第87話 やはりメイドみんな連れて行く事になったらしい
「なるほど、いまスマホで見ましたが隠れ家的ケーキ店ですね」
「あっ凪さん、今日の夕食ありがとう、って三菜一汁どころか、これ五菜二汁ですよね」
「リョーイチ、さらにdessertを感謝なのでアリマス!」「プリンとマカロンで、そんな大袈裟な」
そう、結局このお土産は夕食のデザートってことになった、
ちなみにみんな普通の格好です、陽菜ちゃんもごく普通の私服。
「リョーちゃん、あの後ちゃんと渡してきたわ」
「陽菜ちゃんありがとう、大くん喜んでくれるかな」
「渡したその場で食べて『美味しいけど少ない』って」「ま、まあアレ単体だとね」
デザートなのに。
「ま~、ちゃんとお礼を言うように~」
「いやいいや、大くんはそれで良い、と僕は思う」
「申し訳~、ありません~」「なんだかんだ言ってお願いはきいてくれるから」
スタジアム飯もちゃんと食べに来てくれたし。
「ふふ、それでそのケーキハウスはいつ連れて行ってくれるのかしら?」
「ええっと、えみとさん個人的に行きたいのであれば」「涼一君とのデートよ」
「ねえ涼一、あくまでもイトコとの秘密基地ってことにすれば、クラスメイトも納得するんじゃない?」「うーん」
納得、ねえ。
「涼一くん、どうする? 丸瀬さんは済んだとして、1人ずつ連れて行く?」
「いっそのコト貸切、private party をするのはドーデショ」「クラスメイトの家で?!」
「お店なんだからいいじゃない、あの単価だと喜んでくれるんじゃないかしら」「うーん陽菜ちゃん、でもなあ」
とりあえず、あの犬のマスコットにウチのたぬきを並べたい。
「でしたら大も呼べますね~」「いや弟で釣らないで、多分釣られちゃうけど!」
「ふふ、でも涼一君も、一度で済ませられるわよ?」「そりゃまあ楽だけど」「そんなに個別デートしたい? うふ」
「ねえ涼一、そのお店の子、名前なんだっけ」「渡辺周ちゃんと新堀……ええっとなんだっけ出てこない」
バイトの方の子、
実はあの子もあの子で、
結構胸が大きい、れいさんとは比べられるレベルでは無いものの。
「明日、話かけてみてもいーい?」
「いやいやウチのクラスに来ちゃうの?!」
「そこまでしなくても接触できる場所はあるわよ」
出た、女子独自のコミニケーションスポット!
男子も男子であるけどね、体育倉庫とか、僕は行かないけど。
「うーん、みんなメイド服で、引っ越し祝いってことでなら、ってマンションのレストランでやれよって話?」
「涼一くん、それはこちら側の視点の話で、クラスメイトのケーキ屋さんからしてみたら、まったく関係ない話かと」
「SOですネー、むしろ喜んでくれるかと、feverしますネー、夜のリョーイチみたいに!」「えっ見たの?!」「サア」
ってそんな僕が見つめたら、
あらぬ方向をむいて口笛拭いちゃって!
まさかとは思うが29階に隠しカメラとか仕掛けられてないよね?!
「リョーちゃん、貸切パーティーもするし婚約者とペアでも行く、それで良いじゃないの」
「普段使いかあ、確かにあそこは美味しいしサービスも良いけれども、クラスメイトに色々聞かれるのは」
「涼一さ~ん、メイドが婚約者ってバレると~、そんなに不味いのでしょうか~」「うんまあ、単純に恥ずかしい」
しかも6人も居るのが。
「ふふっ、だったら3人ずつ、もしくは2人ずつとっていうのは」
「まーた組み合わせですか」「じゃんけんでも良いわよ? 今度は負けないから」
「そうだ涼一、以前言っていたお寿司屋さんみたいに、この家に来て貰うのは」「板前じゃないから!」
それなら普通にテイクアウトで良いじゃないか。
……じゃんけんで勝った2人と行く、ってなると、
なぜか毎回毎回、凪さんが勝って加わりそうな気がする、なんとなく。
「とにかく、みんな1度は連れて行けば良いんですよね」
「そうね」「ソウヨー」「私は2回目になるわね、ってハブらないでね」
「弟と~、涼一さんの2人で行くというのは~」「それ絶対、会話のないヤツだ!」
でも、それはそれでアリ。
「ふふふ、メイド服で1回、私服で1回っていうのも良いわ」
「えみとさん、それ単純にえみとさんが2回行きたいっていうだけじゃ」
「涼一、そのお店って土日もやってるの?」「確か日曜定休、土曜は不定休みたい」
お店をインスタで見ると、
営業日カレンダーみたいなのが出てたはず。
「でも涼一くん、私、嬉しいわ」「凪さん、えっと、何が」
「きちんと近いデート場所を、開発してくれるなんて、楽しみだわ」
「まあこれは、なんというか、流れで」「リョーイチは誰の所に流れ着くのカシラ?」
それは今の僕にも、わからない。
「リョーちゃん、女性のデートに値段の高いケーキ屋は、大正解よ」
「私は~、涼一さんに奢って欲しいとか~、言いませんから~、ご安心を~」
「むしろクラスメイトに紹介して欲しいわ、ふふ」「それはウチのメイドってことで、でしょうか」
まだ男の友人にすら会わせてないのに。
「そうだ涼一、そのお店で一緒に勉強するってどう?」
「客席そこまで多くないし、大丈夫かなあ」「クラスメイトの家じゃないの」
「いやいやお店ですよ、電子マネー使えるし」「とにかく1度連れて行ってよ、ね?」
景香お姉ちゃんとアメリカンパイのお店行った時、
ほんっとうに幸せそうだったからなあ、あそこまで喜んで貰えると、
デートのし甲斐があるっていうのも、でもなあ、うーーーん……まだちょっと恥ずかしい。
「まあ、公平を期すためにも、みんな1度は連れて行くよ」
ってこれ何の競走だっけ???




