第106話 僕のためのケーキコンテストらしい
「は~い、それではこれより涼一さんが喜ぶケーキコンテストを行いま~す」
拍手拍手の月曜午前、
軽めのお茶漬けで朝食を済ませ、
僕はデザートという名のケーキコンテスト審査員に。
(司会は元声優志望の、れいさんです!)
ていうか、
みんないつのまにか、
お揃いのエプロンを装着している。
「最初は私よ」「あっ凪さん」
「苺のレアチーズケーキをどうぞ」
「うわあ、苺がおっきい」「涼一くんのために頑張ったわ」
そして自ら紅茶を淹れてくれる。
「ではいただきま……んーー!!」
クリームチーズが、
普通の市販ケーキに無いくらい重厚!
そうそう手造りだと質が上がるんだよね。
(これ材料に良いの使ってるな)
いきなり先頭打者ホームランだ、
あっJリーグが大好きですが野球は嫌いでは無いです、
いやそんな比喩表現でいちいち心の中で言い訳しなくていいか。
「どう?」「めっちゃ美味しい!」
あっという間に食べ終わったが、
ケーキはまだ5個あるはず、さあ次だ。
「HEY! ハニーパンケーキdeath!!」
「あっ小さいサイズだけど重ねてある、美味しそう」
「生クリームの上にcherryを乗せましター!」「いただきまっす」
ちゃんとナイフとフォークもあるな、
あっ、わざわざ氷の入ったグラスにコーラを!
そうか、ホットケーキだから紅茶じゃなく謎コーラ……んむ、美味しいなパン生地も!
「Do?」「これもこれで美味しい!」
四口で間食しちゃった、
こういうのも良いよねアメリカンで。
「さあリョーちゃん私の番よ」
「陽菜ちゃん、愛情いっぱいで作ったわ」
「ああっ、こ、この断層は!」「ミルクレープよ」
あえてカットしたやつだ、
これ自作って相当手間がかかったんじゃ?
さすが25歳、そして遊園地で勤務してただけある……て関係あるかな?
「じゃあ、いっただっきまーっす」
あっ、味がしっかりしている!
卵とバターの美味しさよ、お上品な味、
それでいて手作りの温かみを感じるな、人間性が出ている。
「いかがかしら?」「すっごく……美味しいです!」
手間の分だけ美味しくなっている、
器用でもあるんだろう、さすがだな。
「次は~私です~」
「あっ、これは白猫!」
「アニメキャラ禁止と~、社長さんに言われたので~」
思わぬ社長命令、
あとはまあ大人の事情もあるよね、
猫の顔がケーキになっている、目と髭が、かわいい。
「いただきま……んぐんぐんぐ!!」
ホワイトチョコでコーティングされてるけど、
スポンジケーキの中にクリームとドライフルーツが!
すごいなオリジナルでこんなケーキ作れるんだ、売れそう。
「どうでしょ~か~」「ごーかーーーく!!」
美味しいどころか合格である。
「それで~美味しかったですか~」「もちろん!!!」
確認されちゃった。
「ふふ、私はこちらよ」
「抹茶だ抹茶だ、抹茶ケーキ」
「飲む方の抹茶も淹れるわね、どうぞ」
上に小豆が乗っている、
それ以外は飾り付けのない、
シンプルながら美味しそうなケーキ。
「いただきますね……うん、んー!」
これガトーショコラだ、
しっかりとした味で口の中に広がる美味しさ、
甘さがそこまででも無いのが逆に良い感じかな。
「ふふふ、どうでしょう」「大人の美味しさだね」
熱い抹茶も含め、
ごちそうさまでしたって感じだ。
「涼一、最後は私よ!」
「景香お姉ちゃん、部活の助っ人は」「このあとよ、さあ食べて食べて!」
「あっはい、アップルパイだ!」「私のお昼ご飯にもなるわ」「それでかあ」
温かくなくて大丈夫かな?
むしろ冷ました方が美味しい、
まであるのかな、まあいいや。
「ではいただきま……んっ!」
林檎が美味しい!
って景香お姉ちゃんの農園って、
手広いけど林檎まで造ってたっけ?
(全体的にも、まあ仕上がっている)
デザートのデザートに最適というか、
お腹もこれで丁度、満腹になった感じだ、
そういう意味ではフィニッシュとして最適かも。
「涼一、感想!」「シメに相応しい美味しさでした、ありがとう」
お口を拭いてくれる景香お姉ちゃん、
そして司会のれいさんが改めてやってきた。
「さ~、涼一さ~ん、優勝は誰でしょ~」
「うーん」「必ず1人、選んでくださいね~」
「ええっと優勝賞品なんだっけ」「涼一さんと~、裸でお風呂ですね~」「えええ」
ケイさんが腕で軽く突っ込む。
「NO! 例のお店でケーキご馳走なのdeath!!」
そうそうクラスメイトの。
「えーでは発表します、優勝は……」
「「「「「「……」」」」」」「個人的に、一番美味しかったのは!」
やはり総合的に見て、これだ!
「最初の、凪さんです!!」
「嬉しいわ、選んで貰えてっ」「ちょ、抱きつかなくても」
「勝因は~、なんでしょ~」「やっぱ最初の重厚・濃厚さが忘れられなくて」
おそらく審査で不利なトップバッター、
それでこれだけ意識に残っていた美味しさ、
やっぱり才女は違うな、ケーキの腕まで一流だ。
「では今度、一緒に」
「はい、ゴールデンウィークの谷間あたりに」
「楽しみに待っているわ」「では~、以上、ケーキコンクールでしたぁ~~」
あっ、僕に出した以外の、
残った? ケーキを出してみんなで食べるようだ、
うん、平和で良いね、試合が終わればノーサイドって言うし!
(凪さんとのデートが、増えちゃったなあ)
もちろん嫌じゃないけれども!!




