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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 ついに始まった高校生活!

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第109話 お風呂ボーナスはどうってことないらしい

「はい坊ちゃま、目を瞑って下さいね」「はい凪さん」

「事情はわかりました、本当のことを聞いて欲しくないための誤魔化しですね」

「いやだからプロレスって」「八百長ですよ」「はっきり言っちゃうんだ」「坊ちゃまが聞きたかったのでしょう?」


 帰ってお風呂の時間、

 ケーキ造りチャンピオンに選んだ凪さんに、

 本当に欲しい賞品を聞いたらお風呂で世話したいというので頭と背中だけ洗って貰っている。


(当然、僕専用の大きい方でね!)


 ただやっぱり婚約者とはいえアレなので、

 メイド長として、とお願いしたらメイド服に眼鏡、

 いかにもなおだんご頭でやってきた、白いゴム手袋までしてら。


(ちゃんとお風呂ボーナスになっているのかなぁ)


 一応聞いてみよう。


「あの凪さん、15歳の男をお風呂で洗うのって」

「この程度、どうってことないですよ坊ちゃま」

「あっはい、なら良いのですが」「あくまで事務的にということでしたので」


 うん、前のメイド長を思い出す、

 父さんのリクエストに答えてなかった罰に、

 どこか知らない海外にドナドナされたという。


(街の名前をどっかで聞いたけど、怖くて検索できないよ……)


 ただ、凪さんにやって貰うと、

 なんかこう心地よいんだよなあ、

 メイドではなく肉親味を感じるというか、むしろ恋人味か、こんな完全防備でやらせても。


「えみとさんも『プロレスが一番楽しめるのは、何も知らない子供の時』って言ってましたし」

「ロープへ振って、帰ってくる時点で大人は気付くもの」「ただどっかで『受けるのもプロレス』って」

「そのあたりの理論武装を楽しむのもプロレスというスポーツなんでしょうね」「そういうものですかぁ」


 奥が深いショーですこと。


「楽しもうと思って完全肯定すると目一杯楽しめるのがプロレスよ」

「よく御存じで」「アメリカ時代、プロレス好きの日本人がクラスに」

「そんな立派な大学へ行くような人が、って偏見かあ」「世界最大のプロレス団体はアメリカにあるわよ」


 背中どころか脇の下も洗ってくれている、

 心地よいなあ、ちょっとくすぐったいけれども!

 そしてあいかわらず、髪の毛泡々で視界を防がれている僕。


「でもプロレスが楽しめたので、凪さんの連れて行ってくれる所も楽しめそうです」

「次の涼一坊ちゃまの予定は」「水曜にまた友達の家で勉強、金曜に国立競技場でJリーグ観戦、日曜がウチに友達呼んでお勉強」

「そのあとの水曜、ゴールデンウィーク初日が私とのデートよ」「はい、それで、その後の木曜か金曜に、今回のご褒美ケーキをと」


 うおっ、今度は首筋から胸まで洗ってくれる!

 まあいいか、僕のタオル捲いている下半身まで来なければ。


「映像ミュージアムも行きましょう」

「でもゴールデンウィークで混むんじゃ」

「平日なら今から取れるわ」「じゃあ、金曜で」


 うん、凪さんとのデートウィーク決定だな。


「はい坊ちゃま、お湯を流しますよー」「うわっぷ」


 頭から丁寧にかけられる、

 シャワーの勢いで股間のタオルがピンチ!

 なんとか死守して、と思ったら今度は足を洗い始めた?!


「足の裏も、指の間もしっかり洗わないといけませんよ坊ちゃま」

「あ、ありがとう」「他に洗って欲しい場所はありませんか坊ちゃま」

「ええっと」「どこでも構いませんよ、どこでも」「はあ」「手袋していますから、ご遠慮なさらず」


 じゃあ遠慮なく。


「手の指とかも」

「はい、では腕から先にかけて」

「あっ気持ち良い」「お風呂上がりのマッサージもいかがですか?」


 うー、マッサージと聞くと、

 れいさんが超絶上手だった後頭部マッサージを思い出す、

 あまりに気持ち良過ぎて、恐ろしいくらい眠気に襲われるやつ。


(スコーンって、綺麗に眠れるんだよなアレ)


 あんな感じなんろうか。


「どんなマッサージですか」

「そうですね、私の部屋でするのと坊ちゃまの部屋でするのとでは違いますが」

「ど、どう違うんですか」「私の部屋ですと真っ暗にしますね、暗室なみに」「それでマッサージを?!」


 何されるか怖いなそれ。


「僕の部屋だと」「普通のマッサージですね、パジャマで」

「凪さんの部屋だと」「裸ですね」「僕が?!」「それは来ていただければ」

「んー、今夜のじゃんけん、まだだよね」「まだですね」「それで勝ったら僕の部屋で、もう1人居るけど!」


 ということで洗い終わって僕は湯船の中へ。


「それでは失礼致します」

「はいメイド長、ありがとうございました」

「何かありましたら大声でお呼び下さい」「スマホ使うよ!」


 脱衣所に置いてあります。

 ……素直に出て行ってくれた、引き戸を閉めて。

 いやほんと凪さんの部屋で暗闇マッサージとか、どんなエグいことされるんだろう?


(冗談なしにヤベエお姉ちゃんだ)


 これが新しいメイド長か。


 ガラガラガラ……


「リョーちゃん、これどう?」

「うっわ陽菜ちゃん、スクール水着?!」

「そうよ、近くの小学校指定の、ついでに浮き輪もはめて来たわ」


 何やってんだこの身長129cmだっけ、

 さっきのメイド長より1歳年上の25歳児は!!

 胸にちゃんと学年と名前を書ける白い布が、って書きこんでるな。


「あっ、25歳だから2年5組なのか」「そうよ、入るわね」

「だめだめだめ!!」「いいじゃないスペースあるでしょう」

「これは夏の屋上プールまで取っておこう?」「えー」「それより今夜のじゃんけん何を出すか考えてきて!」「お風呂で考えたいわね~♪」


 まずいな、

 本格的に僕のお風呂まで浸食し始めている、

 凪さんを呼び込んじゃったからか、何だかんだで対抗意識はあるんだよな。


(さて、日曜夜の今夜に勝ち抜いて来る2人は……誰だ?!)

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