881 妃候補 上
なんやかんやあったけど、ルーセル様は王城に順応はしているようだ。
国王陛下との夕食もわたし抜きで乗り越えられたし、大臣たちとの顔合わせも行えた。あと残すところは……なにかしら? 王宮からの要望はすべてこなしたわよね?
王宮から送られた侍女にも確認してもらう。うん。要望に抜けはなかったわ。
「お嬢様。またお酒の要望書が届きました」
「またなの? 日に日に増えているわね」
最上位貴族からの要望なので断ることはできない。とは言え、こちらは卸じゃないんだから次から次と要望しないで欲しいものだわ。
「どうも国王陛下が清酒を気に入ったようです。いろんな席で清酒を求めていると聞きました」
「国王陛下も葡萄酒ばかりには飽きていたのね」
わたしも一人のおっぱいばかり見てたら他のおっぱいも見たくなる。国王陛下の気持ちがよくわかるわ。
「なにかしら?」
なにやらわたしを見るラグラナの目が呆れを帯びている気がするのだけれど。あなた、たまにそんな目をわたしに向けるわよね。わたしの視線はおっぱいに向けられているからそんなに気にしたことなかったけどさ。
「いえ、お嬢様はいつでもお嬢様なのだな~と思いまして」
「わたしがわたしじゃなかったことなんて一度もないわよ」
「はい。お嬢様は裏表がないお方でした」
裏表はないけど闇はある、みたいな言い様ね。まあ、中身はおっぱい星人だからあながち間違っていないでしょうよ。
「それとですけど、侍女長様が面会を求めております」
「また問題?」
わたしを巻き込まないで欲しいのだけれど。
「いえ、妃候補の令嬢とルーセル様とのお茶会をさせて欲しいそうです」
妃候補と? なにを考えているの?
「理由は聞いている?」
「将来、あの中からお妃が出るのだから関係を結ばせてはどうかとのことでした?」
「侍女長様のお考え? どうも違うように思うのだけれど」
あの方は王宮を大事にしている。王城に重きを置いてないように感じだったわ。どちらかと言えばマーレクラ様の考えに近いような気がするのだけれてど……。
「そこまではわかりかねます。お嬢様が納得する理由しかお話しいただけませんでした」
そこは侍女長様の考えか。ん? もしかしてお二人様の考え? 他に別の目的があるってことかしら?
「わかったわ。ルーセル様にはわたしから伝えておくわ。妃候補の資料を取り寄せてちょうだい。もちろん、王宮と王城が持っているウソ偽りないものをよ」
妃候補の顔と名前はわたしでも集めてある。記録にない令嬢がいたら要注意ね。
「畏まりました」
てか、また仕事が増えたわ。ほんと、嫌になるわ~。




