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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
序章~プロローグ~遠藤の部屋に6人のヤベエお姉ちゃんが来た!

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裏1人目 田中凪(24)の過ち 私はこう寝取られて人生を破滅した!

疾風はやてくんゴメンね~、私、こんな風になっちゃったぁ~~」


 カメラの前で痴態を晒す私、

 当時21歳の私は日本に婚約者を残し、

 大阪の総合商社へ入るためアメリカの大学へ通うべく、ホームステイをしていた。


(そう、信じて送り出してくれた疾風はやてくん、実家のみんな、そのためにしっかりと経営学を勉強しなきゃ、と)


 最初の1・2年は何事もなかった、

 ホームステイ先の家族もとても親切で、

 実家にも婚約者にもネットで連絡を取っていた。


 全てが順風満帆だと、私の心に魔が差した、

 日本に帰ったら忙しくなる、結婚してもしばらくは共働き、

 高校1年から正式にお付き合いした婚約者の疾風はやてくんとも、どれだけ遊びに出かけられるか……


(そんな中、大学で『全てを忘れられるパーティー』に誘われ、その日に限って行ってしまった)


 周囲のみんなは私に婚約者が居ることを知っている、

 みんな応援してくれている、そして勉強を詰め込んでいる努力も知っている、

 だからこそ息抜きが必要、アメリカの、大学の思い出にと……それが破滅への道だと知らずに。


「ごめんね~、見て~、刺青タトゥーもいっぱい入れられちゃって~、ピアスもこんなところにぃ~」


 お酒と薬で滅茶苦茶にされ、

 多種多様な男の人に、それはもう……

 更にはその様子を撮影され、婚約者へメール動画や録画したDVDまで送らさせられた。


「もうお嫁に行けない~、寝取られの悪い子は、お仕置されちゃってま~~~す!!」


 それまでの人生で締め付けられていた部分もあったのかも知れない、

 でもこれはあきらかに私の責任、こうなったのは言い訳はできない、

 だからこそ、自分はもう、堕ちる所まで堕ちて行ってしまったのかも知れない。


疾風はやてくんが観た瞬間、寝取られの絶望に落ちたのが想像できるわ)


 もうその状況の私は、私では無かった、

 何もかも汚され、女として、いえ人として地に堕ちるような状態、

 結局、私が救出された時は本来の、大学を卒業するはずの日だった。


(1年以上も、あんな映像を送り続けていた……)


 ホームステイ先にも迷惑をかけ、

 大学も退学扱い、救いだったのは私は被害者ということになり、

 犯人たちは余罪も含めて懲役何百年となり、私は現地でのリハビリに更に1年かかった。


(薬を抜いて、刺青タトゥーも、って完全には消せない、そう、一生)


 人生を破滅しても私は生きていた、

 全てを失っても、寝取られという裏切りをした私は、

 それでもまだ人生を続けなくてはならない、そう、死んで逃げるのはもっと罪を重ねること、とにかく日本へ戻りたかった。


(しかし、ようやく日本に戻ったその日が、疾風はやてくんの、新しい彼女との結婚式当日だった……)


 当然のことながら家族からも絶縁、

 その父が話を通してくれていた、大学卒業後入るはずだった総合商社へお詫びに行くも、

 門前払いに近い状態、でも……でもそこで現れたのが、遠藤達保えんどうたつほさんだった。


「私はここを独立してね、実際は子会社というか便利な別働隊みたいなものだけど、良かったら来てくれるかな」


 そして私は1年間、

 遠藤さんのヨーロッパ拠点を助ける仕事に就いた、

 途中までだったけど大学で勉強していた事を更に学びながらの仕事。


(失ったものを、破滅した人生を、少しずつ、少しずつ取り戻している気になったわ)


 そして24歳になり、

 改めて戻された日本で遠藤さんにお願いされた。


「私の日本の拠点、とはいえ大阪と東京にあるんだけれども、

 その東京の方を任せたい、会社を作るから社長になって欲しい、

 給料は安いけれどね、それと同時に公私混同で申し訳ないが、東京に一人息子が居てね……」


 続けて言われた提案に、

 私はとにかく驚いたわ。


「その、私の過去を、その息子さんは」

「知らないよ、私からは言わない、刺青タトゥーを消した痕はきちんと見せなければ火傷で通せるだろう」

「そんな、こんな私を、人生を一度は破滅した私が」「受けて貰えないから大阪へ」「受けます、受けさせてください!!」


 こうして私は、

 寝取られの裏切り者の身でありながら、

 また、恋が出来るチャンスを与えられたのだった……。


回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回


(次はケイちゃんの番か、1人1時間、トップバッターとしては及第点ね)


 勉強している部屋を出たが良いが、

 気疲れなのか隣の部屋へと入って色々と回想した、

 これまでの人生を、そして、さっきの家庭教師としての、おもてなしを。


「……ふう、涼一くん、お友達に『良いお姉ちゃん』を演じられたかしら?」

「ど、どうしたの田中さん、こんな真っ暗な部屋で」「丸瀬さん! びっくりした、座敷童子ざしきわらしかと思ったわ」

「タワマンに出る座敷童子ざしきわらしねえ」「ケイちゃんなら少し前に行ったわ」「あらそう、じゃあ私はここで準備するわね」


 灯りを点けられると、

 小学生にしか見えない女の子が着替えを始めた、

 隣の部屋ではハーフのケイが楽しそうに会話しているのが漏れ聞こえる。


「……丸瀬さん、それって」

「ふふーん、中学生の時の制服よ」

「まだ早いのでは」「25歳だってばっ!!」


 心に大きな傷を持つ女性が、またひとり。

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