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24話

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「大丈夫?本当に...?」




「元気元気!知ってるやろ?俺のお薬は特別製やからね」




抱えられている間は大人しかったサラだが、飛竜に降ろした瞬間落ち着き無く被弾した箇所をペタペタと触った。



HPで耐えたので何も支障はない。

何か問題があるとすれば、現在進行形で足元に縋り付くもう1人の方だ。




「ご、ごめんなさい。自分、ケイさんにあ、ああ....当てるつもりなんて無くて、なんか捕まってるって思ってそれで、こんな、こんな...!」




「良いってエナエナ。それよりこの街おったんやね!てっきりどっか他のとこ行ってると」




「こんな、こんなぁ...こんな筈じゃ....だって私....ケイさんを...助けるつもりで.....」




「あぁ....」




努めて明るく話しかけたつもりだったが、場を持たせる事は出来なかった。

小柄な獣人種である彼女が、俺の足に縋りついて謝罪する姿は中々に犯罪的だ。



既に俺の体は回復薬で治癒済み。

いつもの汎用防具は破壊されたが、こんな事が多いからこその汎用装備。替えなど幾らでも用意できる。



つまりあの程度の被弾、どうでも良いのだ。

俺としてはこんな話題より久々の再会を喜び合うような話がしたいところ。




「自分はまた、またこんな...?また...あ、あぁぁぁ...っ」




(無理か....)




やはり先ほどの言葉が届いている様子はない。

同じようなシュチュエーションを最近見た気がするが....


チラリとサーちゃんの方を見ると、ぷいとそっぽをむかれた。




やきもちなのか?

可愛いところではあるが、流石に足元のシェナを放って構ってはあげられない。



シェナのただひたすらに謝る姿からは物を壊した子供の姿が重なる。その場合ならどうするかは決まっている。

実際、サーちゃんがこうなっていたら同じ様に対応するだろう。




だがシェナと俺は相棒関係。

言うなれば気の置けない友人みたいな間柄だった。

そんな人物にこれをするのは....




「ごめ...なざ....っ.....ぅ......ぅ....」




ダメそうだ。

最初から涙声ではあったが決壊しかかっている。


俺のことで悲しんでくれるのは嬉しいが、目の前でこうなると心が痛む。




...やるだけやってみるか。





「はいぎゅー」




「「!?」」




何故か後方からも息を呑む音が聞こえたが、今は気にしない事にしよう。

頭を体に押し付ける様に抱きしめて、背中をポンポンと優しく叩く。




「...」




今声はかけない。

必要ないからだ。



許す。

お前の方が大事だと伝えるにはこれに限る。

本心でそう思っていれば必ず相手に伝わる。

俺は、それを知っている。




「っ....っっ....!」





体が硬直している間しばらく、そのまま抱きしめていた。

徐々に力が抜けて彼女の腕が俺の体を抱きしめ返す。



そこまで待って、言葉にする。




「久しぶりやね。元気?」




返事はこくりと頷く頭部が返した。

ピコピコと動く大きな耳に、少しのいたずら心が生まれる。

...もう大丈夫だろう。少し遊ぶか。




「...ふぅ〜」




「!!?」




ズザザっと後ずさる彼女に笑う。





「な、なにするっすかー!!」




「フハッ!ビックリした?耳弱かったよな」





敏感だから触るなと言っていた筈だ。

実際触っていないのでまぁ許してくれるだろう。




「いいい息吐くとか何考えてるっすか!へ、変態っす!」




「そんな変態と、好き好んで一緒におったん、誰やっけー?」




クッと顔がほぐれる彼女。

それに、にっこりと微笑んで返した。




「じ、自分っす....へへへ...」




「なんで照れてんのよ」




「照れてるわけじゃ...嬉しいんすよ!!生きてたんすね!」




「んーん死んでた」




「へ?」





シェナが固まる。

ふと風に衣服が揺れ、胸元の魔王の角に服が引っかかった。



胸元を直して視界を戻すと目と目がばっちり合ってしまった。

装備が逝ったので肌着だけだ。何かが刺さっているのは分かったかもな。



見た?えっちーとでも言おうと思ったが、そんなことを言える空気ではなさそうな顔をしていた。




「それは....」




「んー、まぁ....」





「.....関係ないっす。どうでもいいっす」




「お?」




その言葉に俺は少し嬉しくなった。

形は変わっても、年月は経っても、友達なのは変わらない。そう言ってもらえた気がして。




「ケイさんはケイさんっす。それだけでいいんです。自分、会えて嬉しいっす.....」




「....俺も嬉しいよ?でも」




「?」




「まずは謝ろか」





スッと身を引いて2人をシェナの視界に移す。

その姿を見るまで、まるで忘れていたかのような彼女の表情。




シェナ...それは流石に心象悪いって俺でも分かるぞ。





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