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遠藤の部屋にはヤベエお姉ちゃんが6人も来るらしい  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 ついに始まった高校生活!

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第88話 どうやらマストになってしまったらしい

(いったい何を盛り上がっているんだ……)


 お風呂あがり、自室へ行く途中で、

 リビングから女性陣の様々な声が聞こえてくる、

 歓喜や悲鳴、いやこれあきらかにアレやっているよねって。


「ひょっとして、毎晩するんだろうか?」


 などと呟きながら戻る、

 いや『する』って言っても変な事じゃない、

 まあ良いや、スマホで軽くネットを見てから寝よう。


(そういや、あのケーキ屋さん名前なんだっけ)


 とりあえず渡辺さん家でいいかな、

 ってクラスの女子のたまり場だったらどうしよう、

 別に悪い事してる訳じゃないんだけど、迷惑にならないようにしたい。


「さて、誰が来るのか」


 あとメイド服なのかどうか、

 そのあたり待っていればわかるか、

 って今から29階へ逃げたらどうなるんだろう?


(それはさすがに、可哀想かな)


 あっそうだ、Jリーグ公式サイトで、

 結構頻繁にペア招待券のプレゼントやってるんだった、

 席移動サービスも使えば3人とか4人で固まって一般席で観られる。


「さくっと応募、っと」


 やっぱり入場者数は1人でも増やさないとね、

 ちなみにクラスの友人がどこに座っているかは聞けない、

 なぜならおのずと自分の場所(SSS席)を言わないといけなくなるから。


 コンコンッ


(きたああああああああ!!!)


 ここは冷静になって……


「はい、どうぞー」


 ガチャリ、と入って来たのは……!!


「ふふ、こんばんわ」

「涼一、なんとか勝ってきたわ!」

「えみとさんと、景香お姉ちゃんかぁ」


 スウェットにジャージ、

 うん、添い寝には無難だね、

 ていうかこれ、このまま走りに行こうとか言われそう。


(お風呂を出たばかりです!)


 ていうか景香お姉ちゃん、

 あの漏れ聞こえてきた声は喜び過ぎだ。


「涼一君、まずはお話でもする?」

「あっそうだ、紅茶淹れてこよっか」

「ええっと、ジュースもう切れたんだっけ、って補充されてる?!」


 自販機風の缶ジュース専用冷蔵庫、

 10本入るんだけど丁度切れていて、

 新しいの買わなきゃって思ってたのにパンパンだ。


(しかも全部、あの例の謎コーラが!)


 これは完全にケイさんの犯行だ。


「ふふ、お水でも良いわよ」

「いや僕はいいや、その、改めて僕との添い寝って、そんなに価値高いの?!」

「可能なら毎晩でも良いわよ、ふふっ」「弟の気持ちがやっとわかったわ」「あー、栃木の実家で」


 添い寝したがってたもんな、

 あの弟たちと近い兄、それを差し置いて僕が……

 嫌な思い出がよぎったが、まあいいや、さっさと寝よう。


「それじゃあ早速、おやすみなさい!」

「もう眠るのね、いえ、横になってからが本番ね」

「眠くなるまでオシャベリっていうやつ? 涼一、何を話すー?」


 うーん、寝かしつけに来たんじゃないのか?

 そもそも添い寝とは、いや夜伽とは違うよね、

 まあいいや、適当に相手して、適当に眠ろうっと。


「今日は僕がケーキ屋を見つけてきたけど、

 他のみんなも近所で、ちょっと足を延ばしても良いから、

 隠れた名店とか隠れ家的スポットとか、あったら連れて行って欲しいな」


 高校生が行ける(入れる)範囲でね。


「ふふふ、下町だと銭湯とかになるけど、行ってみる?」

「混浴じゃないですよね」「でも一緒に行って、出て来るのを待つのも良いわよ、ふふっ」

「涼一、じゃあクラスの女の子に聞いてみるね」「えっ、でも巻き込んじゃ駄目だよ」「わかってるー」


 景香お姉ちゃんの場合は、

 逆に巻き込まれて部活の練習試合に連れて行きそう、

 まあ女子サッカー部なら、ってそれだったらプロのを観に行くよ。


(でもまあ、そういった各婚約者のチョイスも、今後の参考になるよね)


 別に試している訳じゃないけど。


「いやでも景香お姉ちゃん、勉強もしっかりやらなきゃ」

「んー、涼一に永久就職するから、ある程度はいいかなーって」

「でもそれ確定じゃないから」「えー」「ふふ、実家があるじゃない」「うー」


 唸ってら。


「えみとさんも、実家の工場が」

「本当に感謝だわ、この前、早朝にこっそり掃除して来ちゃった」

「良いんですか、びっくりしたでしょうね」「私もちょっとだけ寂しかったから」


 工場を離れて、か。

 じゃあ、今の状況はどうなんだろう、

 僕が寂しい思いをさせている、とかじゃないと良いけど。


(景香お姉ちゃんだって、不安が無い訳じゃ、ないだろうし)


 そういう意味では、

 この添い寝タイムって、

 必要なものなのかも知れない。


(婚約者の間では、もはやマストか)


 まあ仕方ないや。


「んっと、とりあえずは3年間、楽しくやっていきましょう」

「明るく楽しい生存競争、かしらね、ふふふ」「涼一の奪い合いだけれどもね」

「それはそれ、これはこれ、ということで」「では今夜の『これ』は添い寝ということで」「涼一、甘えて良いよ♪」


 ううう、ごそごそと密着されるうううぅぅぅ……


(いいや、おかげで僕も、寂しくない……ってことで!)


 にしてもこの状況、

 毎晩毎晩繰り返したら、

 きちんと慣れるのだろうか???

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