっもう時間ね、リビングへ行きましょう」「う、うん」「涼一、本当にありがとう、ふふふふふ」
鉢植えと他のリボンを自分の部屋に放り込んで、
めっちゃ嬉しそうに僕を引っ張る景香お姉ちゃん、
ご機嫌過ぎるな、1本1980円のリボンなのに、こんなに喜ぶだなんて。
(小4まで栃木で会ってた時も、こんなにも喜んでは無かった気がする)
その時は婚約者でも何でもなかったけどね。
リビングへ移動するとすでに準備してる園美渡さん、
あと陽菜ちゃんに短距離派だとか言っていたケイさんまで居るな、みんなジョギングのお姿。
「ふふ、景香さん、お誕生日おめでとう」「ありがとうございます、園美渡さん」
「キョーちゃん、これでまたリョーちゃんのお姉さんね」「元からお姉さんですよ、ありがとう」
「HEY! happy birthday! 大人の階段上ったワネ」「ケイさんもありがとう、新しい誕生日って感じです」
そしてみんなでマンションの廊下へ出て、
高速エレベーターに乗る、こんな時間でも文字ニュースは流れているな、
夕方から雨かあ、と思っているといつのまにか1階だけじゃなくB1も押されてた。
(陽菜ちゃんかな、あのバイクで同伴かあ)
並走してて事故らなきゃいいけど、
と思っていたら1階で最初に陽菜ちゃんが降りた。
「あれ?」「私も普通に走るわよ」
「じゃあ地下は」「ワタシデース!」
「ケイさんが」「先に走ってて良いですヨー Let's enjoy!」
ということで、
まだ真っ暗な外へ出て、
けいとさんを先頭に走り始めると後ろから……
♪チェリンチャリーン
「Hello Hellllooooo!」
「ママチャリきたあああああ!!!」
まさかのケイさん並走でした。




