880 魔王いるんかい 下
「攻めて来るなと伝えておくよ。長い付き合いだしな」
知り合いでしたか! お顔がお広いことで。
「魔王様は国の頂点に立つお方なので?」
「一応、国の頂点には立っているな。政治は下に任せてはいるようだが」
どういう体制なんだ?
「コルディーに隣接しているのですか?」
それに寄って備える準備が出て来るわ。
「海の向こうの小さな島国だ。船でもかなり遠い場所だ。昔に使者がきた。ことはある。記録が残っているかは知らんがな」
「そういう歴史はちゃんと残してください。国の格に関わってくることなんですから。歴史はあっても記録がないのでは意味がないのですよ」
そういうところが本当にわかってない。しっかりとした証拠がなければ周りの国から信じてもらえなくなるんですよ!
「国の格は歴史の長さ。たぶん、五百年かな? では他国から見下されます。しっかりとした歴史が国の格を高める。もし、帝国に歴史で負けるようなら下に見られるのですよ。その辺のことを上に伝えておいてくださいませ」
「そんなにか?」
「そんなにっ、です! 守るなら多角的に守ってください! コルディーは穴蔵に籠っているゴーギャンではないのです。外にいる外敵に恐れられるくらいでちょうどいいのです」
だからこそ友好国が必要となってくる。歴史を認めてくれる第三者が、ね。
「わ、わかったよ。そう伝えておくよ」
「是非ともお願いします。コルディーの未来のために」
あ、魔力はいただきますよっと。
「……よ、容赦なしか……」
「容赦されたことがないのでわかりませんね」
されたこともないのにしてやる必要はどこにもございません。命令すれば叶えられるとか夢見てんじゃないよ。叶えたければ叶えられる状況を作り出してから言えってんだ。
「魔王様の情報もいただけたら幸いです」
情報は命。武器だ。少しでも手に入れられる情報は何気ないことでも仕入れておくものだわ。
「手紙でも送っておくよ」
手紙を出せる関係かい! どんな関係よ!
「タルル。すまんが頼まれてくれんか? 桃が有名なところだ。あ、あそこにも梅が咲いていたな。酒と交換してもらうか」
「桃だと! それはいいな! 任せろ!」
なんだろう。また問題がやって来そうな予感しかない。でも、梅が手に入れられるならありがたい。手持ちがもう僅かしかないからね。
「まあ、がんばってくださいませ」
やる気に満ちていることだし、すべてお任せ致します。わたしはまだやることがたくさんあるのでね。
「ハァー。休まる暇がないわ」
おっぱい。おっぱいが欲しい。誰か来たら一緒にお風呂に誘いましょうっと。




