第89話 朝は朝で迫られるらしい
「涼一く~ん、朝ですよ~~」
「う、うん、う~~ん、れいさんかぁ」
「早く起きないと、着地しちゃいますよ~」
えっ何が?
と思って目を開けると、
目の前に爆乳が迫っていた!!
「うわっほ!!」
ってこのまま置きあがったら顔がぶつかっちゃう!
「ええっと、えみとさん!」
「ふふ、おはよう、今日も良い天気よ」
「景香お姉ちゃん!」「逃げたいなら私に抱きついて♪」
上かられいさん、
左右にはえみとさん&景香お姉ちゃん、
三方向から迫られている、どきどきどきどき!!
「こういう時は……下からだっ!!!」
布団を潜って足元から脱出、
ふう、危うくプレスされる所だった、
れいさんも景香お姉ちゃん越しに、あんなの押し付けようとしないで欲しい。
(いや、あんなのって!)
自分で思っておきながら酷いな、
でも実際、凶器みたいなもんだし、いや鈍器か。
「んも~、おはよ~」
「うふっ、涼一君おはよう」
「ねえ涼一、おはようのキスは?」「するかー!」
でもまあ唇以外はされた経験が、つい最近。
「れいさん、今日は僕の担当ってことですか」
「そうですね~、お世話させていただきますよ~」
「野沢さん、具体的にどうぞ」「いや景香お姉ちゃん」
それ聞き出して、
どうするんだっていう。
「ご想像に~、お任せします~」
「ふふ、子供は想像しちゃいけないコトかしら?」
「えみとさんまで、そんな」「とりあえず朝食までご案内します~」
いやそんな廊下を歩くだけなのに。
「今日の朝食は、確か」
「佐藤さんが~、ハンバーガーを作っていました~」
「朝からまーたそんな」「目玉焼きも挟んで~」「ポテトは?」「フィッシュ&チップスだそうです~」
凄いな、容赦ないなアメリカンモーニング、
いや日本にも名古屋に喫茶店でみモーニングって文化があるらしいが、
とにかくサービスとボリュームたっぷりの朝食をいただいて、学校へ行こう。
「あっ、そういえば登校の先導は、れいさん無理だっけ」
「一緒に行けますよ~、新兵器が昨日~、届きましたからぁ~」
「兵器って」「これで行きも帰りも~、ご一緒できますね~」「変装道具?」「後のお楽しみです~」
何だろうちょっと怖いな、
れいさんなら男装とかしても胸でバレる、
いや着ぐるみなら、って陽菜ちゃんじゃあるまいし。
(車でもバレちゃうよなぁ)
まあ登校すればわかるか、
えみとさんも景香お姉ちゃんも起きてきた。
「ねえ橋本さん、今日の夕方電話番、変わって貰えない? お願い!」
「ふふ、良いけれど、そういうのは週に1度だけよ、本当に今日で良いのかしら?」
「うんっ! ありがとう、ということで涼一、今日の帰り、ケーキ屋さん寄ろうっ!」「えええ」
当然、あのケーキ屋さんだよな、
僕のクラスメイトがやっている、
って実家がってことね、うーん。
「さすがにあの値段のケーキは、景香お姉ちゃんもお給料まだでしょ」
「えー、ご馳走してくれないのー?」「まあ、出せないことはないけれども」
「じゃあこうしましょ、私、クラスの友達連れてくる!」「いやお金もっとかかるじゃん」
景香お姉ちゃんだけ奢る、
っていう訳にもいかないし、
あと行ったら行ったでまたみんなのお土産を……
「ふふ、涼一君、無理しなくて良いのよ」「はあ」
「各自の分だけ、自分の食べた分だけ払うので良いのよ」
「えみとさんが、そう言ってくれるなら」「あと涼一のクラスメイトが店員なんでしょ? ならいいじゃないの」
いや、なぜそれが良いことになる、
別に景香お姉ちゃんのクラスとウチのクラスで、
ケーキ早食い競争とかする訳じゃあないんだし!
「大丈夫ですよ~、私も一緒です~」
「えっ、れいさん来ちゃうの? 出ても大丈夫??」
「登校の時と~、一緒の方法ですね~」「すっごく気になる!」
いったい、れいさんが僕と一緒に登校する方法とは……???
「じゃ、ケーキ屋さん決まりねっ!!」
「ううう、景香お姉ちゃん、あんま変な事は言わないでね」
「あくまでイトコよね、それは分かっているわ、もう恥ずかしがりなんだから」
うーーーん、
僕のクラスで変な噂にならないと良いけれども。
(とりあえずは乗るか、この景香お姉ちゃんウェーブに!)
別にやましい事は、
何も無いはず、うん、
単なる親戚、単なるイトコなんだから!!




