1人目 田中凪 24歳 美人才女がやってきた!
「うい~っす」「こんにちわー」「お邪魔しまーっす」
「いらっしゃい、小林くん、中川くん、大森くんっ!」
「寛太でいいよ」「優斗でいいって」「和樹にしよ? 涼一」
僕こと遠藤涼一に高校入学早々できた友人、
好きなJリーグチームが一緒ということでたちまち仲良くなって、
週2回、それぞれの家で勉強会をしようという話になり、4回目は僕の部屋となった。
「もうすぐゴールデンウィーク3連戦かー」
「相手が勝てそう・引き分けたい・負ける訳にはいかない、だからなー」
「ところで涼一もスタジアムへ行ってるんだろう? ゴール裏か? バック? 1階? 2階?」「ま、まあ、それは、ね」
言えない、
父のコネでVIPルームへいつでも行けるとか、
それとは別でSSS席の年間チケットを持っているとか……!!
「早く景色見たいな~」「ここタワマンの何階だっけ」「29階だったよな?」
「うん、47階建ての、だからそこまで景色は」「十分だよ、海とか見えるよな?」
「入るだけで1日入館証作らされたからね」「ここへ入るまで厳重過ぎて引いたけど」「まあ慣れるよ」
と案内した最奥の部屋で待っていたのは……!!
「あらいらっしゃい、涼一くんのお友達ね」「「「!!!」」」
「ええっと、今日の先生、田中凪さんです、アメリカの大学で4年過ごした方で」
「とはいっても卒業はできなかったけれどもね」「こ、小林寛太です!」「中川優斗だよ!」「大森和樹だ、だいっ!」
うっわ、急に態度が変わった!
そりゃそうだよなあ、これだけの美人才女、
僕だって最初の顔合わせで息を呑んだ、素敵過ぎるお姉ちゃんだ。
「素敵なお友達ね」「……何がどう素敵かわからないけど、僕の友達です」
「今日からお世話になるっす!」「始めまして、よろしくっ」「末永くお願いします!」
「あらあら、勉強会よね?」「じゃあみんな、何から勉強する?」「お姉さんから!」「お姉さんについて!」「お姉さんの得意分野は?」
長い黒髪をなびかせて立ち上がる凪さん。
「まずはお茶を淹れるわね、冷たいので良い?」
「な、なんでも!」「手伝いましょうか」「何なら一緒に」
「ありがとうね、でも今日は涼一くん達の勉強会だから、さあ準備を始めて」
立ち上がっただけで美人オーラにあてられちゃう、
もうその仕草、長袖長スカートの良い匂いにクラクラしちゃう、
これでいて頭が良いと来たら、僕からしたら『なぜここに居るの?!』というレベルだ。
「……行っちゃった」
「なあ涼一、どこで仕入れたの」
「まさか家庭教師さん?!」「僕のお姉ちゃんみたいなものだから」
すっかり興奮してら、
好きなJリーグチームを応援している時くらいの熱量だな、
そんなに凪さんが気に入ったのなら、この後どうなっちゃうんだろう?
「ちなみに凪さんが勉強見てくれるの1時間だけだよ」
「えっマジで?!」「忙しい人なんだ」「やっぱり有料? おいくら万円?」
「いや無料だし普通に家のお姉ちゃん、血の繋がってない姉とでも言うか」「ここの?」「この家の?」「遠藤の?」「ま、まあ」
いやみんな、そんなに迫らないで!
「実際なぜ居るの」「父さんの会社っていうか事務所の社長」
「お、女社長? そんなに年齢高いの??」「24歳だよ、まあ実質、父さんのマネジメントだけの会社だし」
「養子とか?」「では無いなー、まあなんていうか、住み込みで働いてて寮がここみたいな」「ど、どどどど同棲?!?!」
コンコンッ
「はい今、開けます!」「優斗くん、はやっ」
「あっ、眼鏡かけてる!」「寛太くん、眼鏡はお嫌い?」
「田中さんなら、いえ凪お姉さんなら大好きです!」「あら、ありがとう」
こんな美人秘書居たら取り合いになるだろうね、社長だけど。
「まずは国語からお願いします!」「えっと私は一科目だけど和樹くん、国語でいいの?」
「えっ、凪先生の得意は」「とりあえず8カ国語は話せるわよ」「日本語と、英語と?」「フランス語、スペイン語、あと……」
「もう国語の本を出しちゃってるからみんな、国語だよ」「お、おう」「わかった」「それじゃあまず」「最初はみんなに教えるわね」
僕の教科書を手にした凪さん、
みんなにわかり易く説明してくれる、
ただ……友人たちが勉強に身が入っているかというと、うん、色々見てるな。
(そのためかな、素肌をあまり見せないの)
あくまでも家庭教師モード、
ということになっているが僕は知っている、
彼女の身体には、結構な火傷の痕があることを。
(そして、彼女は僕の……!!)
それに関しては今はまだ、
とりあえずは僕の方こそ勉強に集中しないとね!
後で凪さんに怒られちゃう、あらあら駄目でしょって。
「はい、ここまでは良いわね?」
「「「「はーーーーい」」」」「よろしい」
こうして1時間の国語の時間は、
あっという間に過ぎてしまったのでした。
「あら、もう午後2時だわ、行かなきゃ」
「えっ、田中さん、何か予定が」「交代なの」「えー」
「みんなが帰る時にまた来るわね」「そんなあ」「凪さんありがとう」「涼一くん、またあとでね」
名残惜しそうに後ろ姿を見送る友人たち、
みんな口々に「ヤベエ」「あれはヤベエ」「ヤベエ姉ちゃんだった」て言ってる、
第一弾でもうこんなになるとは、この後どうなるのか、色んな意味で不安になるなあ。
コンコンッ
「戻ってきた?」「帰ってきたー!」「ど、どうぞ?」
友人たちのその声に、
入って来たのは……!!
「ハーイ! リョウイチのオネエチャン、ケイ=サトー、ナノデス!!」
金髪ギャルきたーーー!
てなっているな、3人ともっ!!




