第117話 今度は地雷系らしい
「という訳でクラスメイトの友人、男3人に『大人のデート』を聞いたのですが」
「この間の優斗くん寛太くん和樹くんね」「はい凪さん、その結果、とても女性に聞かせられない意見が」
「男子高校生なら普通よ」「そういうものですか」「涼一くんだって、そういう所あるでしょ?」「ま、まあ」
という放課後、凪さんへのケーキ選手権優勝ご褒美に、
クラスメイト女子の実家であるケーキ屋『オーロラの風』で、
イートインのケーキを好きなだけご馳走するというデートなんだけど、服装がメイド服でなくピンクの地雷系とかいうやつだ。
(ゴスロリもアレだったが、こっちもこっちでピンクが目にうるさい)
しっかり長袖でフリルやらレースやらリボンやらシュシュやら、
長いストッキングがピンクと黒のストライプとか、いやほんとこれ、
いったいどこを目指しているんだっていう、才女のすることは理解できない。
(隣の席の主婦さんたちが、ちょっと引いてる)
僕はもっと引いている、
こんなのクラスメイトに見られたら、
と思ったら普通に立って店番してやんの、僕より一瞬先に店に入ってたな、いや帰宅だけど!
「こういうファッションって、やっぱり私より野沢さんよね」
「いやいや、れいさんがこれ着たら、それはもう」「興奮しちゃう?」
「だ、誰が着てもそれぞれ違うでしょうが、って紅茶ケーキ美味しいですか?」「一口どうぞ」
……うん、美味しい、
紅茶ケーキを紅茶で喉へ流す、
これはこれで大人な味だな、大人のデート。
(地雷系ファッションって大人のすることなんだろうか)
このへんあまり言うと、
それこそセーラー服を着かねない、
もちろん僕を喜ばせようとしてくれているのだろうけど。
「それでお友達との勉強会はいつかしら」
「あっはい、土曜ですね、またアウェイのJリーグ観戦がてら」
「友達の部屋で見るのね、メイドで行こうかしら」「まだちょっと早いかなー」
あっ、わざわざ紅茶のおかわりを注いでくれる店員の渡辺麻美さん、
クラスメイトね、もう1人のバイト、新堀恵さんはって今きたな、お店のエプロンつけて、
そうか実家の手伝いとバイトじゃ入る時間が違う時もあるんだろう、まあとにかく見守られながら地雷系メイド長と会話を続ける。
「デートの行先を色々と考えているみたいだけど」「はい」
「まず率直に聞きたいのだけれども」「なんでしょ」「どういう女の子が好みなの?」
「えっ、いやまあ」「大切なのはそこよ、その子が行きたい所、もしくは連れて行きたい所をまず考えないと」
その結果が薪能ですかそうですか、
僕って試されていたんだろうか、まあ良いけれども、
つまり僕も僕でちゃんと、例えば凪さんなら凪さんの喜びそうな所を考えろと。
「じゃあえっと凪さんの喜びそうなデート先で言うと」「どうぞ」
「……歌舞伎とか」「連れて行ってくれるの?」「いやまあ、だったらミュージカルとか」
「ミュージカルにも色々あるわよ」「交響楽団とか」「オーケストラね」「あっ、じゃあ間を取って東京スカパ……」
何が間なんだろまあいいや、
僕の方からそれぞれのデートで喜んで貰える行き先を考える、
これはこれで、ちょっと楽しいかも知れないな、一緒に相談するのも。
「ライブもいいわね」
「えっ凪さんの好きなミュージシャンとか」
「その時の、彼氏の好きなミュージシャンに合わせたいわね」
良いのかそれで、
まあ尽くしたいタイプの女性はそうか、
パチンコや競馬好きの女性声優は彼氏の影響ってよく聞くし。
「じゃあ日曜日に私が連れて行くわね」
「あっはい、場所はシークレットでしたっけ」
「その後、映像ミュージアムとは別で、涼一くんがチョイスした場所へ私を」
Jリーグ観戦が本命だけど、
それとは違い所も望んでいそうだ、
凪さんに合いそうで、高校生でも行けるデート先……
(あー、Jリーグデートのついでに、近場であるな)
ちょっと挑戦になるけど、
僕も行くのは嫌じゃない、多分。
「それじゃあ計画を立てておきます」
「ええ、私と涼一くんのデートラッシュね」
「それよりケーキは」「では追加でシュークリームをいただくわ」「じゃあ僕も」
持ってきてくれたクラスメイト、
渡辺さんと新堀さんにもちょっと聞いてみる。
「例えば2人は、デートっていうとどこ行きたい?」
「それはもちろん」「ジェフ千」「OKわかった、ありがとう」
言わせないよっ!!!




