第105話 改めて眠る前だから聞ける話らしい
今夜の添い寝はケイ&景香お姉ちゃん、
体力派の2人か、と思ったら陽菜ちゃんとえみとさんもそうか、
いや凪さんもジムのエアロバイクでエグい記録出してるんだっけ、とか思い出す。
(電気も消してもう眠る時だ、聞きたい事を聞こう)
もちろんお話だけ。
「結局みなさんは、僕にどうして欲しいんですか」
「もっと積極的になって欲しいデース」「いやでも1人の時間は大切で」
「そんなに恥ずかしいの?」「うんまあ」「確かに兄弟は押し入れでゴソゴソやってたみたいだけど」
景香お姉ちゃんだと、
そんな押入れのフスマを普通に『ご飯よ~』って開けそう、
「ンー、15歳でも頼って欲しいですネー」
「いや頼るってどういう意味で」「お客さんに聞いた話、昔テレビのCMデ『チ●チ●シェイク』という食品が」
「知らないから!」「涼一、今はまだ添い寝だけでいいの?」「むしろみんなは嫌じゃないのかと」「早い者勝ちじゃないの?」「何が!!」
でもまあ婚約者の方から、
添い寝以上の変な事はしてこないんだよな、
いや抱きしめられるとかはあるよ、あくまでハグの範囲内だ、と僕は思っている。
(正式に選んでも無いのに、そういうことやってから選ぶのもなあ)
一応のルールとしては、
僕が相手の部屋へ1人で入ったりしない限りは、
身の安全は保障されているというか、性的に襲われる事は無い、はず。
(ただし、僕の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るけど!)
しかも引っ切り無しに。
「リョーイチ、before going to sleepだから言えるコトデスガ」「うんケイさん」
「みんな、リョーイチのお嫁さんになれるコトを夢見ていMAS」「ほんとにい?!」
「ダカラ、ヒトリでソーユーコトをするののお手伝いなんて、ムシロど~んとお任せなのdeath!」
……なんだろう、ちょっと怖さすら感じる、ゾクッとした。
「涼一、そういうの関係なしにして甘えてくれていいけど」「う、うん姉ちゃん」
「でも私は、直接の姉じゃないから、そういうの関係ありで甘えてもいいのよ?」「えええ」
「イトコって良い関係ね、幼馴染以上の関係で、それでいて結婚できるって、ねえ?」「ま、まあ」
リスクもあるけど、
あとここでは寝る前でも言えないけど、
もっとやっかいなネックがあるんだよなあ……。
「眠る前だから聞いていい?」「はい景香お姉ちゃん」
「これ兄弟もそうじゃないかって言ってたんだけど」「うん」
「私の家に来なくなった理由って」「言いたくない」「1つだけ確認させて」
あの事件の話、
実は景香お姉ちゃんの耳に入っている?!
「答えるかどうか、わからないけど」
一応、景香お姉ちゃんと向き合う僕、
もちろんベッドの中で寝ながらね、身体の向きを。
「リョーイチ、背中は任せて!」
「なんの話ですか」「背後は守りマース」
「いやそんな抱きつかなくても」「涼一」「あっはい」
おそらく真面目な表情の景香お姉ちゃん。
「涼一が東京へ逃げ帰っちゃった後に気がついたんだけど」
「そんな逃げ帰ったって」「兄弟が言ってたわよ『アイツ逃げた』って、嬉しそうに」
「でしょうねえ」「桂実兄さんと慶士」「……まあ否定はしないよ、それで?」
ちょっとイラッとしちゃった。
「私の下着が1枚無くなってたのね」「……ふぁっ?!」
「だからひょっとして」「知らないよ」「本当に?」「本当に!」
「涼一が盗んだのバレないように逃げたんじゃ」「僕はそういうのするタイプじゃないから!」
当時の僕だと多分、
そういう気持ちは無かった、
むしろ汚いと思ったくらいだっただろう、だって下着だもん、洗ってあっても。
(15歳の今現在はどうかは、言わない!)
ていうか景香お姉ちゃん、
僕に対してそんな疑惑をずっと持っていたのか……。
「リョーイチ、言ってクレレバ安いのを買って毎日presentシマー」「いらないから」
「本当の本当に涼一じゃないのね?」「やらないやらない、それどころじゃなかったし」
「えっ、何か急に帰らないといけない事情が」「だからそれは聞かないで、でも変な事したからじゃないよ」
……安心してくれたかな、
これでもまだ疑うようであれば、
正直、婚約者レースから脱落させたい。
(完全に、景香お姉ちゃんと結婚しないって決まったら、言うべきなんだろうか)
教えたくない気持ちもあるけど。
「わかったわ、まあ兄弟に盗まれる事もあったしぃ」
「だったら僕を疑わないで」「涼一は『結婚できる兄弟』と思ってるけど」
「うーん」「リョーイチ、白状するなら今のうちなのdeath!」「だから本当に盗んでないから!」
まあいいや寝ちゃおう、
ってその前にバランス取る訳じゃないけど、
寝返りを打って今度はケイさんの方へ身体を向ける。
「WOW!」
「いやそんなびっくりしなくても、WOWって」
「ではSOですネ、『WOWシグナル』の話でも」「じゃ、おやすみ」
仰向けに戻して、っと。
「チッ、しくじっちまったZEEEEEE!」
「ちなみにその話の落ちは」「cometすなわち彗星デシター」
「めでたしめでたし、おやすみ」「グンナイ」「涼一おやすみ、いつか本当のこと教えてね」
……まあいいや、
明日は午前はケーキ対決、
午後はプロレス観戦だ、ぐっすり寝ようっと……。




